見出し画像

東大文系数学の攻略法〜苦手から得点源へ〜

こんにちは、シグマです。今日は「東大文系数学の攻略法」です。
数学が苦手でも、春から計画的に取り組めば入試までに十分な実力を養えます。むしろ得点源にまですることも可能ですし、万一難しい年に当たったとしても耐えられるようになります。本記事では、各社予備校の情報から過去20年の出題傾向、合格者の勉強法、論述答案の書き方、1年間の学習計画、そしてモチベーション維持のコツまで徹底解説します。しっかりこの記事を読み込んで、あなたに合わせた対策をしていってください。



1.東大文系数学を知る

どんな試験においても、最初に出題傾向を知ることは非常に大事です。各社予備校の見解を踏まえ、東大文系数学の特徴を見ていきましょう。

1-1.出題形式

100分で80点満点大問4題の形式が長年固定されています。各大問は2~3個の設問に分かれ、⑴や⑵が誘導になっていることが多いです。ただし小問がない大問もあります。理系数学との共通問題が出題されることもありましたが、最近はあまりありません。

1-2.目標点

年によって難易度が変動するので目標点も変わるものの、一般的には40~50点程度が目標と言われています。2完1半か、1完3半が目安です。ちなみに、「m完n半」とは「m問は完答できた&n問は半分できた」ということです。受験生っぽい用語でちょっとカッコいいですよね。

1-3.頻出分野​

図形と方程式・微分積分」「二次関数」「整数・数列」「場合の数・確率」が頻出です。​図形と方程式・微分積分は比較的基本的な内容が多く、得点源にしやすい分野です。一方、確率は発想力を要する問題が多く、整数問題も難問が出題される傾向にあります。二次関数は意外と馬鹿にならないので解の配置が苦手なら絶対に固めておきましょう。頻出分野は優先的に対策し、他の分野はあまりやらないで過去問で補っても良いと思います。

1-4.大変なのは…

論述力と計算力が両方問われるが、計算はさまざまな工夫をすることで超ラクになる場合が多い。参考書などでそうした技に出会ったら、どんどん吸収していこう。




2.論述力の鍛え方

なぜ東大文系数学で論述力がいるのか、そして論述力を鍛えるにはどうすれば良いのかについて解説します。

2-0.なぜ論述力がカギなのか

東大文系数学では答案の書き方・論理展開が非常に重視されます。答えが合っていても途中過程が悪ければ減点される一方、答えがあっていなくても満点に近い点を取れることもあります。東大が求めているのは単なる計算力ではなく、数学的に思考し表現する力です​。東京大学入試の出題意図にも、「『自分の考えた道筋を他者が明確に理解できるよう論理的かつ簡潔に表現する力』を評価する」と明記されています​。つまり答案は考え方を伝えるためのコミュニケーションツールであり、東大教授陣は答案を通じて受験生の思考プロセスまで見ています​。このため、最終的な答えだけでなく解答に至る論理の一貫性や記述の明確さが採点上の重要ポイントになります​。そして、途中までの方針や筋道が正しければ最後まで解けなくても部分点が与えられるので、諦めずに論理展開を書くことが得点戦略上非常に重要です​。

2-1.まずは模範解答を書き写せ

まずは「数学の解答作法」に則って書く癖をつけることが大切です。問題を演習して自分なりの答えを論述した後に、その隣に模範解答を書き写す練習はこの点で非常に効果的です。数学が苦手な人ほど、自分の書いた答案が雑になったり論証不足に陥りがちなので、一度お手本となる解答を書き写して模範解答の言い回しや構成を体に染み込ませましょう。市販の参考書解答や塾のテキスト解答などなんでも良いです。

2-2.添削指導を受けよ

自分では論理的に書いたつもりでも、第三者から見ると飛躍があったり読みにくかったりするものです。必ず学校の先生や塾の講師に添削を受けて改善しましょう。できれば4月からずっと。

2-3.解説が詳しい参考書やサイトを使え

おすすめの参考書を後に述べますが、正直言って解説が貧弱な本も多くあります。論述対策をするなら、解答と思考の筋道を別々に書いてくれる本が良いでしょう。私のnoteでは、解答と思考の筋道をできるだけ別に書くように努めます。




