地頭力とは何か?
私が会社員であった頃、新卒採用の採用条件に「地頭力を入れたい」というオーダーをもらったことがありました。
当時は「地頭力を鍛える」という書籍や記事をよく見かけていましたが、社内でイメージしている地頭力とは少し違う印象がありました。
会社によって地頭力に対するイメージが違う可能性があるので、採用現場で「地頭がいい人を採用したい」という話が出たら、そのまま受けるのではなく、現場で細かく要件を再定義することをオススメします。
地頭力ブームの発祥から考える
話はズレましたが、地頭力ブームのきっかけになったのは、細谷功さんが書かれた『地頭力を鍛える 問題解決に活かす「フェルミ推定」』のようです。
内容については下記ツイートがわかりやすいと思います。
細谷さんは地頭力を下記3点を考える思考力だとしています。
・仮説思考(結論から考える)
・フレームワーク思考(全体から考える)
・抽象化思考(単純に考える)
そしてこの地頭力を鍛えるためのツールが「フェルミ推定」ということです。
💡フェルミ推定とは?
フェルミ推定(フェルミすいてい、英: Fermi estimate)とは、実際に調査することが難しいような捉えどころのない量を、いくつかの手掛かりを元に論理的に推論し、短時間で概算することである。例えば「東京都内にあるマンホールの総数はいくらか?」「地球上に蟻は何匹いるか?」など、一見見当もつかないような量に関して推定する事、またはこの種の問題を指す。
(Wikipedia)
ここまでを見て、私の正直な感想は、私は地頭力が低いかもしれないということでした。
私は算数が苦手な文系脳なので、フェルミ推定はとても苦手です。
ロジカルに文章を構成することが苦手なことも、文章を見てお気付きかもしれませんね。
しかし、本当にそれだけで地頭力が低いと言ってしまっていいのでしょうか?
ちなみに私が勤めていた会社では、かなり大雑把になりますが、地頭力=IQという印象を持っていました。そのため、地頭を”鍛える”ということは想定にありませんでした。
(さらに、IQが高い学生を採用するために学歴を見ていたのですが、そこも「IQ高い=学歴がある」と言ってしまっていいかは疑問です。)
この時点では、まだ私が納得できる「地頭力」の答えは出ませんでした。
地頭力が求められる背景から考える
そもそもなぜ地頭力が求められるようになったのでしょうか?
細谷さんの書籍は2007年出版ですが、地頭力関連の記事や細谷さんの書籍を漫画化した書籍は、ここ数年で増えた印象です。
ここ数年の社会的な課題としてはVUCAが上げられると思います。
💡VUCAとは?
Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字を並べた造語
不確実なことが多い時代を突破していくためには、情報が不足している状況からでも、様々な思考法を使ってロジックを組んで突き進んでいくことが求められているのだと思います。
ここで思うのは、ロジックが組めれば本当に突破できるのか?ということです。
『ハウ・トゥ アート・シンキング』著者の若宮和男さんは、ロジカルシンキングとは作ったものを広げていくタイミングで使う思考法だとおっしゃっていました。
つまり、ロジカルシンキングは「誰でも理解できるように物事を体系化したもの」なのではないかと思います。
しかし、不確実なことを突破する際に、誰もが理解できることだけで突破できるのでしょうか?
新しい常識が生まれるときは、最初は周囲に理解されなかったということはよく聞く話だと思います。
少しずつ「地頭力」に対する答えが見えてきたような気がしてきました。
◎若宮さんの考え方は上記記事に記載がありましたので、ご興味がある方はご覧ください。
私が定義する「地頭力」
冒頭にお伝えしたように、会社(経営者)によって「地頭力」に持っているイメージが違うので、自社で地頭力を検討する際は丁寧にヒアリングをしてほしいです。ここでは私が考えた地頭力について述べたいと思います。
不確実で、変動が大きく、情報が溢れている昨今、必要となってくるのは「知恵を絞ること」ではないでしょうか?
知恵を絞るために”知識”として、様々な思考法を知っておくことは大切だと思います。その思考法を使ってみるためにフェルミ推定にチャレンジすることも大事だと思います。
しかし、それは知恵を絞るための一手段でしかなく、知恵の絞り方は人それぞれ違っていいと思います。私みたいにロジカルシンキングが苦手な人でも知恵は絞れます。
では、いざという時に知恵を絞るために、地頭力を鍛えることはできるのでしょうか?
この問いに対して、私は”鍛える”という表現は適切ではない気がしています。私は、知恵を絞るためには、日頃からWHYで考えることが大事だと考えています。あとは好奇心を持って様々な情報・体験をすることです。
好奇心やWHYによって、自分の中に引出しをいくつも作ることができ、それを元にして知恵は絞れるのだと考えているからです。
細谷さんも「フェルミ推定にいちばん求められるのは問題解決に対しての好奇心かもしれません」と述べています。「フェルミ推定は必ずしも論理的に考えるだけで解答の切り口を見つけることはできず、ひらめきや直観という要素が必要になって」くるそうです。
今回は私の考える地頭力について書きましたが、あなたにとっての地頭力も考えてみてください。
今回はここまで!次回をお楽しみに。
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