<#100文字の架空戦記>蘭癖大名と瓢箪
動かない―。徳川幕府側、薩摩・長州などの朝廷側もめまぐるしく動く動乱の政局の中、戦になるだろうと誰もが感じ取っていた。そうなれば必要となるのは武器、最新鋭の武器である。どちらも欧州商人と積極的に交渉は行っていたが、欧州から極東の島国までは時間がかかる。それは待てない。ならば国産で、となるが薩摩で花開きはじめた産業革命の萌芽は、名君・島津斉彬の死去後の愚かなお家騒動のため破壊されていた。それ以外で武器製造まで行える技術と生産体制を整えた藩は、肥前の鍋島直正率いる佐賀藩くらいであ