見出し画像

サイコパス勇者岡田斗司夫のドラゴンクエスト3

※筆者は岡田斗司夫さんの公式Xアカウントからブロックされてます!!!!

勇者オカダのプレゼン無双 ~魔王すら言いくるめる男、異世界でハーレムを築く~

第一章 転生、そして交渉開始

「――いやぁ、マジで参ったな。ここ、どこ?」

オタク評論家としてそこそこ名を馳せた俺、岡田斗司夫。
いつものようにカメラの前で語り尽くし、少し仮眠をとったはずが……気づけば中世風の大広間に立っていた。
目の前には玉座、王冠をかぶった王様、そして左右には武装した騎士たち。
なにやら「伝説の勇者、よくぞ来た」とか言われているが、俺は思わず首をかしげる。

「へぇ、ここってドラクエIII世界を模した何か……? まさか本当に異世界転生?」

俺が驚く間もなく、王様は「魔王バラモスを討伐し、世界を救ってくれ!」と演説をぶち上げる。
なるほど、ドラクエIIIをなぞる展開ね。
ただし俺はお人好しの勇者じゃない。自分のメリットがなければ動かんぞ――
そう思っていた矢先、王様は俺にこう言った。

「これを旅立ちの資金として受け取るがよい。そなたは間違いなく、勇者の資質を持っておる!」

差し出されたのは――たったの50ゴールド。
いやいや、少なすぎでしょ!

「王様、ちょっとお時間よろしいですか?」

俺は王様を玉座の横に呼び、ここから約三時間にわたる“プレゼン”を開始した。

第二章 最強スポンサー・アリアハン王の誕生

「まず、勇者って肩書きは単なる名誉じゃありません。広告塔として利用価値が高いんです」

王様は頭に「?」マークを浮かべているが、気にせず続ける。

「この世界には町が幾つもあり、人々は魔王の脅威に怯えている。私が魔王を倒せばヒーローになりますよね?
 ――そのヒーローが『アリアハン王のおかげでここまで来られました!』って言えば、アリアハンの評価と影響力は爆上がり間違いなしです」

王様は少し身を乗り出す。
俺はさらに言葉を重ねる。

「とはいえ、そのためには初期投資が必要です。最低でも装備品、護衛、研究・開発費にゴールドが要ります。
 50ゴールドで世界を救うのは厳しいですよ? 成功確率が低いと損失も大きい。
 つまり――王様が『勇者への投資』を惜しんだ結果、魔王討伐に失敗したら、アリアハンはどうなるでしょう?」

ここで王様の顔色が変わった。
さらに俺は“追い打ち”をかける。

「王様のリスクは計り知れない。だったら、はじめからしっかり資金を出して成功率を高めた方が得策です。
 私には知恵があります。あなたには財力と権威がある。ウィンウィンの関係じゃないですか」

さすがに三時間もこうやって理詰めで説かれたら、王様も音を上げる。
結果――

「わかった、勇者オカダよ。お主の言う通り、我が国の名誉にかけて惜しみない協力をしよう」

こうして俺はなんと1万ゴールドと宝剣バスタードソード、鉄の武具一式、さらには護衛50人までも手に入れることに成功したのだ。
まさにプレゼン無双だな。

第三章 ロマリア王の憂鬱

王様から潤沢な支援を受けた俺は、護衛の一団を率いて旅立った。
最初の目的地は王道どおり、北にある国ロマリア。
新天地には新たなスポンサーが潜んでいるかもしれない――そう期待してのことだ。

ところが、意気揚々とロマリア城に到着するも、王の表情は暗い。
聞けば「金の冠を盗賊カンダタに奪われた」とのこと。

「ふむ、困ったね。ところで、俺への出資話はどうなります?」

厚かましく提案を持ちかける俺に、ロマリア王はうつむきながら応じる。

「冠を取り戻すまで資金協力はできん。そなたがカンダタを倒してくれれば、改めて考えたいが……」

なるほど、冠を失って権威がガタ落ち、さらに財政も厳しい。
ここは今後の関係を考えればカンダタをどうにかしてあげた方がいいか。
だがふと、俺の中で別の考えがよぎる。

「倒すんじゃなくて“仲間にする”って選択肢もあるんじゃないか?」

カンダタほどの大盗賊、むしろ配下に入れた方が使い手がありそうじゃない?
彼の部下たちも労働力としては申し分ないはず。
何しろ、RPGの基本は“少数精鋭”だけど、俺は“数の暴力”も悪くないと考えるタイプだ。
アリアハンからついてきた護衛50人に、さらに盗賊団が加わったら――かなりの軍隊じゃないか。

