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ファンアートメイキング:MonsterZ MATEハロウィンイラストリメイク

 ファンアートメイキングシリーズ、第三弾は過去に何度かリメイクを行っているMonsterZ MATEのイラストを振り返ってみようと思います!
 1枚目から目も当てられない出来のファンアートを出すことになりますが、それでも当時どんなことを考えて描いていたか、そこからどんな風に変化していったかを備忘録として残してみます。

 私の記念すべきMZMファンアート1枚目をご覧ください!


1枚目

MZM01

 2019年10月からファンアートを描き始めたのですが、MZMのファンアート第一号がこちら。
 彼らが「吸血鬼のコーサカ」「狼男のアンジョー」のユニットということもあり、このイラストは2019年10月31日にハロウィンイラストとして描きました。

当時できていたこと

 実はこの当時のマスターデータをUSBごと紛失してしまったため、もうマスターデータのレイヤーの状態を確認することが叶いません。
 なので、当時の曖昧な記憶と視認できる情報で書き出してみると……。

  • ガタガタなものの、線画をきちんと描いている

  • 基本的な骨格が取れている

  • ある程度レイヤーを分けて色塗りをしている

  • 逆光の色表現に挑戦している

 といったあたりでしょうか。
 デジタル画に再挑戦し始めて半月、挫けた2014年と比較してもそれなりに調べながら頑張った跡が見て取れます。

当時の課題

 とはいえまだまだ課題は多い絵です。
 当時「どうにかならんか!」と思っていたのが特に以下の点です。

  • 色味が強すぎる

  • 線画、特に瞳の描き方が安定しない

  • 描き込む場所とサボる場所のメリハリが効いていない

これらを踏まえて、約2年半後の2022年4月にリメイクを行いました。

2枚目

MZM43

 2枚目がこちら。
 この時点でもう2年半の努力の成果が出ていませんか!?描き上げて比較した時、ちょっと嬉しくなったもんな!

 まず背景として、この時点で既に同人誌を複数冊出していました。
 何冊かな?確か漫画同人誌だけで6冊出しているはず。
 つまり、とにかく線画をひたすら描く機会が多かったといえます。ページ総数は約650ページ。そら上手くもなる。

 それから同人誌の表装を飾るのに生半可な塗りはできないと思い、+αで猛勉強。
 そんな43枚目を見て行こうと思います。

当時できていたこと

 こちらはマスターデータが残っていることに加えて、ある程度作業体系が纏まってきた頃のイラストでもあるため、少し詳しく見て行きましょう。

  • 綺麗な線画が描けるようになっている

  • 色塗りに際して、よりメリハリの効いた下塗り・本塗りができている(肌や瞳を明るくし、他の色味をしっかり暗くする)

  • より逆光が映えるように人物レイヤーに強めの影を落としている

  • 他の色味を押さえることで、瞳の色味を際立たせている

  • 仕上げにオーバーレイを使用して、色味にとろみを出している。

 描き始め当初はとにかくオーバーレイを多用していたため彩度のどぎついイラストになっていましたが、この頃には既に「影は乗算」「光はハイライト」場合によっては「影は焼き込み(リニア)」「光は加算(発光)」など、レイヤー効果への理解も深まっていました。
 できることが着実に増えている!

 画面が洗練されたと言ってもいいでしょう。
 その一方でやっぱり課題もありました。

当時の課題

 この当時抱えていた課題をざっと書き出すとこのような感じになります。

  • 形をとらえる力が弱い

  • まだ色が散らかっており、画面にまとまりがない

  • 逆光の描き込みが甘い

  • 描き込みとサボりのバランスが取れていない

 とにかく形をとらえる力がまだまだ弱い時期でした。
 線画時点で色塗りの時のことを考えて形を捉えられていない結果、いざ色を塗ろうとするとどう塗っていいか分からず、結果的に立体感のない絵に仕上がります。

 また、全体的に「どこをしっかり描き込むか」「どこをサボるか」のメリハリもまだまだ弱かったです。
 つまり、このイラストのどこに目を向けてもらうかという構想力が弱かったとも言えます。

 この課題を抱えつつまたしばらく武者修行に明け暮れ(?)、その結果もう一度リメイクに挑戦することになります。
 それが2023年10月31日、つまり最初のイラストからちょうど4年後でした。

3枚目

MZM60

 ぼやけていた絵の印象が、一気に引き締まりました。
 加えてより「人外感」も表現できたのではないかと思います。
 とはいえ1年以上前のイラスト。今の私が見ると「ここをさぁ……!」という点もなくはないので、それも含めて見てみましょう。

当時できていたこと

  • 塗りを想定して形を取りながら線画を仕上げられるようになっている

  • 塗りで服の厚みや髪の細さなど必要な部分を表現できるようになっている

  • グラデーションマップを使用して色味をまとめ上げている

  • 顔周りの描き込み量を増やして視線誘導を決めている

  • 逆光の影を落とす部分を想定して下塗りを薄くしており、影を落とした部分も描き込みが見える

 画面がより洗練されて、本来表現したかった彼らの人外性を際立たせる画面が作れるようになりました。
 自由に描くだけでもイラストというのは楽しいものですが、自分が描きたいものを描きたいように表現できるようになるとさらに楽しくなります。
 そういうステップアップが叶いつつあるな……というイラストです。

今後の課題

 まずはなにより「基本的な骨格を取れるようになること」。
 年々「顔に対する肩幅」「首の長さ」などなど、骨格バランスが改善されているものの、「耳の大きさが小さい」「顔全体に対して顎がおかしい」といった課題も残っています。
 描き続けることも必要ですが、こちらはいいイラストをたくさん見て勉強することも必要かな?と思いました。

 次に「グラデーションマップを使用し過ぎないこと」。
 元々の私のイラストの売りはその画面の鮮やかさにあると言っても過言ではないです。
 グラデーションマップであまりにもそれを殺しすぎると単調な画面になってしまうので、色味の調整であまり怖がらずに元の色味を信じるというのも大事かもしれません。

 最後に「質感を表現すること」。
 特に、髪の質感は年々改善されていますが、肌の質感や服の質感はまだまだ弱い部分です。誰か肌の塗り方教えてくれ。
 服の皺も、より自然な皺になるように色やブラシをしっかり選んで描き分ける必要があるでしょう。

さいごに

 振り返ってみると、やっぱり描いた当時は「こんなに描けるようになった!」という達成感があって、すごく嬉しかったのを覚えています。
 1枚目ですら、今となっては誰からも拙く見えるかもしれませんが、半月の成果でかなり改善されたこともあり「進歩している!」と嬉しかったです。

 と同時に、こうやって振り返るとまだまだ伸びしろがあると分かるのもいいですね。
 ちなみに最新のMZMファンアートはこちら。

MZM64

 頑張り続ければここまで辿り着けるんだなあ。
 この絵もあと1年くらいすると「ここをもっとこう!」と思うのかもしれませんが、それでもそれが思えるくらい成長するかもしれないと思うととても楽しみです。

 他にも定期的にリメイクしているイラストや、そもそもリメイクではなく毎年好きに描いているイラストもあるので、そちらもどこかで振り返ってみたいなと思っています。
 その時はぜひお付き合いください!

 ここまでご覧いただき、ありがとうございました。

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