マガジンのカバー画像

#100文字の架空戦記

3
Twitterで2021年に投稿した #100文字の架空戦記 の自身の投稿に関するものを、加筆・修正したものです。 #100文字の架空戦記 のまとめはこちら⇒ https://t…
運営しているクリエイター

#100文字の架空戦記

コミックマーケット103にて新刊出します

#C103 お品書き ・サークル:灰色ノ金魚 ・『架空戦記の補助線 史実に学ぶ南アフリカ』 ・『#100文字の架空戦記』 ・価格:各500円 ・日付:12月31日(日) ・場所:西ホール し-15a コミックマーケットでは、2冊のコピー本をご用意しております。よろしければお立ち寄りいただきますと幸いです。 Twitterでの情報 Twitterでのコミケ新刊に関する情報はこちら ▶https://x.com/SilentGhost1999/status/

<#100文字の架空戦記>ビスケー湾海戦

フランス北部・ビスケー湾洋上  どうやら英国人と日本人は、軽巡洋艦以下を牧羊犬として扱い、重巡洋艦以上の船を猟犬のように扱うらしい。深夜のビスケー湾、戦艦の数では上回っていたはずの独仏と合衆国義勇艦隊の艦艇の多くが炎上していた。  世界の運命がフランス北部の海上で決められようとしていたことを理解するには、世界恐慌後の世界経済圏のブロック化とその再編成から紐解かねばならない。第一次世界大戦後の戦後不況に苦しむ欧州をしり目に世界経済の頂点に君臨した新大陸-合衆国で起きた「大不

<#100文字の架空戦記>蘭癖大名と瓢箪

動かない―。徳川幕府側、薩摩・長州などの朝廷側もめまぐるしく動く動乱の政局の中、戦になるだろうと誰もが感じ取っていた。そうなれば必要となるのは武器、最新鋭の武器である。どちらも欧州商人と積極的に交渉は行っていたが、欧州から極東の島国までは時間がかかる。それは待てない。ならば国産で、となるが薩摩で花開きはじめた産業革命の萌芽は、名君・島津斉彬の死去後の愚かなお家騒動のため破壊されていた。それ以外で武器製造まで行える技術と生産体制を整えた藩は、肥前の鍋島直正率いる佐賀藩くらいであ