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#本読み対話会 Vol.7 『ジェネレーター』(1)

湘南・茅ヶ崎でSiguleが主催している本読み対話会の記録を、記憶を辿りながら書いていくシリーズです。


茅ヶ崎市にある「話せるシェア本屋 とまり木」で始めた読書会。
第7回目は市川力・井庭崇『ジェネレーター』学事出版をテーマにしました。
(2023年5月20日開催)

教育シリーズ第3弾は、茅ヶ崎で行われた教育関連コミュニティの勉強会で紹介された『ジェネレーター』。
<中動態>といったワードや、社会システム理論で見覚えがあった井庭さんの名前が目についたこともあるのですが、前回の『教えない授業』と共通する「学び手(子どもだったり大人だったり)の主体性を引き出す」実践と理論に惹かれて選んだ本です。

前回の「対話型鑑賞」では、ファシリテーターは専門家でありながら、専門性たる知識や鑑賞の方法を教えることはせず、鑑賞者の感性を開かせるためにさまざまな問いを投げかける。
<ジェネレーター>は、そうしたガイドのような立ち位置とも違い、感性と表現とが生まれようとしつつ、生まれては消えていくような生成の場を、内部からかき混ぜるような関わり方をする。
その場では、誰かの意図通りにことが進むということはなく、振り返ったときに「なんでこうなったんだっけ」という感覚になるほど没頭してしまう、そのような場になっていたりする。

「対話型鑑賞」に引き付けたメモ

「対話型鑑賞」と「ジェネレーター」は、共通するところもありながら、具体の手法でそれぞれに特色があるところが面白い。
すでに発揮されている(生きているだけで!)主体性を、いかに邪魔しないか。
その手法はきっといくつもあるのだろう。
そして共通して大切にすべきことというものも確かにあって、それを学ぶことができたと思います。

本書には、特に市川さんの執筆パートに顕著ですが、言葉遊び(駄洒落)のような名付けがふんだんに出てきます。
対話の中でもここに注目し、洒落を通じて言葉や考えのイメージを広げていくこと、深めていくことの効用をシェアしてもらえる場面がありました。
自らの関心と関わらせながら対話を進めていけると、自分で読んだだけでは思いもよらない発想を知ることができます。

文責:と

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