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『ダイヤモンドの功罪』68話感想
\ 最新話掲載💎累計140万部突破‼/
— 週刊ヤングジャンプ編集部 (@young_jump) November 14, 2024
本日発売のYJ50号に #ダイヤモンドの功罪 第68話が掲載されています。
|◤奈津緒が野球をやめることを知った綾瀬川が…。◢|
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概要
美しい。
次号休載。
感想
危なかった。ダイヤモンドの功罪さんが人間だったらなりふり構わず求婚していたところだった。
全部が良い。すごく良い。ダイヤモンドの功罪68話という概念を一つの額縁に入れて飾って私だけのモナ・リザとか抜かしたい。
この話を語るのに余計な言葉が要るだろうか? 要らないね。まあでも、一応感想書いておこう。書いて出力しないと心が保たない。
今週はマジでもう、全部、痺れた。この回大好き。
奈津緒へと抱擁して美しく微笑んで、これまで共に歩んできたイガに選択を恐ろしく迫って、雑踏の会話をコラージュするみたいに拾い集めながら一人で歩いていく。
この3つのシーン全部が、すごい。良い。
まず綾瀬川の「抱擁」。ここ、あまりに綺麗でびっくりした。
先週までの綾瀬川は憔悴しきってパニックになってたから、奈津緒のこと抱きしめる綾瀬川もひどい顔してるんだろうなって思ってたんだよね。
それがこの綺麗な横顔。かわいらしい微笑み。奈津緒を抱きしめて腕を掴む、大きな綺麗な手。先週までとは別の生き物みたいだった。
実際、勝負の世界に対して苦しみを感じていた心を切り離した以上、もう別の生き物になったと言っていいのかもしれない。今回の話読み終わったとき心に浮かんだ四文字熟語は「覇王爆誕」だった。幼心という殻を叩き割って、修羅が孵化してしまった。
初めて奈津緒と二人で話したときの「野球 ちゃんとやるよ」の言葉が、覚悟を決めた綾瀬川によって「だからもう誰もオレには勝てないよ」の意味に発展していくの、「綾瀬川なりに奈津緒との今までを振り返った結果、最初から間違えていたので別分岐を選び直した」感があって胸がざわついた。
先週の時点で「奈津緒にあんなこと言われたらもう野球辞められなくなるじゃん…」とは思っていたけど、こんな勢いよく覇道を歩みだすなんて……。
でも多分これ、奈津緒と侑は綾瀬川の豹変についていけてないと思うんだよね。
奈津緒まず抱擁の時点でびっくりして泣き止んでるし、侑はなにも口挟めないで戸惑ってる顔してるし。二人に綾瀬川はどう見えたんだろう。少なくとも、怖さはあっただろうな。
次にイガとの会話。
綾瀬川にとってのイガ、位置づけが明らかに他の友達とは違うよね。
イガにはわがまま言ってもいいし、本気でキレてもいいし、本心をぶつけても大丈夫だと思ってる。イガのこと大好きだし、イガとなら新チームだって作れると信じてたし、甘えてるところすらあるのかもしれない。
だからなのか、綾瀬川の一番恐ろしい顔もイガにはずるりと剥き出しにされるわけでね。
「イガ」「オレ」「行くけど」「おまえ どうする…」の綾瀬川、心底ぞっとした。尋ねるような言葉選びと裏腹に、呟くような語調なことへの違和感。本心では答えなんて求めてないんじゃないかとも思う。先に階段を下りたイガがそのまま下へ行ってしまったとしても、上に登って一緒に歩いてくれるとしても、綾瀬川の行く道は変わんないから。
その後の綾瀬川が一人で帰ってるってことは、あの後イガは階段の上に来なかったのだろうか。
あの黒塗り顔に至るまでの綾瀬川も、全部表情抜け落ちてて怖い。4P2コマめ、靴を見る目じゃないだろ。屠畜業者の目って言われた方がまだ納得いくわ。
でも一番痺れたのは最後の帰り道の演出!!!!!
最初にモブの遠景とセリフが連続したときはどういうことかわからなくて戸惑ったけど、吹き出しを拾っていくうちにひたひたと意味が浮き上がってくるのがたまらなかった。怖かった。ぞくぞくしてたまらなく良かった。
あれは一人歩く綾瀬川の耳が拾った言葉の断片なのかな。喧噪の中から自分の心にひっかかる言葉の混ざる言葉だけを無意識に拾ってコラージュしていってる的な。
最後に1羽だけで飛んでいく鳥と綾瀬川が重なったところで完全に打ちのめされたのに、そこから更に見開きでの鳥の孤影、それを見上げる綾瀬川の凪いだ顔と今話はじめて放たれる独白。三連撃。完璧。マスターピースってこういうことなんだろうか。
長期休載明けてからの作画・演出・展開、その全部が冴えわたっていて最高で、今では長期休載してくれてありがとうとさえ思っている。オタク的誇張表現ではなく、ガチに。
休載中はずっとしおしおだったけど、しおしおになって待っていた意味があった。
再来週の連載再開も楽しみです!!!!!!