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<アトランティック・ストーム>雑記 英国の解答

デ・モイン級重巡洋艦とアラスカ級巡洋戦艦が無条約時代の水上戦闘艦の解答だとするならば、高速戦艦としての〈ヴァンガード〉は、英国の模範解答であった。彼らは巡洋艦としての機能は、海上での警察行為を実行する最低限度の能力と、船団護衛を行うための航海能力を有する軽巡洋艦程度でよいと考えており、装甲艦や重巡洋艦のような戦艦未満の大型水上戦闘艦には、戦艦で対応すれば良いと考えていた。

その証拠に英国は無条約時代を見越した整備計画に重巡洋艦の計画は後回しにされており有線順位は駆逐艦より低くされていた。大型艦で優先されて計画・建造されたのは防空巡洋艦と軽巡洋艦であった。進歩する航空脅威への対抗手段への確保と広大な植民地を近隣の有象無象からの防衛、船団護衛などあらゆる任務に投入することができるためであった。時間のかかる大型艦への対応は、各国の新型戦艦にも対応ができ、運用ノウハウが蓄積されているR級戦艦の主砲を転用する巡洋戦艦-実際は高速戦艦をコストを抑えつつ、短期間での建造による整備を目論んでいた。

ソヴィエトが、極東での敗北と独裁者の意向から海軍増強において強力な水上戦闘艦が優先して整備され、クロッシュタット級重巡洋艦(実際は12インチ砲装備の巡洋戦艦)の配備が発表されても、合衆国のそれより慌てることはなかった。それどころか、「奴らはどうしてナチと同じことをしているのか」と不思議に思っていたほどだ。
なぜならロイヤル・ネイビーの解答の正しさは、すでに1944年の北極海にて証明されていた。

そして再び日本海でその回答は証明された。敗戦国の世界最大の戦艦によって、赤い巡洋戦艦は日本海の暗い海底に屠られていた。

戦艦には戦艦を。これが極東の戦訓から各国の海軍関係者が得た教訓であり、呪いであった。敵としてみなしているカーテンの向こう側に戦艦がいる限り、戦艦を保有しなければならないことになったからだ。航空機の発展により、それを否定する意見も出されたが、それは同時に航空機への脅威-防空兵器の発展により、当初の勢いは失われていった。もはや空も怪鳥たちの天国ではなくなりつつあった。

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