知ってましたか?口腔機能向上サービスでも医師や歯科医師の関わりが必要!
こんにちは。
歯科の居宅療養管理指導研究会のDHサコです。
フリーランスの歯科衛生士をしていまして、主に訪問歯科衛生指導や居宅療養管理指導で患者さんのところに訪問し、口腔ケアや間接訓練を行なっています。
自己紹介の記事はブログに書いていますので興味のある方は下記からどうぞ👇
口腔機能向上加算を歯科医院で算定する事はできない
「口腔機能向上加算を歯科医院で算定出来ますか?」とご質問をいただきました。
結論から言うと「口腔機能向上加算は歯科医院で算定することは出来ない」です。
口腔機能向上加算は、通所介護(デイサービス)及び通所リハビリテーション(デイケア)が口腔機能向上サービスを行なったら加算を算定出来る、というものなので、「歯科医院は加算を算定出来ない」のです。
しかしながら、口腔機能向上サービスをデイサービスなどの事業所が算定する上で、歯科医師や医師の関わりが必要になります。
口腔機能向上サービスを行なう場合の注意点
厚労省の令和3年度介護報酬改定のHPの
「リハビリテーション・個別機能訓練、栄養管理及び口腔管理の実施に関する基本的な考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について」
を読んでいくと51~52ページにかけて以下の記載があります👇
介護予防通所介護又は通所介護において行われる口腔機能向上サービスの場合、サービス担当者は、それぞれの職種が兼ね備えた専門知識、技術等を用いて実施する。しかし、利用者の心身の状況等に応じ、利用者の主治の医師又は主治の歯科医師の指示・指導が必要と判断される場合は、サービス担当者は、主治の医師又は主治の歯科医師の指示・指導を受けること
介護予防通所リハビリテーション又は通所リハビリテーションにおいて行われる口腔機能向上サービスの場合、サービス担当者は、医師又は歯科医師の指示・指導が必要であり、利用者の主治の医師又は主治の歯科医師等の指示・指導を受けなければならない。
利用者又はその家族への説明
サービス担当者は、口腔機能向上サービスの提供に際して、口腔機能改善管理指導計画を利用者又はその家族に説明し、口腔機能向上サービスの提供に関する同意を得る。医師又は歯科医師は、サービス担当者への指示・指導が必要な場合、口腔機能改善管理指導計画の実施に当たり、その計画内容、利用者又はその家族の同意等を確認する。
口腔機能向上サービスを行ない、加算を算定するには
デイサービス(通所介護)は、必要と判断されたら医師や歯科医師の指示が必要。
デイケア(通所リハビリテーション)は、医師又は歯科医師の指示が必ず必要になります。
※要支援1、要支援2の認定を受けた方がデイサービスに通う場合は
「介護予防通所介護」になり、
デイケアに通う場合は「介護予防通所リハビリテーション」という名称になります。
単独で行なっているデイサービス(通所介護)の事業所の方に「どうやって歯科医師に連絡したらよいか悩んでまして、何かよい方法はありますか?」と聞かれました。
老健で実施するデイケアは施設長が医師なので、指示をもらうことは可能ですが、小さいデイサービスの事業所だと施設長は医師ではないので、なかなか難しいですよね💦
それで、
口腔機能向上サービスを行なう場合、「医療保険の摂食機能療法」を算定していると口腔機能向上加算を算定出来ない
という決まりがあるので、
かかりつけの歯科医院に連絡する時に
「口腔機能向上加算を算定する予定ですが、摂食機能療法をそちらで算定しているかどうか、確認の為ご連絡させていただきました」
と連絡すると話しやすいと思いますよ、とアドバイスしました。
もしも、摂食機能療法を歯科医院で算定していない場合は、「口腔機能向上サービスを行なうので、何か気を付ける点などあるでしょうか?」とアドバイスを求めたらよいと思います。