「わかったよ。カンダタのアジトに行ってみる」

ロマリア王には「必ず冠を取り返してみせます」とだけ言っておこう。

第四章 盗賊王カンダタ、折れる

カンダタのアジトは峠の洞窟の奥深くにあった。
洞窟と言っても内部は意外と広く、手下の盗賊がそこかしこに配置されている。
危険そうだが、こっちには護衛50人がいる。堂々と正面突破だ。

「侵入者だ! やっちまえ!」

盗賊たちが襲いかかってくるが、こちらは被害ゼロ。
圧倒的な数の差で、あっという間に盗賊団を制圧し、アジトの最深部へ到達。
そこにいたのは――むさ苦しい大男、カンダタ本人。

「よくもここまで来やがったな、勇者オカダ! 俺の名を聞いて尻込みしないとは面白い!」

カンダタは金の冠を頭にのせ、わざとらしく見せびらかす。
普通の勇者ならここでのセリフは「冠を返せ!」「お前を倒す!」だろう。
でも俺は違う。
まずは「交渉」だ。

「やあ、カンダタさん。盗賊界の大物と呼ばれるだけあって、このアジトも組織も見事だね。
 ところで、あんた本当にただの山賊で終わっていいの?」

カンダタは「なんだと?」と顔をしかめる。
ここで俺は畳みかける。

「これから世界が激変するんだ。魔王が暴れまわって、各国が大混乱。
 その混乱をチャンスにもっとでかいこと、できると思わない?
 ――俺の配下になれば、あんたの名声は悪名から“カリスマ”に変わる。
 ロマリア王とも仲介してやるから、正式に活動できる道をつくれるかもしれない。
 単なる盗賊の首領より『勇者の傘下の幹部』ってほうが、肩書きの格が上がるよ?」

カンダタは腕組みして唸りはじめる。
盗賊たちも戦意喪失気味で耳を傾けている。
俺の説得はさらに続く。

「もし俺と組むなら、ロマリア王への冠返却とか面倒な儀式はスルー。冠はお前が持っていていい。
 ただし、表向きは『冠は戻った』と王に報告する。彼には別のダミーを渡すとか、まあ手はいくらでもある。
 その代わり、あんたは俺の軍団長として働いてくれ。報酬は十分に出すし、新しい商売だって紹介できる。
 どうだ、悪くない話だろう?」

それを聞いたカンダタの目が怪しく輝いた。
――どれだけ悪人でも、“野望を刺激される”とグラッとくるものだ。
最初はバカにしていたが、次第に俺の話にのめり込み、最後には「よし、乗った!」と拳を突き上げる。

「ガハハ! 面白い野郎だ、勇者オカダ! 今日から俺はお前の部下だ。好きに使ってみろ!」

こうして、金の冠問題は有耶無耶のまま、ロマリアへは「奪われた冠を取り戻した」と報告するストーリーが整った。
カンダタとその盗賊団は、俺の私設軍団となる。
面白くなってきた。

第五章 ロマリア王の困惑、そして船のチャーター

「そ、そうか……カンダタは…その…うまく丸め込んでくれたのだな。冠も…ありがとう」

ロマリア王は俺が提出した“偽物の冠”を眺め、どことなく腑に落ちない表情をしている。
だが結果オーライ。王としては「冠が返ってきた」という体裁が整えば良いのだ。

「ところで、お約束いただいていた協力の件ですが?」

俺が尋ねると、王は気まずそうに言葉を濁す。

「実は……先日、わしの船が行方不明でな。航路も荒れており、いろいろ予算がかさむ状態で――」

ロマリア王も相当厳しい状況にあるらしい。
俺はチラッとカンダタを見る。彼がポンと手を打った。

「おい、ロマリア港にいる船乗り連中なら俺のダチが何人かいる。チャーターできるかもしれねぇ」

さすが大盗賊、裏社会のツテがあるのか。
こうして、王様の資金協力は得られなかったものの、船をチャーターするルートが開拓される。
結果として、俺たちはあっという間に船を手に入れ、「北の国から順番に攻略」みたいなお決まりのルートをすっ飛ばして、いきなりネクロゴンドへ行く算段を立ててしまうのだ。

