見出し画像

4.Grade


高校生になってから
エレクトーンのレッスンを受け始めたが
大学に通うため実家を離れ
続けられなくなった。

大学では また
吹奏楽部で忙しくしていた。

就職して 実家に戻った。

***

ある日 たまたま
お教室の近くを通ったら
先生がレッスンをしている気配がある。

迷わず
ドアをノックした。

先生は
驚いてはいたけれど
戸惑ってはいなかった。

ほかの生徒さんのレッスン中だったので
連絡先の交換だけして立ち去った。

その日のうちに電話があり
レッスンの曜日と時間を決め
楽器の相談をした。

D60では さすがに古すぎる。

しばらくして
中古のEL90が見つかった と
連絡があった。

当時 EL900が発売されていたが
EL90は先生と同じ機種だ。

即決し 最短で納品してもらった。

「楽器を買うのはいいけれど
ひとこと言いなさい と
お父さんが怒っていたよ」と
後で 母から聞いた。

***

すでに レッスンは
好きな曲を弾く形になっていた。

けれど
弾けそうな曲の中から 弾きたい曲を選んでも
これ以上うまくならない気がして
Gread音楽能力検定を受けることにした。

お子さんと付き添いの親御さんたちに
まじって順番を待ち
たくさんたくさん緊張して演奏した。

終わって楽譜を片付けていると
試験官の方から
「先生お元気?」と聞かれたことがある。
申込書には
習っている先生の名前を書く欄があった。

課題曲のレジスト音色やリズムのデータ
先生が作ってくれたから
AUTO自動で変わるではなかった。

おかげで
右足のフットスイッチ自分の足で変えていく
抵抗がなくなった。

エレクトーンの楽譜には
基本的に
Gread何級の曲かが書いてある。

ひとつ受かるたびに
挑戦できる曲が
目に見える形で増えていった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?