3.おすすめ学習スケジュール

数学が苦手な人が東大文系数学を克服するには、長期的な学習計画に沿って段階的に実力を伸ばすことが重要です。こちらにおすすめの例を載せますので、自分の進度に合わせて調整してください。

目標:夏の東大模試で数学50点をとる

3-1. 基礎固めの3月

苦手なら、毎日数学に触れましょう。東大数学で要求される論理的思考や発想力は、一朝一夕では身につきません。東大生の多くも、高1・高2の段階でコツコツと数学の演習を続けて基礎力を盤石にしています。「数学は毎日30分でも触れる」ようにすると、大きな差がつくはずです。まずは高校範囲の基礎的な解法パターンの習得から始めましょう。入試問題の大半は基本問題の組み合わせで成り立っており、東大文系数学も例外ではありません​。したがって典型的な例題の解法を頭に叩き込み、どんな問題でどの解法を使うか引き出しを増やすことが第一です​。最初は青チャートなどで網羅的に基礎例題を演習し、解答解説も熟読して「解法の定石」を理解します。解いた問題は解説を読み、なぜその解法が有効かを自問してみると効果的です​。「なぜこの公式を使うのか」「別の解法は考えられるか」など本質を考える習慣が、後々の思考力アップにつながります​。

それから、高2の冬休みに、一度東大文系数学の過去問に挑戦してみるのも有意義です。本格的な対策を始める前に、東大数学の肌感覚を早めに経験できます。もちろん全範囲履修前なので完答は難しいですが、雰囲気を掴む目的で時間を計って解いてみましょう。過去問を使うなら、2023年は解きやすいのでおすすめです。分析してみると「二次関数と図形の融合問題が頻出だな」など傾向も見えてくるので、その発見を以降の学習計画に反映させましょう。

3-2. まだまだ基礎の春

苦手分野があるなら、この時期に思い切って基礎まで立ち戻ることで後半の伸びが変わります​。解説を読んでも理解できなかった問題は、類題を追加で解くなど復習してください。数学が苦手な人ほど応用演習でつまずきがちですが、「解けなかった→どこで躓いたか分析→該当箇所の基礎に戻る→再挑戦」というサイクルで着実に克服できます。​この時期には、『文系数学の良問プラチカ』などの応用問題集を始め、頻出分野の問題に多く取り組むのがおすすめです。

3-3. 飛躍の夏

夏休みで時間が取れる時期には、まとまった時間を使って数学の演習量を増やします。苦手分野の基礎に立ち返りつつ応用問題にも挑戦し、「なぜこの解法を使うのか」と本質を考えながら解く習慣をつけましょう​。この姿勢が思考力・発想力を鍛え、初見の問題にも対応できる応用力につながります。 夏までの目標は「典型問題を解けるようにする」ことです。次に東大模試の過去問を解きましょう。何本か解けば、これで飛躍的に取れるようになるはずです。目標は、夏の東大模試で数学50点です。

3-4. メンテナンスの秋

秋以降は人によっては東大の過去問演習に本格的に取り組みます​。が、僕は推奨しません。時間制限つきの東大形式の問題で毎週1本演習していきましょう。そして「理由の省略はないか?」「もっと簡潔に書けないか?」など自問し、必要なら先生に添削指導を仰ぎます。秋の東大模試でも点数を維持し、できれば60点へと上げていきましょう。ちなみに駿台の秋模試は難しすぎるのでできなくても一切気にしないでください。

3-5. 過去問の冬

まずは共通テスト対策を優先しつつ、記述力が鈍らない程度に週1~2問は東大形式の数学に触れておきます。共テが終わった入試直前期にはようやく過去問演習をしていきましょう。答案作成力の最終チェックです​。この時期は新たな問題集に手を出すのは絶対にやめてください。加えて、体調管理とメンタルケアも大切です。特に数学は、試験後のメンタルが翌日に響くので意にも介さないのが大事です。試験前日は軽めの復習にとどめ、睡眠をしっかり取って万全の状態で本番に臨みましょう。




