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リアル80年代のロードレーサー: RALEIGH編
こんにちは
自転車が大好きなSilicate meltと申します。
36年前に事故で乗れなくなったRALEIGHを最近修理してもらったので、その顛末をまとめました。
私は現在、3台のロードバイクを所有しています。
そのうちの1台は80年代のナショナル自転車工業製のロードレーサーです。
ナショナル自転車工業はその後、Panasonicに改称されたが、今でも変わらずクロモリフレームを作り続けており、マニアの間では「パナモリ」の愛称で知られています。
PanasonicはセミオーダーシステムのPOSで有名で、基本33色をベースにした組み合わせで、約9万通りのデザインが可能なのですが、広告やカタログなどによく出てくる基本カラーとして、下の写真の「レーシング デザイン」があります。
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さて、このPanasonicのレーシング デザインなのだけれども、これは90年代に発表されたもので、それ以前に初代のデザイン(1987年〜)があった。
そしてさらに、その初代が模倣したフレームがありました。
それがコレです ↓
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(サイクルスポーツ 実用カタログ1987より)
パナモリのRacing Designは
このフレームが元になっている。
RALEIGH Professional
1984-1985年に、オランダに Panasonic RALEIGHというプロロードレースのチームがあった。1972年から1983年まで存在した TI-RALEIGH を源流とする伝統的な強豪チームであった。
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Panasonic RALEIGH のフィル・アンダーソン
オーストラリア出身、ヨーロッパ出身以外のプロロードレーサーの先駆けで
ツールでは1982年から85年まで毎年10位以内の好成績を残した。
そのPanasonic RALEIGH が使用したのが RALEIGH Professional である。
その後、Panasonicチームのマシンは86-87年にEddy Merckx、88-89年にCOLNAGOと代わり、90年-92年に自社のフレームを使うようになった。PanasonicチームがPanasonic製のマシンを使うようになったのは、晩年の3年間だけなのであった。
「Panasonic」はもともと松下電気産業の海外ブランド名で、日本では1987年に自転車部門ではじめて使われるようになった。
ナショナル自転車工業がPanasonicに改称されたばかりのその頃、Panasonicの自転車の広告やカタログには RALEIGH や Eddy Merckx に乗る Panasonicチームの選手の写真が使われていた。
当時自転車少年であったワタクシはそれらの広告に大きな違和感を感じるとともに、世の中には理屈では説明がつかない「大人の事情」というものがあることを、少しずつ理解していったのでした (笑)。
80年代中期の欧州プロロード界の思い出
80年代中期、「日本の家電」+「欧州フレーム」の名称のプロチームは、Panasonic RALEIGH の他に、HITACHI Rossin 、TOSHIBA LOOK があった。TOSHIBA LOOKはカンパ全盛期の80年代に7400系デュラエースを初めて採用したチームでもあった(現在に続くシマノの快進撃はここから始まった)。
当時、欧州では日本人プロロードレーサーの市川雅敏が孤軍奮闘していたくらいで、日本人選手の目立った活躍は見られなかった
(残念ながら、その状況はいまだに変わっていない)。
しかしその一方で、日本の家電メーカーのチームやシマノの製品がツール・ド・フランスで活躍する姿を見て、日本の技術力の高さを誇らしく思ったものでした。
僕が乗っていたRALEIGHについて
さて、Panasonic RALEIGHの説明を長々としたのは、僕がその昔RALEIGH Professionalに乗っていたからなのです。
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このRALEIGHは高校の入学祝いに、親に買ってもらったものです。
これを手に入れたときは本当に嬉しかったですね。
中学生の頃は、タイヤが太くてカッコ悪いロードマンや、ホイールクリアランスが大きくて不恰好な中古のスポルティーフを改造したロードにしか乗れなかったのです。だから、サイクリングに行っても恥ずかしくて、他の人(サイクリスト)には自転車を見られるのが嫌だったんだよね(笑)
そんな僕にとって、このRALEIGHは堂々と乗ることができる初めての本格的な新車のロードレーサーでした。
ところがですね、このRALEIGHは乗り始めて1年ちょっとで事故に遭い、乗れなくなってしまったのです。
(どんな事故であったのか知りたい方は、下記のnoteをご覧ください)
このときの事故でフロントフォークが変形し、前から大きな力が加わったせいで、トップチューブとダウンチューブのヘッド付近も少し前屈みになってシワができてしまった。
フォークは少しずつ体重をかけて目分量で修正して、なんとかホイールをはめることはできるようになったけれども、まっすぐに走らない直進性の著しく悪い車体になってしまいました。
その後、このRALEIGHは街乗り車として数年使ったのち、分解して物置の奥に置かれることになりました。
2000年ごろにヤフオクができたばかりのころ、使わないパーツや車体はそこでほとんど売ってしまいましたが、この破損したRALEIGHは売るわけにはいかず、乗ることもできず、かといって金属ゴミとして捨てるのも惜しい。
使い道がないまま、長いこと実家の物置に置かれたままになっていたのでした。
RALEIGHを持ち帰る
今年の6月から80年代のNationalレーサーに乗りはじめて以来、その乗り味とオールドパーツの使用感に、現代のカーボンバイクとは違った良さがあることを感ずるようになりました。
そこで思い出したのが、あの破損したRALEIGHです。
夏に実家に帰省した際、RALEIGHのフレームとそのとき使っていたホイールを家に持ち帰って来ました。
家から単身赴任先の自宅に持って行くため、妻に駅までクルマで送ってもらうことになった。オーストリッチの輪行袋に入れた車体をクルマに積もうとしたところ、長男がやってきた。
実は、僕の子供達は僕がロードバイクに乗っていることを知りません (笑)
(この件については以前noteに書きました↓)
小学生の長男が、クルマに積もうとしている大きな輪行袋を指差して
「これなあに?」
と聞いてきた。
(あ〜、見つからないようにしていたのだけれど、バレちゃったかナァ〜(笑))
ワタクシが「自転車だよ」と話すと、
長男は「ふ〜ん」
と、分かったような分からないような返事をして、
すぐにどこかに行ってしまった。
「ふ〜ん」ってお前!
