ふたりの間にある波
脳のトレーニングというと、パズルのようなものを思い浮かべる人が多い。
複数の認知能力を動員するため、たしかに、パズルは効果的だといわれている。
他にも、脳のトレーニングになる可能性があるとされているものは、複数ある。その中に、音を聴くというシンプルな方法がある。
「音は脳の栄養。音を意識しない脳は、ジャンク・フードを食べているようなもの」 アメリカのある脚本家の言葉だ。
攻めた表現で笑う。本当に、音を聴くだけで脳トレになるのだろうか。
「モーツァルト効果」と呼ばれるものがある。クラシック音楽を聴くと、知能が高まると主張するものだ。
(クラシックに限らず)この音楽効果は、研究によって、肯定と否定を繰り返されてきた。論争は長年続いており、明らかな答えは出ていない。
なにも音楽だけではない。私たちの耳は、そもそも、常に何かしらの音を受けとっている。音は、私たちの神経系に、影響を与え続けている。
ここで、コミュニケーション・スキルについて、書きたいことがある。
コミュニケーションの最初の一歩は、聞くこと。話をする前に、まず、聞くことなのだ。
・他者の話に注意をはらうことは、大きく考えて、入ってくる音情報に注意をはらうことである。
・まだ聞き続けるか、もうこちらが話し出すか。タイミングを察知すること。内容だけで決まるのではない。相手の声色や話す速度、沈黙の長さなどから判断する。
・文章の行間を読むことにも共通するが。述べられていることは、その真意と、イコールではないかもしれない。察知できるか。
音を聴くことは、コミュニケーション・スキルの向上と、関係がある。
周波数の絶え間ない受信。
完全なるニュートラルはない。
プラス、マイナス、繰り返すその波。
音を聴くことは、やはり、脳のトレーニングになっているのではないだろうか。
私たちは気があうことを波長があうと呼ぶ
波長があうとしか言いようがない
世界にふたりしかいなくなったような
あの錯覚
ふたりを型どってひとつの世界かのような
あの感覚だ
会話さえかわさずに、これが起こる場合もある。アイ・コンタクトによって。
その時、あなたとわたしの間には、目に見えない波が生まれている。私は、このようなことがいつか、科学的に解明されると思っている。
to me you are the sea
vast as you can be
and deep the shade of blue
what am I to you ?
共感できるラブ・ソングだ。