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80年代のレーシングコンポ: カンパニョーロ ビクトリー(Victory)の話

こんにちは
ロードパーツが大好きなSilicate meltと申します。

前回、RALEIGHを修理したことを書きました。
このnoteでは、RALEIGHを組むために集めた80年代中期のカンパのレーシングコンポのことについて書こうと思います。

注:このnoteは11,192文字あります。
カンパに対する自分の思いをダラダラと書き殴っているだけなので、お時間のある方、昔のカンパに興味がある方向けの記事となっております(笑)


80年代のカンパニョーロについて


僕がサイクリングをはじめたのは1986年4月、13才の頃でした。
当時と今の自転車趣味の楽しみ方には大きな違いがあります。
昔は

インターネットが無かった!


つまり、情報が全然無いのね(笑)

例えばヤビツ峠とか行くじゃ無いですか
246の名古木交差点から峠までタイム測るじゃないですか
僕は高校生の頃、RALEIGHで大体40分前後、最速37分で登っていました。
でもタイム測っても 自分が速いのか遅いのか、さっぱりわからないの(笑)
他人のタイムがどうこうとかいう情報が一切無いから、
比較対象は過去の自分のタイムだけ。
サイスポで「市川雅敏は20分台で登る」っていう記事を一度だけ読んだことがあって、「やっぱりプロのレーサーは速いんだなぁ」って感心した程度です。

あらゆることがそんな感じで、昔の自転車趣味は、ほとんどのことを(他人から教わったり、比べたりするのではなく)自分の頭で考えて、遠くまで走ったり、タイムを測ったりして、「俺ってスゲー」と自己満足に浸る世界なのでした(笑)


インターネットが無かったそんな時代にロードパーツの情報をどうやって集めたのかというと、もっぱら雑誌です。
当時、自分にとってバイブルだった一冊の本があります。
サイクルスポーツ 1986年11月号 臨時増刊 実用カタログ'87

これをもう暗記するほど読みまくりました(笑)

サイクルスポーツ臨時増刊 実用カタログ'87 より

このカタログでまず最初に紹介されるのは
カンパニョーロのレーシングコンポ
Super Record
Corsa Record

カンパのロードパーツは1968年から1986年までの19年間で、
ツール・ド・フランス:16勝
ジロ・デ・イタリア:19勝(全勝)
世界選手権:17勝
ミラノ-サンレモ:18勝
パリ-ルーべ:17勝
していました。

カンパ一強の黄金時代

そのため、80年代中期の頃のカンパとシマノのロードコンポのグレードはこんな感じでした。

<神>:カンパ Super RecordC Record
<特上>:シマノ DURA-ACE、カンパ Victory、Triomphe
<上>:シマノ 600EX
<並>:シマノ 105

僕は中学生の頃、家からもっとも近い専門店である、サイクルセンター ナガノに通っていました。
傷だらけの中古のスポルティーフを改造した自作ロードに鍵をかけてショップに入ると、まずは店内の最も目立つところに飾られた、カンパ Super Record仕様のRossinの前に立ちます。
そして、
カッコいいなぁ〜
僕も大人になったらこんなロードレーサーに乗りたいなぁ
と感銘を受けながら、手を合わせて
ありがたや〜、ありがたや〜
と祈るのです。

カンパ Super Recordは神であり、崇拝の対象なのでありました(笑)


そんな時代
神的存在であるSuper Recordを超える、幻の最上級コンポがありました。
Corsa Recordです。

サイクルスポーツ臨時増刊 実用カタログ'87 より

Corsa Recordは1985年にSuper Recordの上位版として発表されました。
これがなぜ幻なのかというと、発表はされたものの、初期型にはいろいろと不具合があって、ほとんど市場に出なかったからです。
特に、特徴的な形をしたデルタブレーキはすぐに生産中止となりました (上のページに書いてあります)。

1986年のツール・ド・フランスでは、プロの選手は既に改良型のリヤメカや、デルタではない従来型のコバルトブレーキを使用していました。
もちろん当時は、不具合だの改良型だの、そんな情報は入ってきませんし、何も知りません。
そのためワタクシ、既にパーツ沼の世界に浸かり始めていた中学生の頃、

こんなにカッコいいのに、なぜ生産中止になったのだろう?

