インドで給油する際の謎のルール
「男子、三日会わざれば刮目して見よ」という言葉がありますが、インドにも似たようなところがありまして、しばらくインドを離れている間に従来とは真逆のルールが出来ていたり、これまでのやり方が全然通じなくなっていたりということはよくあることで。
私がインドで暮らしていた頃で思い出すのは、やや長めの日本滞在の後の入国時に入国審査の場所も流れもまるで変ってしまっていたり、なぜだか急にレストランでお酒が飲めなくなったり、あと大気汚染対策だかなんだかで車のナンバー下一桁が偶数の車だけ走れる日or奇数の車だけ走れる日という謎ルールが出来ていたり。(結局さほど守られてませんでしたが)
急務とされる社会課題に対して迅速に対策を講じるが故、ということなのだと思うのですが、それは本当に効果的な対策なのだろうかと首をかしげることも多く、なかなか趣深いものがあります。
先日インドを久しぶりに訪れた際にも、やはりありました。
デリーからジャイプールまでレンタカーで高速道路を走り始めて間もなく、給油のためガソリンスタンドに立ち寄ると、初老のベテランドライバーがぶっきらぼうに「車を降りてくれ」と。
なんだろう、チャイでも奢ってくれるのかなと思いながら言われるがまま車を降りるのですが、特に車を離れるでもなくスタンドの店員が給油する様子をぼんやり眺めているだけ。給油が終われば「乗ってくれ」と言われ、また言われるがまま乗車して走り始めました。
なんの時間?と疑問に思いつつ、なんだかよくわからない場所に行かされたり、何のためかよくわからないとこに立たされたり、まあインドではよくあることなので、特には聞かなかったのですね。まあそういうこともあるだろうという鷹揚な態度を装っていたのです。初回は。
しかし2回目の給油の際もやはり「降りてくれ」と言われるので、夜で寒かったので降りたくないなあという気持ちもあり、「降りなきゃダメなの?」と聞いてみたのです。すると、彼が言うには、先日出来たルールで給油中は車内に誰もいてはいけないのだということらしく、またその理由・背景というのがどうも最近デリーあたりで給油中に車が爆発炎上するという事故が起きたためであるとのことなのですね。
なんといいますか、給油中の爆発炎上事故発生に対して政府が施行したルールが、給油中に車内にいないことって、それは対策として合ってるのだろうか・・・と当然思うわけですが、特に日本人の感覚というわけでもなく、ドライバーの彼もまあ変なルールだけどしょうがないのよ、ルールだから。というテンションでしたね。
思うにこれは上述の通り、政府による素早い対策実施の片面だなあと思われるわけで、いわゆるインドのジュガールですなと笑うのもちょっと違うかなとは思います。逆に効果的な方向の施策でいうとFASTag(高速道路の料金所を現金払いなしで通過できる仕組み、ETCみたいなもの)はあっという間に普及して今では8~9割がFASTagレーンになっているようですし。やると決めたらやる速さと多少の強引さ、これはインドや中国にはあって日本にはないものだなあと思いますね。
最後に、これはあまり関係ありませんが高速道路の休憩所がとてもレベルアップしておりました。
今後も変わり続けるインドの変化を注視していきたいと、思った次第です。
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