藤井聡太が強い真のワケ

①AIが主要因ではない
八冠王誕生のワイドショーで、藤井聡太の強さの秘密をだいたい間違えていたので、ここに真理を書く。
藤井聡太はAIをうまく使いこなして、新時代の将棋を身に着けていったから勝てている、わけがない

②将棋は最後に間違えたら負ける
昨日の記事で将棋は最後に坊主を引いたほうが負けると書いたが、藤井聡太は相手に間違えさせる能力が高い、それが一番の理由である。

皆さんも、藤井はやけに大逆転が多いと思わないか?
それは奇跡ではない、大山康晴によって発見された勝ち方のノウハウなのだ。
普通の強い棋士は4割負ける、しかし、大山や羽生や藤井はその4割を相手に大悪手を指させて逆転してしまう。

例えば王座戦最終局面、藤井が打った5五銀は意味がわからない、無駄な手のように見えた。
永瀬の馬に当てるなら金でないといけない。
しかしそれが毒なのだ。
こんなヌルい手なら必勝だ、しかし、一手間違えたら逆転するのもわかっている、さあ間違えないぞ!永瀬はそう思った。
だから尚更間違えるのである。
私が愛読している将棋ブログの方も、全く同じ見解である。

記事の中で田中寅彦も、催眠術は大山と羽生しか使えないと思っていたと言っている。
大山康晴が晩年、負けたら死という将棋で青野を誤らせた手とそっくりである。

③これが真の大天才
こういう手はいくら鍛錬しても身につかない。
天性のものである。
相手が勝手に間違えるのだから、負ける将棋がない。
将棋の真の天才は、鋭い手を指す人でなく、相手を必ず間違えさせる手を指せる人間なのだ
だからプロ筋の人たちは、藤井は大山、羽生の覇王の系譜だと確信しているのだ。

そして一番恐ろしいのは、この特殊能力は衰えにくいことである。
大山なんぞは69で瀕死になってもA級で名人になりかけたし、羽生も53にしてB1で上がりそうである。
藤井の総合力にこの最終奥義があれば、最低30年は天下であろう、それは歴史が証明している。

長くなったが、藤井の強さは催眠術だよ、と、それが言いたかった。

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