と、このデルタブレーキというものが、とても不思議な存在でした。
デルタブレーキの改良版が市場に出始めたのは、1988年ごろになってからのことです。

ちなみに、初期型デルタブレーキが生産中止になった理由は長年の疑問だったのですが、最近 当時のことをよく知る Bicycle shop Ride の店長さんに聞いてみたら、単純に設計が悪くてブレーキの効きが弱く、全く使えなかったのだそうです。

Corsa Recordの正式名称について

この Corsa Record、実はカンパニョーロの正式な呼び名ではありません。
上のサイスポカタログにあるように、
レコード コルサグループ (RECORD corsa group)」
これが正式名称
発表当時、1985年3月号のニューサイクリング誌の紹介記事を見ても、「新型レコード上陸」とあるだけで、"Corsa Record"の記載はありません。
ところが、1985年4月以降の発行とされているカタログでは、コンポ名が"RECORD corsa group"である一方で、各パーツの紹介欄では"C-RECORD"表記になっている。http://campybike.com によるとこれは誤植と考えられるそうです。そして、これがキッカケになって"コルサレコード"、"C-レコード"と呼ぶことになったという説があるらしいです。


ニューサイクリング 1985年3月号に掲載された
C-Record発表時の紹介記事
C-Record、Corsa Recordという呼び名では無かった。


1985年のカンパの公式カタログの目次
コンポ一式の紹介では"RECORD corsa group"だが、
ギヤの紹介では"C-RECORD" 表記になっている。



パーツカタログの楽しみ方


さて、 実用カタログ'87のリヤメカのページを見てみましょう。

サイクルスポーツ臨時増刊 実用カタログ'87 より
中学生の頃、このページだけでも
いろんなことを疑問に思いました。
カンパは何故縦型なのか? とか
最高級の C-Record はどうして価格表示が無いのか… とか
C-Record は何故プーリーが覆われているのか… とか 
ビクトリーとトリオンフは、プーリーが違うだけなのか? とか
ICSってなんだろう… とか
サンプレックスってこんなにあるのに、何故ショップで売ってないんだろう… とか


パーツカタログには、こんな感じで当時売られていたパーツがぎっしりと(リヤメカは全部で60種類)掲載されていました。

リヤメカの美しさ   
こいつはもうたまらない!


ハイ、ワタクシ
上のページをオカズにして、丼茶碗のご飯3杯はいけます!


その昔、サイスポにイラスト道場という、読者が自信作の絵を投稿するページがありました。

サイクルスポーツ 1986年1月号 イラスト道場に掲載された
サンツアー シュパーブプロのリヤメカ
昔はこうした読者投稿には住所、氏名、年齢がフツーに掲載された。
今考えるとスゴイ時代だ(笑)


昔は多くのサイクリストが、ロードパーツに対して特別な思いを持っていました。

もう見ているだけで、うっとりしてきて
絵を描きたくなるくらい美しいんです!


上の絵は、16歳と17歳が描いたシュパーブプロのリヤメカです。
上手ですよね。
(ワタクシも昔、パーツの絵をたくさん描いたけど、下手だったので自己満足だけで、投稿はしませんでした(笑))

現在のデュラエースのリヤメカ(RD-9250)

今のデュラエースのリヤメカを見てうっとりする人って
どれくらいいるんでしょうか?
これの絵を描いて、悦に入る16歳、17歳の高校生って、
今の日本に何人いるのでしょうか?

今時そんな人がいたら、相当珍しいですよね??
何故か?

それは多分、RD-9250が電源とモーターに頼った電動メカであることが理由ではありません。
そして、輝きの少ないつまらない真っ黒な表面処理や、カッコ悪いロングゲージが理由でもありません。

情報量が多すぎるからなのです!


