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リアル80年代のロードレーサー: 最近の様子

こんにちは
自転車が大好きなsilicate meltと申します。

6月に入手したNationalレーサーについて、その後の改良と現在の状況について書いてみました。


リアル80年代のロードレーサー
フレーム:National NR-3100 (パナモリの祖先)
パーツ:SHIMANO 600EX (ULTEGRAの祖先)



ギヤ比の変更


Nationalレーサーのギヤ比はフロント52x42
リアはシマノのユニグライドUG
13-14-15-17-19-21 Tの6速でした。
昔はこれでヒルクライムをしていたわけですが、今は到底無理(笑)
そのため、ギヤ比の変更が喫急の課題となっておりました。

シマノのカセットスプロケットには
UG」と「HG」の2種類の規格があります。

UGギヤはシマノが最初に作ったカセットスプロケットの規格で、70年代後半〜80年代に普及しました。5速〜8速があり、歯の位置に関係なく、スプロケを1枚ずつ自由に組むことができます。

HGギヤは、インデックスシステムによるシフトチェンジがスムーズになるように、スプロケに変速ポイントを入れたもので、各スプロケの相対的な位置関係に決まりがあります。8速が一般化した90年ごろに導入され、現在まで使われているものです。


フロントについては、シマノ600EXの最小サイズであるインナー39Tが、中古ショップで比較的簡単に手に入りました。
しかし、リヤのUGの大径ギヤが問題となりました。

一応当時も、今と同じように26T〜34Tは存在したのですが、標準仕様ではなくスモールパーツとしての販売であったので、元々タマ数が少ない。
その上、当時21Tをガシガシ踏んでいた自転車少年たちが、今ではビンテージマニアの中年オヤジとなり、衰えた脚力を補うために大径ギヤを求めているため、中古市場で異常な高値となっているのです(笑)。
当時定価500円くらいだった大径スプロケが、今は1枚1万円以上します。

ワタクシ その昔、UGの26Tを持っていました
当時、神奈川県内のヒルクライムは大抵21Tか23Tで行けたのですが、一箇所だけ26Tが必要なところがありました。
ヤビツ峠の蓑毛の手前です。
あそこで26Tを使わないとタイムが出なかったのです(笑)
ところが、その後8速が普及してHGにシフトした時に、UGの26Tはもう使わないと思って捨ててしまいました(昔はヤフオクとかもなかったので)。
あの頃の自分をぶん殴ってやりたいです(笑)

出典:ワタクシの大径ギヤの思い出



そこで今回は、HGギヤを改造してUG化することにしました。

左はNationalレーサーで使用していた6速 UGのスプロケ
右は6速 HGの新品のスプロケ
13-15-17-20-23-26T です。
(ヤフオクで2200円で購入)

HGに6速仕様があるとは知りませんでした。
20年以上前のクロスバイクとかに使われていたのでしょうかね?


同じシマノの6速であるにもかかわらず、サイズが少し違っていました。
6速 UGは歯が1枚2.0mmで、スペーサーが3.43mmです。
6速 HGは歯が1枚1.9mmで、スペーサーが3.7mmです。
そのため、2から6枚目までの幅がUGは23mmであるのに対して、HGは24mmとなり、HGの方が1mm幅広です。


UGは位置が自由なのでスプロケボディーの溝が同じ幅
これに対し、HGは位置決めのために一箇所だけ幅広なっています。


このHGのスプロケの出っ張りをダイヤモンドやすりで削ります。
こうすれば、UGのスプロケボディーに入れることができます。
HGの23Tと26TをUG化しました。

スプロケは硬そうに見えますが、ダイヤモンドやすりで簡単に削れました。作業時間は2枚で20分程度

加工したスプロケをロー側に2枚組み込んで
UGギヤ 13-15-17-19-23-26Tとなりました。
色が少し変わってしまいましたが、贅沢は言えません。
これでヒルクライムにもトライできそうです。



SIS対応の検討


Nationalレーサーのシフトレバーはシマノ600EXのフリクションレバーです。
これをシマノ インデックスシステムSIS)化してみました。
インデックスとは、1段ごとにカチカチと切り替わるギヤのことで、シフトミスをすることなく、誰でもギヤが変えられるということで、1986年ごろから普及しだしました。

今では、世界のロードパーツはシマノが圧倒的なシェアを誇っていますが、80年代はカンパの全盛期でシマノはマイナーメーカーでした。
そのシマノがプロチームにパーツを本格供給し始めた時の最初のアピールポイントがSISの導入でした

1986年頃のシマノの広告
革命の変速システム、いま世界へ

左:フリクションレバーのレバー軸カバー
右:SISのレバー軸カバー

SIS化するためにはフレームのWレバー台座に取り付ける、レバー軸カバーについてSIS対応のものが必要です。
今でも作られているようで、ヤフオクで簡単に入手できました。
SIS対応のものは、SISユニットを固定するための溝が入っています。


シマノ600EX SIS対応のリヤメカとWレバーを取り付けます。
リヤメカは中古ショップの通販で購入
Wレバーは中学生の時に買ったもの。
これは自分がお小遣いで買った、初めてのシマノのロードパーツ
思い出のパーツなのです。
これを使ってみたかったのです。

取り付けて変速試験を開始
最初はいい感じにシフトしていました。

ところが…

シフトチェンジのテストをしているうちに、次第にインデックスの感触が軽くなり、フリクションモードみたいになった挙句、最後にはSISユニットそのものが固定されずに回ってしまう事態に…

