個人事業主がすぐにお金を借りたいときは?新創業融資制度の仕組みとメリット
これから開業を考えていて、運転資金を借りたいと考えている人も多いのではないでしょうか。
設備投資や企業の運営には何かとお金がかかるので、少しでも多く手元に資金を置いておきたいものです。
また、事業を始めて間もない方が、当面の運転資金を確保したい場合もあるしょう。
今回は、すぐにお金を借りたい個人事業主の方のために、「新創業融資制度」を紹介していきます。
個人事業主がお金を借りられる「新創業融資制度」とは?
新創業融資制度は、日本政策金融公庫が管理している融資サービスです。
スタートアップ企業やこれから起業を考えているという個人事業主が、「無担保、無保証」で融資を受けられます。
新規に事業をスタートする準備資金や、開業後の設備投資資金、運転資金に使うことができるので、当面の資金繰りに便利な制度です。
融資の限度額は最大3,000万円で、運転資金はそのうち1,500万円までとなっています。
利率については、日本政策金融公庫が公開している国民生活事業の主要利率一覧表ページをご参照ください。
個人事業主が新創業融資制度を利用する条件
新創業融資制度を利用するためには、次に紹介する3つの条件すべてに該当する必要があります。
では、順番に見ていきましょう。
創業の要件
新規に起業する人や、起業してから2期目の税務申告を終えていない人が対象となっています。
ただし、個人で開業して確定申告を1期行い、翌年法人として1期過ぎていると、通算して扱うため融資を受けられなくなってしまうようです。
そのような場合にどうしても融資を受けたい場合は、中小企業経営力強化資金や、地方自治体が用意している新創業融資制度を検討すると良いでしょう。
雇用創出等の要件
下記のいずれかに該当することが条件となります。
・従業員を雇用する必要のある事業を始める方
・さまざまなニーズに対応するため、工夫を加えた技術やサービスの事業を始める方
・現在勤務している企業と同業種の事業を始める方で、次のどちらかに当てはまる場合
1.現在の勤務先に6年以上継続して勤務している
2.現在の勤務先と同業種に通算6年以上勤務している
・大学や専門学校などで修得したスキルと深く関連のある職種に2年以上継続して勤務しており、その職種と深く関連した業種の事業を始める方(例:大学でプログラミングスキルを学んでからIT起業に2年勤務し、その後IT企業を立ち上げる)
・認定特定創業支援等事業を受けて事業を始める方(産業競争力強化法による)
・認定創業スクール(「地域創業促進支援事業」または「潜在的創業者掘り起こし事業」)から支援を受けて事業を始める方
・公庫が参加する地域の創業支援ネットワークから支援を受けて事業を始める方
・民間金融機関と公庫の協調融資を受けて事業を始める方
・上記のどの要件にも該当しないものの、起業しようとしている企業の事業計画が適切に策定されており、公庫が計画を遂行する能力が十分ある認めた方(ただし、1,000万円を限度とする)
既に開業している場合は、事業を開始する時点で上記のいずれかに該当していれば融資を受けることができます。
もっと詳しく知りたい方は、日本政策公庫のWebページをご参照ください。
自己資金要件
新規で開業する方や、開業後に確定申告を1期も行っていない方は、創業資金の総額の10%以上の自己資金を確認できる状態にしておく必要があります。
自己資金とは、事業のために使われる予定の資金のことです。
事業に使う予定ではない資金は、自己資金には含まれないので注意しましょう。
ただし、「現在勤務している企業と同業種の事業を始める」、「認定特定創業支援等事業を受けて事業を始める(産業競争力強化法による)」のどちらかに該当する場合は、無条件に要件を満たしたものとみなされます。
個人事業主が新創業融資制度を利用するメリット
新創業融資制度には、次のようなメリットがあります。
無担保・無保証で借りられる
最大で3,000万円の融資を無担保・無保証で受けられるのは大きなメリットです。
また、経営者が連帯保証人としてサインしなくても借りられるため、経営者に責任が及ぶことを避けられます。
自己資金が少なくても融資が下りる
他の融資制度と比較しても、必要な自己資金の割合が少ないという特徴があります。
地方自治体などの融資では、50%程度の自己資金を求められる可能性があることを考えれば、とても良心的だといえます。
審査のスピードが速い
審査が速く、申請からおよそ1ヶ月程度で資金が振り込まれるようです。
手元に資金があればできることも増えるので、スピーディーな融資はメリットが大きいと言えるでしょう。
まとめ
ここまで、新創業融資制度について解説してきました。
開業を考えている個人事業主にとって、3,000万円もの資金を一度に借りられるとても心強い制度です。
ぜひ上手く利用して、事業に役立ててみてください。
以下の記事でハローワークで仕事を探しながら貸付する方法について紹介していますので、興味がある人は合わせてご覧ください。