新製品が登場すると、そのスペック、性能、使用感が、あっという間に文章、写真、動画になって、SNS、ブログ、YouTubeで拡散します。
我々は流れてくる情報を、ボケーっと受け取るだけ。
脳ミソ使わなくて済むんです(笑)

ユーチューバーの動画見て、
有名ブロガーのレビュー見て、
SNSの投稿見て、
さて、どうするかと考える。
買う前、使う前から、完全に情報過多で頭デッカチになる。
美しさも憧れもクソもないんです。

インターネットが無かった時代
ワタクシにとって、C-Record は、謎の多い、ある意味神秘的なパーツでした。
日本製のデュラエースでさえ、完成車に搭載された写真を雑誌で見たり、シマノの公式カタログを取り寄せてスペックを知る程度
性能の違いや使用感はさっぱりわからないけど、「抜群にいいんだろうな」と想像し、頭をフル回転させて色々なことを妄想して絵もたくさん描きました。

別に昔は良かったとか、今は全然ダメだとか、
そういうことを言いたいのではないのです。
80年代のロードレーサーの良さや魅力を語る上で、当時はそうした時代背景にあったことが、とても重要なことだと思うのです。



カンパニョーロ ビクトリーについて


80年代、カンパ最強時代の Record についてはネットを漁ると情報がたくさん出てくるのですが、ミドルグレード以下のことを書いたサイトはほとんどありません。
そこでここでは、80年代のカンパのミドルグレードのことについて書いてみようと思います。

80年代半ば、カンパは旧世代の Super Record から新世代の C-Record に切り替わり、デザインも様変わりしました。そして、旧世代の下位グレード Gran Sport のモデルチェンジ版として「Victory (ビクトリー)」と「Triomphe (トリオンフ)」が登場しました (グレードはVictoryが上、Triompheが下)。

僕は C-Record よりも Victory の方が好きなので、RALEIGH は最初からVictory で組むつもりをしていました。
カンパ Victory のどこに魅了されるのか?
それには3つの理由があります。

 < Victoryの良いところ(その1):デザインが良い
Victory と Triomphe は C-Record と同系統のニューデザインでカンパマークの刻印がついた縦型リヤメカ。ただし、C-Recordが曲線的であるのに対し、Victory や Triomphe は直線的なデザインで、ガンダムみたいなカッコよさ、力強さがありました(笑)

Corsa Record (上)とVictory corsa (下)の比較
(TriompheはVictoryとほとんど同じデザイン)
C-レコは曲線的であるのに対して、Victoryは直線的なデザインだった。
ちなみの同時期の7400系デュラエースの価格は
チェーンホイールが25,500円(BB付き)、リヤメカは8,900円
Victoryはデュラエースよりも高価でした。


 < Victoryの良いところ(その2): 親しみやすい

僕は初代の機動戦士ガンダムをテレビで見た世代です。
ガンダムシリーズの中でジムというモビルスーツがありました。
ガンダムは言わずと知れた、コストを度外視した無敵の最強MS
ジムはガンダムから高価な機能や装備を廃した廉価版の量産型MSという設定

僕は子供の頃、ガンダムよりもジムの方が大好きでしたね(笑)

なぜなら、ジムの基本性能はガンダム譲りですから信頼感があり、カタチも似ていてカッコいい。
そして、ガンダムは最強でなければならないし、絶対に負けられないけれども、ジムは量産型で代わりがいくらでもあるから、負けてもいいんです。
それらの点にホッとする安心感というか、親しみやすさを感じたのですね。


この辺、ガンダムを知らない世代の方だと、分かり難いかもしれません。
女の子に例えましょう。
トップアイドルを好きになって付き合うよりも、クラスで3番目くらいに可愛くて話しやすい娘の方が、一緒にいて居心地がいいですよね?
それと同じことです(笑)

僕にとって C-Record と Victory は、ガンダムとジムの関係、またはアイドルとクラスで3番目くらいにカワイイ娘の関係に似ています。
絶対に負けられないプロ仕様の C-Record よりもアマチュア向けの Victory の方に親しみやすさを感じるのです(同じ理由でデュラエースよりもセカンドグレードの600EXやアルテグラの方が好きです)。


 < Victoryの良いところ(その3):カッコイイのに情報がほとんどない

今になって、その「Victoryへの思い」はますます深まってきています。
理由は上に書いたインターネットの話と同じです。

今、ヤフオクで検索すると当時のスーパースターである80年代のSuper Record、C-Record の出品がたくさんあり、中古車ショップではそれらの完成車を頻繁に見かけます。
ネットを漁ると、昔のRecordのことについて、当時は知らなった改良型だのレアな特殊仕様だの、あらゆる情報を得ることができます。
ブログでビンテージロードのイベントの様子を見ると、Super Record、C-Recordの高級車で溢れかえっています。

