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2019・2020年度休眠預金事業およびオルタナティブ事業 支援先合同セッション(前編)現場同士のつながりで新たな気づきを
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SIIF インパクト・オフィサー 小笠原由佳
SIIFは、2021年11月24日から2日間、都内で『2019・2020年度休眠預金事業およびオルタナティブ事業支援先合同セッション』を開催しました。さまざまな社会課題の解決に尽力する14社の代表者や関係者とSIIF関係者らが集い、互いの事業内容を知り、各地、各分野の社会課題を学ぶとともに、そこで得られた知見や、課題解決に当たって立ちふさがった壁を共有し、解決策など話し合いました。
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インパクトの創出と継続的な事業改善が必要
合同セッションは、「社会課題の解決」という共通の目的をもつ企業・団体が活動や経験を共有することで、相乗効果により新たな気づきなど得ることを狙い開催。2019年度休眠預金事業支援先6社、2020年度休眠預金事業支援先4社、オルタナティブ事業支援先4社の関係者らと、SIIFスタッフ、SIIF評議員、アドバイザー、延べ人数で約60人が 参加しました。
青柳光昌・SIIF専務理事は冒頭の挨拶で、従来は社会課題に対し、「各自が主観的に良いと感じる事柄」を実施してきていたものの、これからは実際にどのようなインパクトを創出できたか、社会的インパクト評価を実施し、インパクトレポートなどにより報告していくことが必要だと強調しました。とくに休眠預金事業は国民の預金が原資であり、事業維持のためにも「休眠預金事業」自体の社会的インパクト評価とそれに基づく事業の継続的な改善が必要だと訴えました。
時には厳しい指摘も
アイスブレイクののち3グループに分かれ、参加14社によるショートピッチを実施、SIIF関係者やアドバイザーからさまざまなアドバイスなどがありました。
㈱sonrakuの井筒耕平・代表取締役は木質バイオマス(化石燃料を除く、木材に由来する再生可能な生物由来の有機性資源)を用いた小規模発電所を各地域に配置し、エネルギーの地産地消を目指していることを紹介しました。アドバイザーの田淵良敬Zebras&Company共同創業者・代表取締役は、受益者が限られている点、規模を大きくすれば燃料の輸入が必要になる点などからローカルグリッド(エネルギーの地産地消)の難しさを指摘。井筒・代表取締役は多くの木質バイオマス発電が電力のみを利用しており、発電時に発生する熱の利用には至っていない点を説明し、熱の利用価値を広めたいと訴えました。
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シェアビレッジ㈱は、空き家や空き地など地域の遊休資源をバーチャルの「村民」が共同利用するコミュニティの立ち上げを支援するプロジェクトを展開。丑田俊輔・代表取締役が、同プロジェクトで実際に遊休地に家を建て集落をつくったり、廃業した温泉施設を利活用したりしていることを紹介すると、樽見弘紀SIIF評議員(北海学園大学法学部教授)は「リアルとバーチャルの良いとこ取りが面白い」。丑田・代表取締役は地域の住民と都会に住む人がバーチャルの「村」をとおし、交流を深めることで、遊休資源の利活用を越えた関係性を築けていることを笑顔で語りました。
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(一社)東の食の会は、東日本大震災後、東北の食産業の復興と創造の長期支援を目的に設立。これまで東北地方の名産品など用いた商品を生み出すとともに、「東北リーダーズカンファレンス」など開催し、食産業に限らず新しい事業の芽が生まれる土台をつくり、さらに情報発信にも力を入れてきました。金田修SIIF理事(遊仁堂CEO)が同団体の成功の定義を尋ねたところ、小沼利幸・事務局員は、「自分たちのような黒子の団体に成功の定義はむずかしい」としつつも、「我々が必要とされなくなる(ほど復興した)状態が成功だと思います。我々がいなくなった時、東北地方に何が残っているか。それが、このプロジェクトの終了後、本活動を振り返る材料になるでしょう」とまとめました。
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㈱ポケットマルシェの山崎梨紗・経営管理部社員は、生産者から直接、食材を購入できる同社の「オンラインマルシェ」のサービス概要を紹介。物品の販売だけでなく、お勧めの食べ方を生産者に聞いたり、購入者が食レポを書いたりするなど双方向のコミュニケーションがあり、「実際に生産現場を訪れたユーザーも100人以上います」。休眠預金事業では、こうしたオンライン購買をきっかけとした関係人口創出のプロセスを可視化し、「全国の行政、団体に私たちの解明したノウハウを活用してほしい」と地域創生に賭ける思いを明かしました。
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ココホレジャパン㈱は後継者不足に悩む地域と、起業を志すものの技術や資金面で不安のある者をつなぐ「継業バンク」のプラットフォームを自治体に提供。店舗や機材をただ売り買いするだけではなく、弟子やインターンという形で技術・文化の継承が可能な募集パターンも用意しており、「継業を就職や起業と同じ、働き方の選択肢としていきたい」と浅井克俊プロデューサー。現在は後継者の募集数に対し継業したい人からの応募数が多すぎる状態であることを明かすと、田淵アドバイザーは表面には出てきていないものの、実際には後継者がいないことによる廃業が多いことにふれ、「表に出てきていない後継者需要を掘り起こしていけば面白い展開になると思います」。
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