6月18日

 初めまして。ヤルシカです。
 オレはコミュ障です。
 職場の人と仲良く話せないし、恋人もろくにできません。学校で休み時間に机に突っ伏して周囲の情報を遮断してるダークサイドに堕ちた学生を想像したら、そんな感じのやつがオレです。
 実際、学生時代は悲惨で、小学校では同級生からも先生からも虐められ、中学でもそれを引きずって、野球部でそこそこ良い運動神経を発揮していたにも関わらずオドオドウジウジとして虐められまくり、ストレスでニキビまみれになって、キャッチボールはいつもオレだけ相手がいないのでした。高校に至っては精神を病んで不登校を決め込んでしまいます。
 それから何年経ったか、もう自分は27歳になってしまいました。病んだ心はなかなか直らず、5年は廃人のように過ごしていました。
 それから就職をしても長く続かず、再び引きこもったり、派遣でどうにか食いつなぐことで必死な日々です。
 しかも、働いていて感じるのです。同年代に比べて自分がいかに幼稚なまま歳を重ね、コミュニケーションも働く能力も全てが圧倒的に劣っていることを。
 このままでは一生孤独で、苦しくて、生きている意味がない人生をオレは送ることでしょう。まずい、まずい、と焦り、運命をどうにか変えたくて、その方法を必死で模索しました。 遺伝子検査で自分の体質を調べたり、自己啓発本を読んでやる気になってみたり、自分に向いていることは何かと考えてみたり。
 結果として最近、禁欲や筋トレ、街行く人に挨拶する訓練などをやっています。といってもまだまだ始めたばかりで、筋トレがようやく習慣化してきたかなといった所です。
 習慣を作るのはなかなか難しいことではあるので、徐々にやっていこうと思います。
 この日記も、毎日5分だけは書こう、という気持ちで書いていくので、時折とても短い日記になることもあるかと思います。

 さて、今日は夜勤の仕事を終えて、朝の七時過ぎから上半身の筋トレをしました。
 種目は懸垂、腕立て伏せ、倒立と、ゴムチューブを使ったベンチプレスのようなトレーニングです。
 始めたのは一ヶ月前からなのですが、炭水化物を多めに、一日3500キロカロリーを目標として食事をしているおかげか、めきめきと体が大きくなっているのを感じます。
 かつて、減量ダイエットでの筋トレをやったことがあるのですが、その時は栄養があまりに枯渇していたので、痩せはしましたが大変つらく、すぐに挫折してしまいました。
 それに比べると、増量しながらの筋トレは力がすぐ湧いてくる感じで、あまり疲労感がない上に、成果としてトレーニングのできる量がどんどん増えて、体も筋肉質になっていくのでとても楽しく続けられています。
 継続は力なり、といいますが、継続するには何かしら明確な成長が感じられることが重要だと、オレは体感しました。
 トレーニング前のマルチデキストリンを60g飲んだり、マルチビタミンなどのサプリを飲んだりして、成長を実感しやすい状況を作れていたことが、この一ヶ月、筋トレが続いた要因なのは間違いありませんでした。

 その後、業務スーパーへ食料を買い込みに向かうついでに、道行く人たちに声をかける訓練をしました。
 これは昨日から始めています。
 「筋トレこそが最強のソリューション」というtestosteroneさんの本があり、本屋で立ち読みした影響で筋トレをしてみようという気になったオレですが、その二番煎じというか、真似をしたタイトルに、「ナンパこそが最強のソリューション」という本があります。
 道行く人々に声かけをする、というのはその本の影響なのです。
 その本の主人公は最初、コミュ障の引きこもりで、それを克服するためにショップの店員や街の人に挨拶をして話しかける訓練をしていました。
 ナンパはとても今のオレにはできる気がしなかったのですが、コンビニ店員に話しかけたり、道を歩いているお爺ちゃんお婆ちゃんに話しかけるぐらいなら、なんとかできる気がしました。
 実際、店員さんには気さくに話しかけられます。
 ただ、道行く人に声をかけるというのは結構な抵抗を覚え、どうにかこうにかお爺ちゃんお婆ちゃんに挨拶したのですが、話しかけた途端に口元がニヘラッと歪むのをどうにも抑えきれず、一言二言話しては逃げるように歩き去ってしまいます。
 それでも話しかけることに成功すると、爽快な気分ではありました。
 なにせ、相手がお婆さんほどではないおばさんや、オッサンになるだけで、すぐにオレは萎縮して声をかけられず、ましてや若い女性や同年代の男には目を合わせることすら恐怖を感じてしまうほどなのです。負け犬のようなオレ。
 それでも声をなんとか小声でかけて完全に無視されるといった感じなので、一言でも会話が成立するだけで舞い上がってしまうのでした。
 とはいえ、これはかなりいい訓練であると思います。なんというか、一声かけるたびに、自分の心がなにか弾むような、解放されるような、闇の晴れるような感じがするのです。
 お爺ちゃんとお婆ちゃん、そしてコンビニの店員さんには話しかけられることが分かったオレ。まれに、話しやすそうな雰囲気の若い人にも今日は声をかけることができました。
 挨拶なんて、普通なら当たり前に出来ておかしくない行為ではありますが、今の日本はあまり赤の他人に干渉するメンタリティが無いような感じですから、可愛い女の子が前から歩いてきたのに逃げてしまって情けない自分と思いつつも、
 こうして、だんだんと成長していければ良いなと思います。

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