正直もう、それらの情報でお腹がいっぱいなのです(笑)

ネット上に溢れている皆様の美しいレーサーを拝見させていただくだけで、十分に楽しめてしまうので、自分には魅力が薄れてしまいました。

一方で、昔憧れた Victory
好き好んで組む人は少ないので、ネット検索をしても大した情報はありません。ヤフオクでも Victory の完成車は見たことがありません。
つまり僕にとって、情報が少なく憧れの存在であった Victory は、今でもほとんど当時のまま
生きた化石、コンポ界のシーラカンスみたいな存在
それが Campagnolo Victory なのです。


個人的な戯言をウダウダと書かせていただきました。
ここまで飽きずに読んでいただき、ありがとうございます(笑)



さて、80年代中期 Victory とはどんなコンポであったのかを紹介しましょう。情報が少ないとは言っても、今は昔とは違います。
当時入手することが困難であったカンパの公式カタログや当時の欧州での広告をネットで簡単に見られるようになりました。
下記のサイトから引用して紹介します。


初代Victoryの公式カタログより (1984年)

Victoryシリーズ は1984年に Victory corsa として発表されました。

初代Victory corsaの広告 (1985年)
Google翻訳:
プロのように走るための Campagnolo のテクノロジーをすべて搭載。
そして自分自身を超えましょう。
Victory Corsa グループはプロのランナー向けに
特別に設計されているため、これを選択する人もいます。
最高品質だから選ぶ人もいます。
技術的に進んでいるという理由でそれを選択する人もいます。
誰もが Victory Corsa グループセットを選択する主な理由は、
それが Campagnolo だからです。


1984年のカンパのコンポ一覧

1984年、新世代のカンパ VictoryとTriompheが登場しました。
この時はまだC-Recordは発表されていません。
旧世代コンポの Super Record、Nuovo Record、Gran Sport と、新世代コンポの Victory と Triomphe が混ざっている過渡期の様子がわかります。
Gran Sport(グランスポーツ)が二つに分かれて、そのちょっと上がVictoryで、ちょっと下がTriompheになったようです。
そして、ここが重要なのですが、それぞれにレーシング用の「corsa」があり、Recordにはトラック競技用の「pista」、Victory と Triomphe にはツーリング用の「leisure (レジャー)」がありました。

1985年のカンパのコンポ一覧

1985年にSuper Recordの上位モデルとして、Record corsa group が登場するのですけれども、カンパニョーロ社としては pista と区別する意味で corsa という用語を用いていることがわかります。
ロード向けのコンポはなんでも corsa なのです。
つまり、カンパニョーロ社としては Record は Record であり、決してCorsa Record ではなかったことがわかります。
(逆に、Record corsa group を C-Record と略すならば、同様に Victory corsa group は C-Victory であるべきなのかもしれません(笑))

Victory S3のカタログより (1987年)

Victory は1985-86年に少しずつマイナーチェンジしたのち、1987年に Victory S3 が発表されました。この頃、すでにカンパのセカンドグレードとして初代Chorus や 初代Athena が発表されていて、Victory S3  のいくつかのパーツはそれらと共通でした。
ちなみに、Victory S1やS2は存在しません。S3が何を意味するのかは海外のカンパ研究家の方でも不明だそうです。S3以降もリヤメカがマイナーチェンジをしているのですが、長くなるので、この辺で辞めておきます。

Cレコード期の話

C-Recordが発売されていた時代のことを「Cレコード期」又は「Cレコ期」ということがあります。この "Cレコ期" とはいつの年代を指すのか? 実は明確ではありません。なぜなら上にも書いたように、"Cレコード" そのものがカンパニョーロ社が名乗ったコンポ名ではなく、自転車雑誌が使い始めてユーザーに浸透した通称名であるからです。

