見出し画像

詩『矛盾』(2011年)

子供の頃に居場所が無かった、生き場が無かった。
家庭は戦場だった、社会も戦場だった、全てが敵に思えていた。
自分は弱かった、強くなりたかった。
強い盾が欲しかった、生きていける強さが欲しかった。

生きていける盾が必要だった、
色んな盾が欲しかった、大きな盾が欲しかった。
色んな盾を手に入れた、大きな盾を手に入れた。

これで生きていけると思っていた、
色んな盾があるから、大きな盾があるから。

でも違っていた、
よくよく見たら、気付いたら、
それらは全て矛だった。

反撃する為の矛だった、
誰かを傷つける為の矛だった、
無関係の人をも傷つける為の矛だった、
自分をも傷つける為の矛だった。

正しさが解らなくなった、生き方が解らなくなった。
全てを破壊したくなった、自分さえも破壊したくなった。

でも、
盾が矛になってしまうのなら、
矛を盾にする事も出来ると思ったんだ。

すぐには無理かも知れないけれども、
矛を溶かして、盾を作る事が出来ると思ったんだ。

自分だけを守る盾では無く、
大切な人や、多くの人を守れる盾を作れると思ったんだ。


2011年06月26日 過去を振り返って

いいなと思ったら応援しよう!

水銀真人
サポートよろしくにゃ(=^・▽・^)人(^・▽・^=)