それだけかい!?
「なんで袋に入ってるの?」とか
「ウチにそんな自転車あったっけ?」とか、
小学6年生にもなれば、もっと言うことあるでしょうに!
寂しいような…
ホッとしたような…
複雑な気持ちになった、お盆休みの出来事でした。
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自宅の最寄り駅にて
RALEIGHを修理に出す
調べてみると、最近は昔のクロモリフレームを修正してくれるショップもいろいろとあるようです。それらのうちで、ビンテージの輸入フレームの取り扱いに関して多くの実績をもつ、東京の CorsaCorsa で見積もりを取ることにしました。
事故車ならどのような事故であったのかを知ってもらった方が良いと思い、事故のことを書いたnoteのアドレス(上のリンク)と現在の写真をCorsaCorsaに送りました。代表の江口氏からすぐに丁寧な返信があり、次の3つの修正方法を提案されました。
(1) 簡易修正
フォークエンド、コラム、ヘッド、BB、エンドの位置と角度を、治具を用いて適正値に修正をする。
(2) 簡易修正+シワ取り
(1)に加えて、ダウンチューブとトップチューブのシワを板金作業で取り、修正部を再塗装する。
(3) チューブ差し替え+全塗装
(1)に加えて、ダウンチューブとトップチューブを差し替えて、全塗装してステッカーなども作り直す。
当然、(1)→(2)→(3)の順で金額も高くなります。
(1)と(2)は「まあ、そんなもんだろうね」と納得できる価格でした。
(3)は、同じフレームの新品のデッドストックの方が安いのではないだろうか?(仮にそれがあったとして)と思うような高額な見積価格でした。
ただし、(3)であれば、丸ごと新品同様になるそうです。
しかしその場合は、フレーム全体のうちの40%ほどが交換されることになります。
そして、確かに全塗装であれば見かけも綺麗になるのかもしれないけれども、それはもはや、自分がワクワクしながら組んで乗った、あの頃の思い出のフレームではなくなってしまうのではないだろうか?
と思いました。
そこで (2)の「簡易修正+シワ取り」プランで進めることにし、追加でタップ/リーマー作業もしてもらうことにしました。
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フォークが変形してエンド幅が105mmに広がっており(正しくは100mm)
トップチューブとダウンチューブのヘッドの付け根付近にもシワができています。
リヤエンドは変形させた覚えはないのですが124mmになっていました(正しくは126mm)
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梱包して9月上旬に発送
納期は約3ヶ月とのことでした。
RALEIGHが帰って来た
12月上旬、CorsaCorsaより修理が完了したとの連絡があり、フレームが戻って来ました。
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自分が写真をとっても変わり映えしない、相変わらず傷だらけの古臭いフレームでしかないので、CorsaCorsaさんが撮ってくれた写真を下に掲載します。
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うわー
カッコいいなぁ
僕はこの写真を見て、気持ちが完全に15歳の頃に戻ってしまいました(笑)
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このヘッドマーク右下に、少し大きな傷があったんです。
昔、一度だけフロントバックを装着してツーリングをしたことがあって、そのときにバックが擦れて傷になってしまったのです。
今回ペイントをし直すついでに、そこも修復してもらいました。
ヘッドが綺麗になって良かったです😊
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チューブはReynolds 531c
531にはいくつかの種類がありまして、そのうちの531c (Competition)はレーサー用に作られた肉厚が薄い軽量なチューブです。
逆に、それが災いして事故の際に変形しやすかったのかもしれません。
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僕はSNSはしないので、見ていないのだけれども
FacebookやInstagramでも紹介されたようですね。
CorsaCorsaさんが撮ってくれると
ビンテージって感じがして、イイですね👍
同じRALEIGHなのに、全然違ってみえるぞ(笑)
ホイールを装着してみたところ、前後とも綺麗に収まりセンターも出ていることがわかりました。
トップチューブとダウンチューブのシワもありません。
あちこちの小傷は相変わらずだけど、既に思い出化しているので、このままで良いのです。一方で、フレームの顔であるヘッド部は再塗装で綺麗になってよかったです。全体的にバランスのとれた修復作業となりました。
CorsaCorsa様
今回はどうもありがとうございました。
さて、あとは実際に乗った時にまっすぐ進むのだろうか? という点ですね。
本当に乗れるのかどうか、実はまだ半信半疑なのです。
おっと、その前に部品を組まないといけませんね。
次回は、このRALEIGHに組むレーシング コンポのことを書く予定です。
(次回に続く)