上にも書いたように、最初は1985年の Record corsa group でした。
その後、1986年の公式カタログでは corsa が消えて、ただの「Record」になりました。従って、狭義のCレコ期は同系列デザインのVictory corsaが発表された1984年から1985年にかけての2年間だけになりそうです。リヤメカで言うとカンパ刻印のある縦型のRecord、Victory 、Triomphe。この三つだけです。

一方で、Cレコはデルタブレーキの存在で特徴付けられるので、広義のCレコ期はデルタが存在した期間であるとするならば、1993年までと言うことになります。その場合には、1987年以降に登場したCroce d`Aune、Chorus、Athena などもCレコ期に入ります。
一般的にはこちらの定義で使われていることが多いようです。

なお、"Cレコのパーツ" と "Cレコ期のパーツ" は一文字違いですが、価値が全然違うので、ヤフオクやメルカリ等で買い物をするときには注意しましょう(笑)



カンパ ビクトリーをそろえる


RALEIGH を組むための Victory をヤフオクとメルカリで探したのですが、出品はほぼ無く、履歴を見ても数ヶ月に一度くらいの頻度でポツポツと出る程度のようでした。
80年代はカンパ最強の時代であったとはいえ、当時の日本はシマノとサンツアーが主流。Record ならともかく、Victory のような中級コンポを積極的にパーツ買いする人は少なく、Victory仕様の輸入完成車もほとんど無かったので当たり前です。

そこで海外サイトで探すことにしました。
やはり海外では日本よりもずっと多く出回っていたようで、eBay にたくさんありました。すぐに、お買い得そうな Victory のパーツセットを発見!

eBayで見つけた Victoryのパーツセット
(ハンドルとステムは含まれない)
Victoryのパーツセットに付属するホイール

ほぼ新品のタイヤが付いた綺麗なホイールセットもついて価格は約5万円
送料・手数料等コミコミで合計約7万円

次のような説明:
・ 使用頻度の少ないVictoryのパーツセット
・ シフトレバーはシンクロ対応だがインデックスシフトしないのでフリクションで使っていた。
・ タイヤ(Vittoria RALLY)とリムはほぼ新品
・ チェーンはKMC、ハブはグレード不明
・ 写真のハンドルとステムは付属しない

日本でこれだけ揃えようとすると数年はかかるし、こんな値段ではまず手に入りません。そこで、このセットを購入することにしました。
購入後も時々eBayをチェックしましたが、かなりお買い得なセットだったようです。

購入してから約2週間後、無事手元に届きました。

デュレーラーセット

右:パーツセットについていたシフトレバー
左:別途購入したシフトレバー

パーツセットについてきたのは、左右のレバーの固定部の直径が異なるシンクロレバーでした。出品者の情報によると、これはインデックスシフトできるはずなのですが、何らかの理由で機能しないそうです。

そこで中古パーツショップでCレコ期のレバーを別途購入しました(上の写真左)。
これは多分、Victory S3、Chorus、Athena のどれかです。これらのレバーは同一なので、元箱が無いとどのグレードで買ったものかは分かりません。

Victory はデザインの異なる初代のレバーがあったのですが、私は別途購入したレバーの方が好きです。なぜならCレコとそっくりだから(笑)
Cレコのシフトレバーと上のレバーって、見かけが同じに見えるのですが、ヤフオクで出品されているのを見ると価格が全然違います。
どこが違うのでしょうね? 今だに謎です(笑)
 (どなたか知っている方がいたら教えてください)


パーツセットのフロントメカは直付け(上写真右)だったのですが、RALEIGHは直付け台座が無いのでバンド式(上写真左)を別途購入しました。


ディレーラーセットが揃いました。
リヤメカはほぼ新品のようです。
この時期のカンパのメカは磨くと鏡のようにピカピカになるので、磨きがいがあって楽しいです(笑)


ブレーキセット

ブレーキレバーはケーブル上出し、エアロの両対応、カンパの初代エアロレバー。このレバーは Victory のものではありません。
私はブレーキレバーはエアロが好きなので、むしろ有り難かったです。
このレバーをエアロで使用するためにはケーブルガイドとブラケット部のケーブル出口を塞ぐゴムパーツが必要なのですが、以前の所有者の方はケーブルガイド無しでそのまま使っていたようです。
そこで、エアロ改造用のスモールパーツを海外サイトで購入しました(上の写真)。