「俺としては魔王バラモスを早めに倒したほうが、世界へのアピール度が高いからね。
 あれこれ遠回りするより、一気に本丸を攻めるほうがコスパがいい。」

護衛50人、カンダタ盗賊団の総勢30名、そして俺のパーティが船に乗り込む。
その風景はまるで小国の軍隊の移動のようだ。
RPGらしくない集団行動に、周囲の町の人々はただ驚くばかり。

第六章 ネクロゴンド直行! 工兵による城攻め

船は荒波を越え、通常なら後半に行くであろう危険海域を強行突破。
死霊や巨大イカ、海の魔物たちが襲いかかるが、こちらは人数が多い。
適度に分散して戦い、まるで無双状態だ。
こういう時、やっぱり“数の暴力”は強い。

「お前ら、リレミトとかベホマとか手分けして使えよ! MPの配分ミスるなよ!」

俺の号令に、魔法使い達がきびきび応じる。
彼らも“岡田評価”システムに組み込まれており、「もっと褒められたい」という承認欲求でモチベーションを保っている。
こうして俺たちはわずかな被害でネクロゴンドの岸に到着。
目指すは奥地にそびえる“魔王バラモスの城”だ。

そこには大きな堀があり、正面突破は厄介だ――という話を耳にするが、俺は余裕の表情。

「木材があるでしょ。森を切り開いて、投石器や筏、梯子を作ればいいだけだよ。
 RPGの主人公って、なんでいつも一人で突撃するわけ? こういうのは物量でしょ」

カンダタ盗賊団が斧を振りかざし、周囲の木々をなぎ倒していく。
護衛隊が作業を手伝い、投石器を組み立てる。
修理道具や金槌、ノコギリなどは“盗賊ネットワーク”を駆使して集めた。
1日そこらで、簡易的だが城攻め用の大規模装備が完成してしまった。

「よし、準備万端。行くぞ、お前ら!」

誰がどう見ても“戦争”の構図。
“勇者パーティ”というには大所帯すぎる。
まあ、いいか。これが俺流の攻略法だ。

第七章 魔王バラモスを撃破

投石器の石弾が城壁を砕き、モンスターの群れが慌てて飛び出してくる。
その隙に筏と梯子を組み合わせ、堀をあっさり突破。
何重にも張り巡らされた守備網が無意味に崩壊していく。

「カンダタ、お前の連中は左翼から回り込んでくれ。護衛隊は正面突破、俺のパーティは城内に突入!」

バラモス城内では、強力なモンスターが襲いかかるが、こちらも魔法使い×複数、僧侶×複数という万全の布陣。
RPGのお約束としては、“少数精鋭”でギリギリの戦いを演じるのが醍醐味かもしれない。
しかし俺は「勝てるならそれで良し」の主義。
被害こそゼロではないが、どんどん先へ進んでしまう。

最上階で待ち受けていたのは、禍々しい姿をした魔王バラモス。
圧倒的なオーラを放ち、「人間ごときが……」と吼えるが、こっちは大軍団。
さらに、いきなり交渉を試みる俺。

「バラモスさん、話を聞いてもらえないかな? …どうやら聞いてくれなさそうだね」

会話すら拒否され、容赦ない呪文が降り注ぐ。
空間が歪むほどの魔力。しかしこちらも準備万端。
魔法を打ち消す道具や回復部隊を総動員し、最終的にはバラモスを物量作戦で圧殺する形となった。

「ふぅ……やれやれ。もうちょっと交渉の余地があるかと思ったけど。ま、倒したからいいか」

バラモスは断末魔とともに消え去り、城には静寂が訪れる。
こうして、通常なら終盤に差し掛かるはずの魔王バラモス戦を、前倒しでクリアしてしまう。

第八章 ゾーマの幻影と“10時間プレゼン”

戦いを終えてアリアハンに凱旋した俺は、王様から最高の歓迎を受ける。
「やはり、わしの見る目に狂いはなかった……! 勇者オカダ、よくぞバラモスを倒してくれた!」

大宴会の最中、突然広間の空気が凍りついた。
闇の気配が渦巻き、人々の視界に怪しげな幻影が出現する。
その姿は、バラモスよりもはるかに禍々しい魔王、ゾーマ。

『フン……バラモスごとき倒していい気になるな、人間。真の魔王はこの私、ゾーマ。』

王様や兵士たちが恐怖で後ずさる。
しかし、俺は内心ワクワクしていた。
「なるほど、これが真の支配者か。
 もしヤツと交渉して“共同統治”とかできたら、さらにすごいビジネスになるんじゃない?」