また、ケアマネジャーが作成する居宅サービス計画書(ケアプラン)にも口腔機能向上サービスの事を記載してもらわなければならないので、ケアマネジャーを通して歯科医師や医師に連絡してアドバイスをもらう、という方が妥当かもしれません。
その辺りは、担当のケアマネさんによく相談するようにお伝えしました。
平成30年度の介護報酬改定で
「利用者の服薬状況、口腔機能、身体機能に関するの問題を居宅サービス事業者から報告された場合は、ケアマネジャーは利用者の同意を得た上で、把握した情報を医師、歯科医師へ必要な情報伝達を行なうこと」
と定められたので、ケアマネジャーが歯科医師に連絡して指示をもらい、デイサービス事業所とその指示を共有する、というふうにしても問題ないと思います。
口腔機能向上加算の単位数
口腔機能向上加算は、3か月以内の期間に限り、1月に2回を限度として口腔機能向上サービスを行なったら加算を算定します。
口腔機能向上加算Ⅰ・・1回につき150単位を加算する
口腔機能向上加算Ⅱ・・データをLIFEに提出し、PDCAサイクルで改善を目指すと1回につき160単位加算できる。
計画書や実施記録は厚労省の別紙様式8を使用するようになっていますが、1回分しか記録できない為、この様式を使用する場合、
「2回記録できるように修正」して使用しなければなりません。
この別紙様式8の仕様は、LIFEに提出する為の項目を記載するようになっているので、実際に使ってみると使いにくいようです。👇
厚労省の介護保険Q&A vol.5にLIFEに提出する為にこの項目が必要だけど、使いにくければ別の様式を使用しても差しつかえないことが記載されています。
👇
また厚労省の令和3年度の介護報酬改定のHPの
「リハビリテーション・個別機能訓練、栄養管理及び口腔管理の実施に関する基本的な考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について」
の51ページの「⑵ 口腔機能向上サービスの実務」には、事業所の実情に合わせて項目を追加してもよい、と記載されています。👇
LIFEにデータを提出しない口腔機能向上加算Ⅰの150単位の算定であれば、令和3年3月まで使用していた様式でも問題ないと思います。
LIFEにデータを提出する口腔機能向上加算Ⅱの160単位を算定する場合、別紙様式8を使用したくないのであれば、
2度手間にはなりますが、
従来の旧様式を使用して実際の口腔機能向上サービスを行い、
LIFEにデータを提出する時に、別紙様式8を使ってデータ入力すると算定できますね。
もしくは別紙様式8をアレンジして、データ項目を保ちつつ、使いやすいように書式を変更して作成する、ということになりますね。
訪問場所を確認しよう! デイサービスへは訪問診療できない
デイサービスやデイケアに訪問して「歯科訪問診療」を行なうことはできません。
利用者さんが自宅に帰ったら、夕方に訪問して歯科治療を行なうか、別の日に訪問して歯科治療を行います。
もしも、歯科衛生士が口腔ケアを行なう場合は、
医療保険で行う場合は在口衛で実施するか、介護保険の居宅療養管理指導で行います。
在宅(又は居宅扱いの建物に住んでる)の要支援1、2及び要介護1~5の要介護者には、「訪問歯科衛生指導料」の算定は出来ないので注意が必要です。
(歯科標榜のない病院の入院患者や特養、老健、介護医療院等の介護保険の施設の入所者、障害者施設の入所者は訪問歯科衛生指導料の算定はできます)
また、居宅療養管理指導で口腔ケアを行なうには、「重要事項説明書や個人情報の取扱いに関する同意書」を取り交わさなければなりません。
重要事項説明書や個人情報の取扱いの同意書について、昨年自費出版したマニュアル本に書いていますので、興味のある方はどうぞ
本を読んで分からないことがありましたら、質問できるように特典をつけています。
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歯科の居宅療養管理指導の新単位数については、下記の記事に書いています👇
ここまで、お読みくださりありがとうございました!