メンテが終わったブレーキセットです。
ブレーキ本体はVictory。レバーは1988年頃の初代Athenaのようです。

Cレコ期のブレーキレバーの見分け方について

1988年頃の C-Record、Croce d`Aune、Chrous、Athena はブレーキレバーがそっくりなのですが、次のようにして見分けられます。
C-Record と Croce d`Aune は同じレバー、本体がアルミ製、レバーにスプリングがあり、レバーの軸(ブッシング)に小さく"Made in Italy"とある。
Chrous は本体がアルミ製、レバーにスプリングがあり、レバーの内側にに"Made in Italy"とある。
Athena は本体が樹脂製、レバーにスプリングが無く、レバーの内側にに"Made in Italy"とある。

中古パーツショップやヤフオクで Chrous のブレーキレバーが "C-Record" と称して売られていることがあるので注意が必要です!(笑)


チェーンホイール

Victoryのチェーンホイールです。
歯数52x39T、クランク長170mm
クリーニングをして少し磨きました。


シートピラー 

シートピラーはパーツセットに含まれていなかったものです。
Cレコ期の刻印入りのエアロピラーで、径27mmのやつは中古市場ではたいへんな人気商品でとても高価です。

諦めてシマノ製のエアロピラーで代替しようかと思っていたところ、中古ショップでお買い得品を見つけました(↓)

誰かがスプレーで塗装したようです。
訳あり品ということで相場の半額くらいで買えました。

塗装剥離剤で落としたのち、コンパウンドとピカールで磨きました。
元箱が無いのでグレードはわかりません。多分 Chorus、Victory、Triompheのうちのどれかだと思います。
こうした "訳あり品"を修復するのって、やりがいがあって楽しいです(笑)

ペダル 

ペダルもシートピラーと同じで、入手困難な品のうちのひとつです。
これも中古ショップで訳ありの格安商品を入手しました。

訳ありの理由は右のペダルキャップが削れてしまっているからです。

ペダルを分解してクリーニングし、コンパウンドで磨きました。

右ペダルに傷が入ってしまっています。

ヤスリとコンパウンドで磨いて修復しました。


ペダルをグリスアップして組み立てました。
グリースはシマノ製です。
そういえば最近はもう、シマニョーロ(死語)とかも言わなくなりましたね。カンパがダメ過ぎるから(笑)

削れてしまったペダルキャップは樹脂製なので修復できません。
当面は元のキャップを使いますが、三ヶ島のやつが付くらしいので、そのうち変えようと思います。

ホイールセット 

リム:Campagnolo OMEGA strada XL hardox
ハブ:Campagnolo グレード不明
スプロケット:Regina CX, 14-21T
タイヤ:Vittoria RALLY 25-28
タイヤとリムはほぼ新品

ただ、クイックレバーが70年代の平レバーだったので、Victory のものを別途ヤフオクで購入しました。Croce d`Aune、Chrous、Victory はコニカルナットが同じ形なので Victory と断定はできないけど、信じることにしよう(笑)。

クイックレバーは70年代でしたが、ハブ本体は違いそうです。
グリスホールがないので Record 系統でないことは確かだけど、グレードがさっぱりわかりません。どうやって見分けたらいいんでしょうね? (笑)
(知っている方がいたら教えてください)

上:ホイールセットについてきたカンパの平レバー
下:別途購入した Victory のレバー


その他のパーツ

パーツセットに付属してきたBBは Athena のカートリッジ式ベアリングのやつ。これは2000年代に出た比較的新しいものですが、見えない部分なので年式は気にしません。カートリッジ式はメンテするところが少なく、取り付けも簡単で便利です。

ヘッドパーツはRALEIGHのフレームに付属してきたもので、グレード不明(80年代のSuper Record?)。

Victoryコンポセット 

メンテナンスした Victory のコンポセット

中学生の頃、いろんな妄想で頭をパンパンに膨らませた

憧れの Campagnolo Victory


実物を揃えることができて感無量であります!
∩(´ω`)∩ワァ-イ♪

次回はこの Victory で RALEIGH を完成させる予定です。

(次回に続く)


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