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北欧インテリアに惹かれる理由~その思想に心地よさを探る
近年日本でも人気がある「北欧インテリア」。
Artek、CARL HANSEN & SØN、FRITZ HANSEN、、多くのブランドがあるが、私が北欧家具に惹かれる理由は、その根底にある「暮らし」への基本的な考え方だ。
北欧の人々の暮らしには、「ヒュッゲ」(Hygge)の時間が大切にされている。
デンマーク語で「居心地がいい空間」や「楽しい時間」のことを指し、デンマーク人の大切な価値観やマインドセットのひとつとなっている。
木材や石材といった素材の良さを生かしながら、機能性も重視されたシンプルな家具の中に身をおき、心地よい間接照明の中であたたかいお茶を飲みながらゆっくりと家族との語らいの時間を過ごす。
家具は大切に扱われ、DIYを施しつつ何世代にもわたって使用され、使用されうる機能性を持つ。
メディアにより常に最新情報がだれでも手に入るようになり、「自分のモノ」に対する愛着が形成される前に、常に「最新のモノ」を手に入れなければならない焦燥感に駆られてしまう現代。
もはや、「そのモノ」への愛着も所有欲すらもなく、最新であることが安心材料。
そんな現代だからこそ、うまく言い表せないけれど、「小さなときに買ってもらったお気に入りの人形をずっと持っていたくなるあたたかい気持ち」と、「ヒュッゲ」を通した北欧の人びとの暮らしへの向き合い方は似ている気がして、ものすごくなつかしいというか、ほかほかした気持ちになれる。
毎日の暮らしに、ほんの少し、「ヒュッゲ」の時間を取り入れてみませんか。