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自粛解除明けに見た映画は、再演のジブリアニメ

【要約】

久しぶりに行った映画館で、久しぶりに見た映画は、子供の頃に上演された超有名作品。しかもアニメ。テレビでは何度か見ていたけれど、映画館では見ていなかったので、見に行ってみた。


1.久しぶりの映画館

映画はそこそこ見る方だと思う。最近見た映画は、「キングダム」「JOKER」「スターウォーズ スカイウォーカーの夜明け」「パラサイト」。マニアではないので、メジャーどころが多い。

見に行って、映画館の広告や予告編を見て、面白そうなのを見つけたら、また見に行くというパターンが多い。

集団感染が発生したと言う話は聞かなかったが、映画館も当然のようにここしばらく営業自粛の対象だった。マニアではないので、なければないで生きていける。でもまあ映画館も困っているだろうし、自粛解除を機会に、興味のわく映画があれば行って見ようと思って、上映情報を見たりしていたが、先週までは特に見たい映画もなかった。

ようやく見たい映画が見つかったので、ついでの用事があった金曜日に、久しぶりに近所のショッピングモールに入ったシネコンを訪れて翌日のチケットを買った。

貼ってあるポスターなどを見て気づいたのは、朝ドラ「スカーレット」でヒロインの息子を演じた伊藤健太郎の名前があちこちにあること。「のぼる小寺さん」、「弱虫ペダル」、「今日から俺は‼︎劇場版」。こういうことって、映画館に来ないと気づきにくいかもしれない。

割といつも空いているそのシネコンで、画面上で席を選ぼうとして、翌日の上演であるにもかかわらず空席が少ないのに一瞬驚いた。だがその規則正しく前まで続く空席情報を見て、すぐに気づいた。最初から1つ飛ばしにしか座れないようになっているのだ。それに気づいて見直すと、すでに埋まっている席は1席だけだった。

1番後ろの真ん中あたりの席を指定した。1番後ろは足元が広いので、割と好きなのだが、他人の飛沫を浴びるのを防ぐ意味でも1番後ろ、1番上に位置する座席は特等席だろう。


2.ジブリが好きなわけではない

若い頃はジブリ映画の人気は鉄壁のものになっていた。いくつかを映画館で見たが、もう10年以上見ていない。歳を取って感性が変わったせいもあるだろうが、何となくワンパターンな気がして、面白いと感じなくなったのだ。

そのジブリ映画のいくつかが再演されると言うニュースは知っていた。そしてその中の1つが、気になった。

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「風の谷のナウシカ」

「木々を愛で 虫と語り 風をまねく鳥の人…」

このキャッチコピーは初めて知った。忘れていたわけではないと思う。なんだよ「鳥の人」って。

確か、「虫めづる姫君」を参考にしたとか言っていたと思う。「ナウシカ」と言う名前は古代ギリシアの二大叙事詩の1つ、オデュッセイアに出てくる「白い腕(かいな)のナウシカァ」から取ったのだろうが、オデュッセイアのナウシカは本当にチョイ役で、全く本作との関連性は感じられない。

まだジブリアニメがそれほど注目されていなかった時代の作品。それでもかなり話題になっていたと思うが、田舎の少年だった私は、それをわざわざ見に行きたいとは思わなかった。映画館は遠かったし、お小遣いは少なかったし、誘う相手もいなかったので、(当時レンタルビデオはそれほどメジャーではなかったが)数年後にはテレビ上映されるであろう、面白いかどうかも分からない映画を、わざわざ見に行く気にもならなかった。

ナウシカを初めて見たのはいつのことか覚えていない。テレビで見たのであることだけは確かだが。なんだかよくわからないと言うのが感想だった。ラストシーンが好きにはなれなかった。ただ、メーヴェという空を飛ぶ乗り物はとても格好よかった。

大学では、映画とかアニメとか美少女のオタクが周囲にチラホラいて、色々と解説をしてくれたが、ナウシカがパンツを履いてるかどうかとか、どうでもいい話が多く、やっぱりよくわからなかった。

そんなナウシカをもう一度見てみようと思ったのは、メーヴェが空を飛ぶシーンを大きな画面で見れば楽しいのではないかと思ったからだ。


3.新鮮!(ネタバレ注意)

おっさんが1人でアニメを見に行くことを、あれこれ思う人もいるだろうが、あまり気にしないことにしている。ナウシカの上演から36年が経過しており、当時映画館で見た人は40代以上だし、子供も連れて来るには大きくなりすぎている可能性が高い。つまり見にくるのは全員中年以上である。

予想どおりの客層、人数は20人くらい。十分に間隔をとって、静かに映画を見ることができた。ただ、1番後ろから見ると、画面が少し小さく感じられて、せっかくのメーヴェの飛行シーンも迫力はイマイチだった。

「風の谷のナウシカ」は、人類自身がもたらした大規模な破壊によって、多くの文明が失われ、汚染が進んだ世界の話だ。一方で、旧文明の遺産らしき、現代にすら存在しないメーヴェのようなハイテクツールもあったりする。ローテクの暮らしの中にハイテクが混ざっている点は、ちょっとスターウォーズの世界と近い。

その異世界の状況を映画では一生懸命説明しているが、何かと複雑で、初めて見ただけではあまり頭に入ってこない。前半、汚染地域で進化増殖した災厄として描かれる腐海と王蟲は、やがてナウシカの目を通して、自然の回復システムであることが解き明かされていくのだが、この展開についていけない。ナウシカの理解が早すぎる。説明するセリフまで早すぎる。

昔見たときにちゃんと理解できていなかったせいか、20年以上見ていなかったせいか、ナウシカは新鮮だった。びっくりするほど忘れていた。私の中で簡略化されていたストーリーは、もう少し複雑だった。お前誰?みたいな人も出てきた。だが概ねその世界が頭に入っているし、その後できた数多の似たような映画のせいで理解力も上がっているので、内容はとてもよく理解できた。

そういうわけで予想外に面白かった。映画でも小説でも芸術作品でもそうだが、歳を取ると、昔面白かった作品を見てつまらないと感じることもある一方で、昔そうでもなかった作品を面白いと感じることもあるので、そういう作品に再チャレンジするのも悪くない。

ラストシーンはやっぱり好きになれなかったけれど。



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