表向きは「ふざけるな、魔王め!」と勇者らしい言葉を吐きつつ、ゾーマを闇の世界へ誘い出す。
そして、俺は堂々と闇の世界に足を踏み入れ、ゾーマと対峙する。

「ほう……バラモスを倒しただけあって、なかなか肝が据わっているな、人間」

ゾーマの圧力は凄まじいが、俺は余裕の笑みを浮かべてみせる。

「魔王ゾーマ、交渉しようじゃないか。
 ――あんたが闇の世界を治めるなら、それでいい。表の世界は俺がまとめる。
 そっちからも必要な物資や人材があるだろう? 闇と光、それぞれを効率よく支配すれば、今よりずっと楽に権力が維持できるよ」

ゾーマは「何を戯言を」と言わんばかりに冷笑。
しかし俺は全くひるまず、十時間にもおよぶプレゼンに突入するのだ。
ゾーマが呆れ果てるほど、世界の構造やメリット・デメリットを図解しながら語り続ける。
闇の世界での統治の難しさ、光の世界との衝突コスト、連携することでの統治コスト削減……
延々と続く理詰めの話に、ついにゾーマは折れた。

「……人間。お前ほど、魔王に対して臆面もなく条件を出してきた者はいなかった。
 面白い。その提案、受け入れよう」

こうして――
ゾーマは闇の世界の帝王、俺は表の世界の覇王として手を組むという、まさかの共存体制が生まれた。
今思えば、こんなドラクエIII、誰が想像できただろうか?

第九章 新時代の到来、そしてハーレム

闇と光の共存政策により、モンスターの大規模な侵略行為は止み、人々の恐怖は和らぐ。
一方で、ゾーマも領土拡大への興味を失い、闇の世界を根城に“静かな支配”を開始。
表の世界では俺がロマリアやアリアハンを含む各国をまとめ上げ、実質的な覇王の座を手にする。

「勇者オカダ万歳!」「偉大なる覇王万歳!」

町中でそんな声が飛び交い、俺のもとには絶えず美女たちが集まってくる。
カンダタの軍団は治安維持や工兵部隊として組織化され、以前のような無法はなくなった。
まあ多少のゴタゴタはあるが、それも「岡田評価」によってうまくコントロールされている。
承認欲求の仕組みを突き詰めれば、誰でも動かせるってわけだ。

「王様、今日はどこの国の姫様がいらっしゃいます?」
「はい、勇者さま。今日はエジンベアの女官たちがご機嫌うかがいに……」

――なーんて具合に、毎日が宴会。
俺は気に入った女性を次々に側近や侍女に取り立て、ついにはハーレムまで作ってしまった。
「勇者だからモテモテ」ってパターンを遥かに超えた、事実上の権力ハーレム。
しかし、みんな納得している。
なにせ、戦争が起きない世界を築いてくれたのは俺だし、物質的にも豊かにしているんだから。

「これで良いのかって? まあ、俺も世界も平和だし、いいんじゃない?」

そんな風に軽口を叩きながらも、俺は“欲望を満たす”生活を満喫中。
ゾーマに「しっかりやれよ?」と声をかけることもあるが、もう別段大きな問題は起きそうにない。
光も闇も、俺たち二人の巨大な統治ネットワークに組み込まれているのだから。

第十章 終わりなき? めでたしめでたし

こうして――
バラモスは倒され、真の魔王ゾーマとは手を組み、表の世界は俺の完全な支配領域に。
護衛50人から始まった仲間は数百・数千へと増え、カンダタ一味は今や立派な軍事・工兵集団となった。
更にあちこちの王や商人たちが「勇者オカダ」のもとに参じ、経済や産業、観光まで回している。
平和と繁栄が実現し、どこも不満らしい不満はない。

そして、俺はハーレム宮殿でゆったりと脚を組む。
側近の美女たちに囲まれながら、今夜の新作料理の話をしていると、ふと懐かしい日本のことが頭をよぎった。
……まあ、戻らなくてもいいかな。
ここには“俺が築いた”世界がある。
誰もが、俺のプレゼンに耳を傾け、そして俺を称える。
ここでの人生は、ある意味で“理想”そのものじゃないか。

「じゃ、そろそろ動画配信みたいにトークの練習でもしようか。みんな、集まって!」

俺は“岡田斗司夫”としての声色を取り戻し、周囲を笑わせる。
――かくして「ドラクエIII風の世界」は、本来の歴史から外れたかもしれないが、
不思議と円満に、そして派手に“めでたしめでたし”で幕を下ろしたのだった。

(了)


いいなと思ったら応援しよう!