レバーを外して見てみます。

ガ━━(゚Д゚;)━━ン!
SISユニットが壊れてる


SISユニットの台座固定部分の爪が全部折れてしまっていました。
何が原因だったのだろう

Wレバーの取り付けなんて、台座にハメてネジを締めるだけだから簡単なハズ。そんな風に軽く考えてよく見ずに取り付けてしまったのが原因だったのかもしれません
(最近、老眼がひどくて細かいところがよく見えないのです(泣))


めげずに再チャレンジ

ヤフオクにて600EXのWレバーを落札
600EXのマニアって自分以外にも結構いるようで、高かったです(泣)

レバー本体は自分のやつを使うので、SISユニットだけ取り替えます。
今度は間違いがないように、マニュアルを見ながら慎重に組み付けました
(ドキドキ)

再び、ギヤチェンジの試験
すると…

最初はOK
カチカチ言いながら、いい感じにシフトします


だんだんインデックスが軽くなる

フリクションレバーみたいになった挙句、SISユニットがレバーと一緒に回り始める。

壊れた2個のSISユニット
左:ヤフオク購入品、右:自分が持っていたもの
左下のやつはSISユニットの折れた爪

ガ━━(゚Д゚;)━━ン!
SISユニットが壊れてる(2回目)


何が原因なのだろう?
少なくとも自分が持っていたものは長年使って
いなかったパーツだから、金属疲労などは無いはず
経年変化ではこんなこと起こらないよね??

この2回連続の失敗により、SIS化は諦めることにしました。
まぁ、元々SIS化は操作性の向上というよりも、昔のレバーを使ってみたかったのが理由ですし、フリクションレバーの方が操作感があり、乗っていて楽しいですからね。



シューズ


Nationalレーサーには600EXのトークリップ式のエアロペダルを取り付けているのですが、トークリップ対応のシューズを持っていませんでした。
(昔は持っていましたが、LOOKを使うようになって捨てた)

トークリップ用のシューズは、今やUGの大径ギヤに並ぶ入手困難な品です。
シューズは履かずに置いておくだけでも、経年でボロボロに劣化してきます。
そのため、履ける状態のビンテージシューズはヤフオクやメルカリでの出品が極めて少なく、その上自分の足にジャストサイズのものとなると、
もう、よほどの幸運で無い限り見つけるのは困難です。

SIDI スーパーサイクル(新品未使用)

80年代前半のシューズ
サイズは40.5で自分のジャストサイズ
ヤフオクにて激安即決価格で入手できました。

SISレバーは運が悪かったけど、シューズでは運が良かったです(笑)


その昔、70年代のロードシューズではシュープレートを釘で固定していました。このSIDI スーパーサイクルは80年代に出たネジ止め式の最初期のもので、これで微調整がしやすくなりました。

ちなみに、この頃のシュープレートはメーカーやシューズの種類ごとに専用品だったので、このシュープレートはシューズ以上に入手困難です。
(大事に使うことにしよう)

この時代のサイクルシューズは完全にレース用だったので、歩くことは全く想定されておらず、今のシューズのように踵やつま先にラバーヒールがありません。
そこで、両面テープ式の市販の靴底プロテクターを貼り付けました(下図)。

このシューズはまだ使ったことが無いのですが、履くのが楽しみです
(なかなか時間が無い(泣))


今後の予定?


夏に実家に帰省した時に、ホイールを持ち帰ってきました。

実家の物置に 忘れ去られていた 厳重保管されていたチューブラーホイール

リム:Campagnolo Victory Crono
ハブとスプロケ:SHIMANO 初代ULTEGRA 7速UG 13-21T 
クイックレバー無し
多分、捨てた(俺のバカ〜(笑))

このホイール
その昔、粗大ゴミに出そうとしたけれども、タイミングを失って置き去りになっていたものです。
Nationalレーサーにピッタリなので、これを再活用したい。

ただ、リアのスポークが1本折れちゃってるんだよね
ホコリだらけだし、全部バラしてピカピカにしてからホイールを組み直そうと思っている(なかなか時間が無い(泣))。

600EXは6速仕様ですが、フリクションレバーなので7速でも使えます。
でも、せっかくの7速なので、当時のULTEGRAをもう一度使ってみたい。

というわけで…

初代ULTEGRA パーツセット

ヤフオクでコツコツ集めました。
 1983年に登場した600EXは87年にこれにモデルチェンジしました。
キャリパーブレーキのみ後期型のデュアルピボットタイプです。

これを着せ替え人形みたいにして、載せ替えて楽しもうかなと思っている。
(なかなか時間が無い(泣、三度目))。

ちなみに、ワタクシ
デュラエース よりも アルテグラ
フラッグシップ よりも セカンドグレード が好きなタイプであります(笑)


乗ってみた


LOOK595と565に、このNationalレーサー
3台のロードバイクをわりと均等に乗っている上、この秋は週末も時間がとれないことが多く、Nationalレーサーにはあまり乗れていません。
下の写真は8月末に寒風山のヒルクライムコースに行った時の様子です。

26Tの導入でなんとか足付きせずに頂上(355m)まで登ることができました。

この秋に、26Tとトークリップシューズで、近場の山に紅葉を見に行こうと思っていたのですが、既に落葉とのこと(泣)
週明けは初雪の予報とか言っているし、あっという間に冬になりそう。
なんとかそれまでに、時間を作ってトークリップシューズを楽しみたいと思っているところです。

(終わり)


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