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物語:木の実と芋の栽培 ― 生き抜くための食糧確保
物語:木の実と芋の栽培 ― 生き抜くための食糧確保
キャラクター紹介:村井奈々(35歳)
村井奈々は、崩壊後の日本で生活する共同体の農業担当者。かつては都会で働くOLだったが、地方の生活に適応し、農業や自然採取に積極的に取り組む。共同体の自給自足を支えるため、木の実の採取と、ジャガイモ・サツマイモ・里芋の栽培に挑む。
1. 木の実の採取
a. 森への探索
奈々の描写:
「今日は少し奥の森まで行こう。食料が足りないってみんな言ってるし、何か新しい発見があるかも。」
彼女は共同体の若者たちと森を歩きながら、食べられる木の実を探す。
b. 採取できる木の実
1. ドングリ
• ドングリは、すりつぶして水に晒すことでアクを抜き、粉として加工できる。
• 奈々たちは、大きな袋を持参して大量のドングリを採取。
奈々の説明:
「ドングリは時間がかかるけど、粉にすればパンみたいなものが作れるよ。」
2. クルミ
• クルミは栄養価が高く、そのまま食べるだけでなく、油を絞ることも可能。
• 奈々は小型の石臼を使い、クルミの殻を割りながら説明する。
奈々の声:
「殻が硬いけど、中身は美味しいから手間を惜しまないで。」
3. 山ブドウ
• 甘味がある山ブドウは、そのまま食べたり、保存用のジャムに加工。
• 奈々たちは山ブドウを集めながら、口に一粒ずつ頬張る。
c. 加工と保存
1. ドングリ粉の作成
ドングリをすり鉢で粉砕し、川の水で何度もアクを抜いた後、乾燥させる。
2. クルミ油の絞り出し
石臼でクルミを砕き、熱を加えて油を抽出。これを料理用に保存。
2. 芋の栽培
a. 栽培の計画
奈々のつぶやき:
「木の実だけじゃ長くは持たない……。芋なら手間が少なくて、どこでも育つし、みんなの栄養源になる。」
彼女は共同体の人々を集め、ジャガイモ、サツマイモ、里芋の栽培計画を立てる。
1. ジャガイモ: 短期間で収穫でき、寒冷地でも育つ。
2. サツマイモ: 痩せた土地でも成長しやすく、保存性が高い。
3. 里芋: 湿地でも育つため、水辺近くの土地で栽培可能。
b. 土地の選定
1. ジャガイモ用
• 日当たりが良く、排水が良い土地を選ぶ。
• 土を耕し、石灰を撒いて酸性土壌を中和。
2. サツマイモ用
• 痩せた土地でも育つため、共同体の空き地を利用。
• 土を盛り上げて苗を植えやすいように整える。
3. 里芋用
• 湿り気のある土地や水辺を選び、排水路を整備。
c. 栽培と世話
1. ジャガイモ
• 種イモを切り分け、土に植える。
• 発芽後、土を寄せて芋を日光から守る。
奈々の声:
「ジャガイモは土の中に育つから、見えないけど大切に守らなきゃね。」
2. サツマイモ
• 苗を植え付け、水やりを控えめにして育てる。
• つるを整理し、養分が芋に行き渡るよう管理。
奈々の指導:
「サツマイモは手間が少ないから、忙しい時期でも助かる作物よ。」
3. 里芋
• 土を柔らかく保つため、定期的に土寄せを行う。
• 雑草を取り除き、湿度を維持する。
奈々の観察:
「里芋は手間がかかるけど、水辺の土地を有効活用できるのがいいわね。」
d. 収穫と保存
1. ジャガイモ
• 茎が枯れ始めたら収穫時期。掘り起こした芋を風通しの良い場所で乾燥させる。
2. サツマイモ
• 掘り起こした芋をしばらく乾燥させて糖度を高める。保存用に地下穴を掘り、保管。
3. 里芋
• 初霜が降りる前に収穫。茎を短く切り落とし、湿った土と一緒に保存。
3. 新しい食文化の創造
奈々は共同体の台所で、木の実と芋を使った料理を作り始める。
1. ドングリパンとクルミバター
• ドングリ粉を使ってパンを焼き、クルミ油を混ぜたバターを添える。
2. 芋の蒸し焼き
• サツマイモを焚火で蒸し焼きにし、ジャガイモと一緒に提供。
3. 里芋スープ
• 里芋を煮込み、採取した山菜やクルミを加えた栄養満点のスープを作る。
奈々の言葉:
「自然の恵みと私たちの努力があれば、どんな時代でも生きていける。」
エピローグ:自然と共に生きる
木の実と芋を中心とした自給自足の生活が、共同体の命を繋ぐ柱となる。奈々は、自分たちの作った畑を見つめながら、こう語る。
奈々:
「かつての便利な生活には戻れないけど、こうしてみんなで力を合わせれば、新しい未来が作れるはず。」
――自然の恵みを活かし、共同体で自給自足を目指す人々の物語。それは、人と自然が織り成す新たな時代の始まりだった。