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タチアオイ染め。葵で青に染める!

はい!こんちゃこんちゃ。青の魔術師エフゲニーマエダでっす。

今回は大きく2テーマ!まぁ内容は同一なんですがw


数年前に躓いてからストップしてる"ある計画"があります。

この色素探求の記事を上げはじめた頃ですかね。
このラベンダーの紫色素を使って染めをやろうとしてたんですよ。植物の天然色素を使った染め物は「草木染め」っていうんですかね?あってますか?

覚えが正しければ、染め上げて1週間と経たないうちに色褪せてグレーになってしもたんですよ。。。
なのでブログに記事としては上げずじまいだったのです。
その時の画像らが昔のスマホに眠っていたので2020年の7/18から引っ張り出してみました。

ラベンダーの生花を使った贅沢なラベンダー染めの記録@2020

ラベンダー精油の価値がまだわかっていなかった栽培2年目の2020年に贅沢にも新鮮なラベンダーの花塊をふんだんに使って色を出したお湯出しの染め液で白リネンシャツを染めてみたんですよね。染め上げた当時は実に素晴らしい淡いラベンダーパープルに染まるんですよ!これは素晴らしい!と感動してました。

これはいいなぁ〜!!と気に入ってたのですが、まぁ色褪せについてさらに学びを深める旅に出ていたところで迷子になっていたのでした。


で、時を経て2024年!

意外な方向から"ある計画"はまた動き出します。。。

昨年、ハーブガーデンで短期バイトさせてもらったときに意外にもアオイ科の花が身の回りに多いことに気づき、ちゃちゃっとまとめて図鑑風にしてみた記事を書いたんですよ。

この甲斐あってアオイ科植物にちょいと詳しくなったんです。
で、古くより日本で鑑賞作物として愛でられているタチアオイ/立葵(Alcea rosea)という植物があります。
「葵」といえばこの立葵を指すくらい日本の葵を代表する植物ですよね。
この立葵の花色品種の中に、赤花がひたっすら色を濃くした黒立葵(Alcea rosea 'Nigra')という品種がおります。

アオイ科の銭葵/コモンマロウ(Malva mauritiana)は赤紫の花びらを乾燥させハーブティにすると青いお茶になることで有名ですが、、、
同じアオイ科の黒立葵(Alcea rosea 'Nigra')はなんとブラック〜ワインレッド色のハーブティになるんですわ!

ふと思いついて、このお茶に綿布切れを沈めてみたところ、、、

立葵から青い布を染め出せたダジャレに感動!!

青い布が出来上がりました!!!こりゃすごい!!葵から青い布!!

ってことで、"かつてのラベンダー染め計画に使うつもりで数年間寝かせていたシャツ"をこれで染めてやろう!と思いついたのが本記事になります、、、w


えぇ、前置き長かったですねw

青紫色の染め物にタチアオイ(Alcea rosea 'Nigra')を使ってみる。

エフゲニーマエダ実はタチアオイを小バカにしていたんです。
アオイってわりに青色の花ねーじゃん!(寺田心風に)
しかも伝統色に「葵色」ってあるみたいなんですが、まぁ紫色なんですよね…マロウブルーみたいに青じゃないのか…

ですがおいらエフゲニーマエダは空知の国に生を受け、天から授けられた青の魔術師。プロヴァンスの青の花を育てまくる青に染まった人間です。
紫色に染まっちったー。で終わらせないで、青色のシャツを作ってみせます。

タチアオイ染めの材料たち!

晴れ日4日くらい日陰乾燥させたかな?

はいドン!まず普通のタチアオイではなく、黒タチアオイの花びらです。
タチアオイないしアオイ科植物には花びらが5枚つくので、20輪ほどの花が材料かな?

立葵は噂によると咲いてからわずか1日で花がしぼんでしまうらしく、ほんの1日分、空き地に咲いている2,3本の黒タチアオイからわんさかついている花を拝借してきました。

色を布に着色させるにはこいつ(媒染役)が大事らしい

で、次にミョウバン!
ウチのおばーさんがナス漬けやら漬物作るの趣味なもんで、それに使ってるのを拝借しました!液量に対してほんのちょっとくらいでいいらしいです。

一晩で調べた付け焼き刃的知識だと、媒染剤?には何種類かあるらしく、、、
①アルミニウム分子が主体のミョウバン媒染、②鉄分子が主体の鉄媒染、③銅分子が主体の銅媒染がそれぞれ存在するらしいのです。
それぞれ染め上がりの色味に違いが出るらしく、アルミニウム分子のミョウバンは色が明るく(なので漬物の発色剤として利用)なったり、鉄媒染だと黒っぽくグレージュな仕上がりになる?そうなのです。

媒染液を入れないで染めるとほんのすぐに色落ちしてしまうんだそう。。。
じゃあ入れとくしかないよね!!

無印でGETしたコットンシャツ。無印のことだから4年後の今は多分もう廃盤…

次にシャツ!無印でGETした無印の白シャツです。
オーガニックコットンのはずなのでたぶん綿。しっかりバリバリ染まってくれるハズです!

