京都の古い京町家をリノベして住まう#6
モノづくりには意思の疎通は欠かせないが、なんと難しいことか
工務店の社長は大工さんだったという。腕利きの職人だったとのこと。18で故郷鹿児島を原付バイクで後にし、京都の棟梁の所へ行き見習いになったそうだ。月日が流れ職人のままでは稼ぎに限界があると知り、独立、工務店を開業。実直で嘘をつかなそうな印象を受けたが、肝心の「お金、金額、お代金」についてハッキリ物を言わない人。私は困り果てた。「俺はここまでしてやっとんのや、だからこれはやらんでええやろ」的な・・・。私は別に「まけろ」とも「高い」とも言っていなかった。ただリノベーションの中身がこの社長や彼の抱える職人さんが今までしてこなかった事を欲しただけ。それも複雑な何か、、ではなく下地ボードが表面に出たままで仕上げていい、、、という単純なことだった。
結局、それだと儲けにならないからなんだと理解して、色々妥協せざるを得なかった。(まぁ、躯体さえしっかりしていて、断熱材が入っていれば上出来上出来)、、、と思うことにした。
なぜか途中仕事がよく中断した、、、図面がないと無理でしょ
その社長は高校の建築科を出ているということで、図面が描けると言っていたが、大工さんはよく仕事が中断してしまい、寸法が入った図面が必須だった。社長が抱えているという一級建築士の女性に急遽入ってもらったが、それで更にことが複雑になった。
つづく