頭の中の整理。
去年10月 異動になって今の職場に来た。
ここは専門店で時期に合わせてお客さんに予約申込書を配ったり、商品を配達したり、来店客に商品説明したりする。
お客さんのところに巡回する担当もいて、1地区基本1人が充てられる。
俺はこの担当に配属された。
あっという間に長い1年が経とうとしている。
俺は、未だにお客さんの家も地域の人柄も理解できず、予約申込書の作成すらまともにできないときた。
「1年間、何をしてきた」
今の俺が聞かれるとぶっ倒れそうになる言葉だ。
異動してすぐわかったことは、前任者も前々任者も大ベテランで、お客さんとも良い関係だったらしいことだ。
巡回でうかがうと「あんたに言ってもわからんだろ」「○○さん(前任者)はいないの?」と言われる始末。
だからまずは、家と人を覚えよう、俺のことを知ってもらおうと思い、本来の業務ではないが、配達をしていた。
すると、その時の上司に「配達は○○さんと○○さんの仕事であなたの仕事ではない」と言われてしまった。
出鼻を挫かれた俺は、そこから約半年間なんとなく、新しいことをするとダメなんだ…みたいなので縛られた上、ただの業務についていくだけででも精一杯。
短い人生の中で一番と言って良いほどに無駄にした。
年度末に、上司から「地区担当が来ないと話があった」といわれたことが物語っている。
さあ年度が変わった。
上司が異動になり、別の人がきた。
前までは、相談がしにくい硬い感じの人だったが、この人はイメージでいうとお父さんみたいな感じ。
相談しやすいけど、ダメな時や間違っている時は怒ってくれる、そんな人。
元々、わからないことを聞くのが苦手な俺にとってこの異動は転機だった。
(もう1人異動で来た女性主任は❌)
わからないこと、不安なことなんかが聞けるようになった。
もちろん、他の人にもだ。
だが、今日はこれが仇になった。
俺の担当地区にある支所の長から、今まで1度も配布したことがない予約申込書を配布するかどうかを、聞かれた。
俺は、入荷数が限られているので配布できないと分かっていたが、不安だったので、自分より長く勤めていてよく知っているパートさんに聞いてしまった。
この人は人が良いので、すぐ「代わろうか?」と言って代わってくれた。
心で「俺の担当地区にある支所なのに、これでいいんだろうか…」と考えていたら、案の定、パートさんが怒られているのを聞いてしまった。
もちろん俺も怒られた。
定時で退勤して、真っ暗な部屋の隅で腕と足にカッターの刃を当てた。
暗くてよく見えなかったせいか、いつもはないのに、ちょっと血が出てしまった。
病んだとかではなく、頭の中のごちゃごちゃをリセットするのに、たまにする。
なんとなく、スッキリもするし。
2時間くらい経ったか、お風呂に入る前に、
上司へ1通メールした。
嫌な気持ちにさせてごめんなさい。伝えたかったことが上手く話せてなかったです、ほんとにごめんなさい。
まもなく通知がきた。
人生で一番、重たい通知だった。
返信は、
長からの電話は、ただのパートさんにつないだり、かわったりしてはいけません。
パートさんも上司でもないのに何を勝手に
えらそうに言いよるんかと私から叱責されて
怒られました。
長には長に合った人と電話はかわってください。そうでなければみんなが嫌な思いをすることになります。
あしたからは気をつけてください。
でも勇気をだしてパートさんには自分で
謝ってください。
だった。
ぐうの音も出なかった。
それから、しばらく話をした。
俺)自分の理解と実際が合っているか不安だったので、念のために聞いて確認したら、パートさんが「代わろうか?」って言ってくれたので甘えてしまいました。もちろん謝ります。
本当にごめんなさい。
上司)代わる相手を間違えなければいいだけなので、歳は関係なく、時雨さんは職員、相手は嘱託、パートなのだから女性主任や職員くんみたいにとんちんかんなことはせず、こちらに回してください、お願いします。
俺)わかりました。
ちゃんと考えて代わるように気をつけます。
上司)おまえの仕事だろって言えって言った。パートさんにも腹がたったけど、言わせたほうにも責任がある。どちらが良い悪いはありませんが、自分もいつも戦います。やっぱり正規職員が非正規の人に勘違いをさせないほうが良いので、正規の職員は堂々としていましょう。
勘違いをさせると、あとあとパートさんのためによくありません。
etc…
ーーーーーーー脱線ーーーーーーー
社会に出てつくづく思うが、社会は難しい世界だと思う。
その分野で自分よりも詳しい人がパートさんだったら聞いてはダメとか、頼ったらダメだとか、なんだそれって思う。
お客さんだって誰だって、よく知った人から説明された方が安心するし、その分信頼もしてもらえる。
信頼してもらうのが商売だと教えられたし、そうだと思った。
それに、パートさんの方がうんと歳上なのに下に見るなんてできない。(そもそもパートさんも嘱託さんも俺の5倍は仕事ができる優秀な人だし)
何で雇用形態が違うだけで、とる態度も代わるのかがわからないし難しい。
俺の性分だと、会社勤務は向いてなかったんだとつくづく思う。
だから、入ってすぐに、5年間(退職金が出るのが5年以上勤務)勤めたら辞めようと思った。
だけど、雰囲気的に今の上司は許してくれそうにない。
「地区担当向いてない。しんどい」
と以前相談したら、
「いきなりだったからね、そりゃしんどいよ。…何とか零ちゃんをお店の人に変えてもらえんか言ってはみるよ」
と言われた。
会社全体の退職者も多いから、無能な俺でも抜けると困るのかもしれないけど、能力のない人間がいても、ただのコストにしかならない。
無能なくせに、業務上お客さんの予定に合わせることが多く、休日に出勤することもある。だから、(自己判断で)休日に出勤しても、帳簿上は休んだことにしている。
これ以上余計なコストをかけなくて済むように。
食事も最近は、会社でお腹が空かないので食べない。
(無能なのに食事とる暇あるんだ、とか思われそうで怖いのもある)
きっと俺はあれこれ考えなくても良い、工場とかに就職した方がよかったんだと思う。
あぁ、また笑えなくなった。
口角を上げると悲しくもないのに、涙が出る。
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