さて、主役は揃った。では染めていこう。。。

黒タチアオイ20輪分の乾燥花びらを鍋に投入。この時点ではデカい黒タチアオイ茶。

タチアオイの花びらは元々大きく肉厚なのですぐに色素が染み出さない懸念がありました。
なので細胞中の色素が滲み出しやすいよう、花びらを細かくちぎって鍋水に落とします。

なにやら噂では、タチアオイもといアオイ科の色素は熱に弱いらしく…?
せっかくの綺麗な色味を損ねたくなかったので沸騰させず染め液を作っていきます。まぁ…デッカいBlack Hollyhock Teaですね。

ダークバイオレットなハーブティ染め液になってきた

少々湯気が立つくらいまで熱しつつグルグル混ぜていると鍋水がどんどんワインレッドに染まってきました!
どうやらタチアオイ色素は生花状態より一旦乾燥させたドライ状態である方がよりしっかり色が出てくれるみたいです。乾燥して細胞壁が壊れるからでしょうかね?

ミョウバンを入れるとより色鮮やかな紫色に変化!

で、お待ちかねの媒染剤:ミョウバン投入!シャツの投入前にミョウバンを入れてしまします!シャラシャラっと軽く振るう程度入れます。

すると花びらを煮出しただけではダークなワインレッド色だった染め液がむちゃくちゃThe紫!!というような、ナス色みたいな真紫に発色?変色しましたw
さすがは発色剤ミョウバン…化学ってすごいなぁ…

無印さんありがとう…ありがとう…(藤岡弘、風に)

で、いよいよお待ちかねの白シャツ、投入!
真っ白なキャンバス的白シャツを、タチアオイ色で染めてやります。

黒タチアオイ(ストレート)に新品白シャツを沈めたときの色合い

・・・あれっ。なんか思ってたんとちゃう。先に綿布染めた時はしっかりブルー、青くなってたんだけどなぁ。
これはワインレッドだなぁ。ワインこぼしたんと同じやん。
って文句言ってました。

そこで・・・

葵は青じゃなきゃ俺が納得しない。青にしてやった。

(一応簡単な方法で青色にできるヨ)

エフゲニーマエダ、素直に魔法を使って青にしてやりました。笑

なんやん、魔法使えるのやから魔法使ったろ!ってことで、青に調整してやりました。せっかく葵で染めてるんだから青でなくちゃ!!
梅雨の明けた青空めがけてまっすぐ育つタチアオイで染めてるんだから、ちゃんとこの花が目指した空の色に染めてあげなきゃ!笑

いい事書いてるブログ記事がありました。
まっすぐ空へ向かってそびえ立つ立葵の花言葉に『気高く威厳に満ちた美』というものがあるようで。
空のように崇高な美しさを目指して欲しいという言葉なのでしょうね。

ってことで魔法を"かけて"青色にしてやりました。
ってことでここから5、6時間待ちます。笑

ちなみに今回花びらは取り除いてはおりませぬ。
この5,6時間の染め中でも花から色素出続けてくれればシャツの色濃く染まるかな〜〜〜と期待を込めて。
ところどころ花びらのブチ模様も出てちゃんと植物で染めたよ!って言えるようにね!

さてさて5、6時間が経ち…/Approx 5,6hours later…

6時間ぐらい経ったので染め液から引っ張り上げた!これから洗ってみる

すんげぇ青紫!って色してますねw
相変わらず絶妙な青色をしているのでカメラが補正かけて正確な色味を伝えにくく、、、頑張って見た目色に調整かけました。
ひとまず赤寄り〜ワインレッドではなかったのに安心しました。
さてこの状態ではまだ染め液が染みた状態+濡れ色なのでまずは水洗いしてみます。

なんか某北海道発コスメ企業の制服みたい…

洗った水に色素が落ちてこないことを確認して水洗い一応の完了!
さらに淡さが増した青になりました!!!((Gray Blueとかっていうのかな
意外にも赤〜紫色ベクトルの色が抜けていることに驚いているおいら。
タチアオイでここまでの色やれるんや…すげぇぞAlcea rosea。

繊維のフチに恐らくの原色:パープルがうっすら残る

さて、あとは乾かすだけです。
エフゲニーマエダによるタチアオイ染めの処女作なので、やはりところどころに魔法をかけた痕跡が残ってるんですよね。
よーーーくみてみると花びらが残したであろうブチ模様も入ってたりします。これぞ天然素材、天然色素による染めの味。これがいいんです…!!

・・・魔法かけなかったらどんなレッドパープル色になってたんですかね?いやぁ〜そっちも気になってきたなぁ。

やはりカメラはタチアオイが作る繊細で絶妙な青色を正確に描画するのが難しいようで、実際はこれよりさらに緑がかったスカイブルー!というような色合いをしてます。

そして初「タチアオイ染めシャツ」一応の完成へ!

黒タチアオイの花びら色素で染めたUネック綿シャツ

色味がわかりやすく、理系のシンボル白衣と比べてみます。
陽のもとでかざすと優しいスカイブルーといった色合いに染まりました。
緑色ベクトルが含まれてるので色味に優しさを与えている印象があります。

花びらと一緒に染めたことで特有の染まり模様が浮き出た風合い。

このような色味の異なり。ちゃんと染まる!

問題は、この色合いが陽のもとでどれぐらい色を保てるか?という実用における耐用試験となります。今日1日これ着て外で活動してみます。

(午前より予定消化中)

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エフゲニーマエダ(平成林業。)
若い人がどんどん減る地元【三笠市】もついに人口7000人台目前。 朝カフェやイベントスペースを兼ねたラベンダー園で今いる住民を楽しませ、雇用も生み出したい。そして「住みよい」を発信し移住者を増やして賑やかさを。そんな支援を募っています。 畑の取得、オイル蒸留器などに充てます。