4.合格者に学ぶ!効果的な勉強法

実際に東大に合格した先輩たちの勉強法や体験談からは、貴重なヒントが得られます。数学が苦手だった合格者がどのように克服したのか、そのポイントをさまざまな記事から紹介します。

4-1.過去問演習で「出題形式に慣れよ」

多くの合格者が「過去問演習が最も効果的」と述べています。夏頃から東大過去問に取り組み、東大独特の出題形式に慣れることで得点力が向上したという声が多いです。多くの合格者が口を揃えるのは「過去問を制する者が合格を制す」ということです。

4-2.「なぜ解くか」を意識せよ

暗記に頼らず解法の理由を理解する勉強は非常に大事です。

4-3.添削指導を受けよ

学校の先生、塾・予備校の講師、あるいは合格体験記や勉強ブログから他人の知恵を積極的に借りて勉強しましょう。​記述の練習のみならず、添削指導まで受けることで客観的な目線を学べます。

4-4.基礎が第一

苦手分野は必ず基礎に立ち返りましょう。「基礎を飛ばして応用問題に取り組まない」「間違えた問題を放置せず復習する」ことが点数アップの近道です。

4-5.予備校や参考書を利用する

大手予備校各社がそれぞれ特色ある講座や教材を用意しています。それらの特徴を紹介します。S台、K合塾、Yゼミ、Z○など講座も検討してみてください。以下に主な参考書を記します。

青チャート(数研出版) – 基礎例題の網羅的演習書。基礎固めの定番​。
Focus Gold(啓林館) – 基礎~応用を段階的に学べる網羅系参考書。
1対1対応の演習(東京出版) – 分野別の良問集。解法暗記→応用へ。
文系の数学 重要事項完全習得編(河合塾出版) – 文系数学の基礎~標準事項を総整理できる参考書。
文系数学の良問プラチカ(河合塾出版) – 東大京大レベルの良問集。頻出分野重点&詳解付き​
東京大学数学で1点でも多く取る方法〈文系編〉(研文書院) – 東大文系頻出問題の解法・答案作成法を指南する対策本。丁寧な解説で好評​。

これらを自分のレベルや必要に応じて組み合わせて使うと良いでしょう。あれこれ手を広げるより、信頼できる鉄板教材を繰り返し演習して身につける方が良いでしょう。




5.モチベーション維持のために

数学が苦手科目だと、どうしても勉強のモチベーションが下がりがちです。しかし、日々の習慣づけと工夫次第でやる気をキープできます。以下に、苦手な人に試してほしいモチベーションアップ&効率化の方法を紹介します。

5-1.習慣づける

「数学が嫌い…」という人ほど、毎日のルーティンに組み込むことが大切です。例えば「毎日30分は数学演習」と決めてしまいましょう​。

5-2.小さな目標を立てよう

日々の勉強では細かい目標を立てて達成感を得てみましょう​。ポモドーロ・テクニック(25分勉強+5分休憩を繰り返す)を使うのも手です。

5-3.誰かと一緒に頑張ろう

周囲の環境もモチベーションに大きく影響します。学校や塾で一緒に勉強する友人を見つけてください。友達と競い合ったり教え合ったりすることで、「自分もやらなきゃ」と刺激を受けます。

5-4.モチベが下がったら

誰でもスランプや「今日はどうしてもやる気が出ない…」という日があります。そんな時の対処法をいくつか用意しておきましょう。例えば。好きな音楽を10分だけ聞いて気分転換する/参考書ではなくYouTubeの解説動画で勉強してみる/東大キャンパスの写真を見る・合格後の自分を想像する/過去の模試で良かった成績表を見返して自信を取り戻す などです。




6.おわりに

東大文系数学は、確かに難しいですが、合格点を取るのにはそんなに難しくありません。一般的な対策で合格をもぎ取っていきましょう。
私の記事では、時期にあった難易度で、東大数学頻出論点の自作問題解説も積極的にやっていきたいと思っているのでぜひフォローして続報をお待ちください。


あなたへのおすすめ記事


いいなと思ったら応援しよう!