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アトランティック・ストーム

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作家・佐藤大輔氏の『征途』の世界をお借りして、もう一つの島国の戦艦をめぐる二次創作架空戦記です。
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<アトランティック・ストーム>赤軍艦隊

〈大和〉〈武蔵〉の奮迅と”偉大なる敗北”が、世界の海軍関係者へ与えた衝撃は大きかった。しかし同時に「27ノット以上の高速」「16インチ以上の主砲」そしてそのスペックから「排水量45,000t以上」という怪物を建造・保有・整備・運用が可能な国力を備えた国の数は限られた。合衆国と英国、そして国土は荒廃したが能力は残存していたフランスとイタリアは、その地位が保全されていると信じて疑わなかった。 国土が荒廃し、ドイツ撤退時に壊滅的な打撃を加えられたと推測されていたソビエトの造船能力

<アトランティック・ストーム>雑記 英国の解答

デ・モイン級重巡洋艦とアラスカ級巡洋戦艦が無条約時代の水上戦闘艦の解答だとするならば、高速戦艦としての〈ヴァンガード〉は、英国の模範解答であった。彼らは巡洋艦としての機能は、海上での警察行為を実行する最低限度の能力と、船団護衛を行うための航海能力を有する軽巡洋艦程度でよいと考えており、装甲艦や重巡洋艦のような戦艦未満の大型水上戦闘艦には、戦艦で対応すれば良いと考えていた。 その証拠に英国は無条約時代を見越した整備計画に重巡洋艦の計画は後回しにされており有線順位は駆逐艦より低