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【F1プレビュー】2023前半戦を振り返る

2023年7月30日に開催されたベルギーGPが終わり、F1グランプリは夏休みに入りました。

この間はチームでの作業は禁止。
ドライバーや関係者のリフレッシュ期間…というよりは、高騰する開発費用を使わせないようにするための施策です。

3月から始まった今年のF1グランプリもこれで折り返し点。
後半戦が始まる前に、前半戦で気になったところを振り返ってみましょう。

全23戦が予定されている2023年。
相変わらず過密日程なF1ですが、5月に開催予定だったエミリア・ロマーニャGPが中止に。

イタリア北部を襲った豪雨の影響で、イモラサーキット付近を流れる川が氾濫。
街に甚大な被害をもたらしました。

日本でもここ数年、梅雨の時期や秋の台風の時期に豪雨が降り、各地に被害が出ています。
しかしこのニュースを聞いて、地球温暖化による環境の変化は日本だけの問題ではないことを痛感しました。
ちょうどその頃行われていたG7(主要7カ国首脳会議)に出席していたイタリアのメローニ首相も、初日のセッションに参加したのみですぐに帰国するほど。

アルファタウリはイタリアのチーム。
チームスタッフと一緒に、浸水してしまった街の泥を掻き出す作業を行った角田の姿がSNSでも紹介されました。

※F1公式ポストより。

※motorsport.comの記事より。

被害に遭われたイタリア北部の皆様。
そして、この記事をアップするタイミングで発生した台風6号で被害に遭われた皆様へ、心よりお見舞い申し上げます。


レッドブルに敵なし!

実を言うと、今年のF1はあまりちゃんと見れていません。
ライブで見てしまうと次の日が辛いし…と言うことで、もっぱらダイジェストで見てしまうのです。

それともうひとつ。
私はどうも、ワンサイドゲームがあまり好きではないのです。

せっかくHONDAのPUを載せたレッドブルのマシンが勝ちまくっているのだから、応援しない訳にはいかないのですが…それでも他を寄せ付けない強さにちょっと冷めてしまっています。

毎戦、さまざまなチームのマシンが勝ち、最後までタイトル争いがわからない状況なら面白いのですが…。

次元が全く違うマシンがレースをしているような感じ。
それぐらい、今のレッドブルにはどのチームも敵わない状況です。

なぜここまで強いのか?
詳しいことは分からないですし、詳細なデータを公開するはずもないので推測になってしまいますが、やはりトータルパッケージの高さでしょうか。

PUが良いだけでも、空力にアドバンテージがあるだけでも、いくらマックス・フェルスタッペンが天才でも、はたまたハンナさんがいくら美麗で天才的な作戦を練っても、それだけでは勝てないのがF1の難しいところ。

昨年のレギュレーション変更からアドバンテージを築き、その良い流れを今年へ持ち込んだ上で、さらに進化も遂げている。
全ての要素が高い次元で融合し、勝ちに結びついているのでしょう。

そして、メルセデスの後塵を拝していた頃に比べて、フェルスタッペンの「強さ」も際立っています。
ほとんどのGPで必ずポールを獲るし、ペナルティでグリッドが降格になってもあれよあれよという間に勝ってしまう。

※レッドブルF1チーム公式ポストより。
他の追随を許さないカーナンバー1。
正にパーフェクト・ハーモニーが奏でる強さ!
タイトル画像はこちらのポストより使用させていただきました。

ベルギーGPでは、開幕戦からチーム12連勝という新記録を打ち立てました。
これは、1988年のマクラーレン・ホンダ以来だそうです。
実に35年の時を経ていますが、どちらもホンダエンジンが成し遂げた快挙なんですね。

1988年は1.5リッターツインターボエンジンのラストイヤー。
レギュレーション変更により、次の年から3.5リッターのNAエンジンに変わる境目の年でした。
あの甲高いエグゾーストノートが特徴的な、V10やV12の大きなエンジンになる前の年ですね。

その年のマクラーレンはロータスからアイルトン・セナを迎え、アラン・プロストとの「ジョイントNo1」体制を敷きます。
そして、「勝利への常套句」ともいうべき、ホンダエンジンも同じ年に獲得。
まさに敵なしの状況でした。
二人の乗るMP4/4は開幕戦から快進撃を続け、二人で挙げた勝利は11勝。
その年、全16戦中15勝という金字塔を打ち立てたのです。

唯一土がついたのが、イタリアGP。
後にマクラーレンでセナのチームメイトになる、地元フェラーリのゲルハルト・ベルガーによる勝利でした。

※HONDA公式サイトより。

今や伝説となったマクラーレン・ホンダ MP4/4をもってしても、年間完全勝利は成し遂げられませんでした。
果たして、レッドブル・ホンダRBPTはシーズン完全勝利を成し遂げることができるでしょうか??

そんな盤石なレッドブル。
「チームが詳細なデータを明かす筈がない」と書きましたが、予想だにしなかった方法でマシンの秘密がリーク(?)されてしまいました。

モナコGPではコース上でペレスがストップ。
マシンを移動させるために高々と吊り上げられた姿が中継に流れ、なんとその影響でフロア部が丸見え!

動画も静止画も残っているので、他チームの空力エンジニアは目を皿のようにして隅々まで見入ったことでしょう。

しかし、当のレッドブル側はクレームのひとつも入れなかったんでしょうか??
それとも、「コピーできるモンならやってみろよ!」と余裕だったのかも。

※autosport webのサイトより
F1公式ポストでも写真がアップされていたと記憶していたのですが…さすがにチームの機密情報が含まれているので、削除したのかもしれませんね。

驚きの躍進!アストンマーティン

レッドブルのチャンピオン獲得はもはや確定事項になりつつある2023年シーズンですが、チャンピオンシップ2位争いが面白くなってきました。

まず驚いたのが、アストンマーティンの躍進でしょう。
シーズン序盤から驚きの速さを見せ、予選ではグリッド上位を次々に獲得。

今年から加入したアロンソが常に上位に食い込む走りを見せ、開幕戦から3戦連続で表彰台に上がったほど。
さすがはチャンピオン獲得経験もあるグレーデッドドライバー。

昨年まで中段争いを続けていたチームが、いきなり上位争いを展開。
誰もが予想しなかった大番狂わせに、ファンは熱狂しました。

チームメイトのランス・ストロールも上位に食い込む成績を残しているところをみると、今年のマシンは大幅な進化を遂げているようです。
それがアロンソにマッチしたのか、速いクルマを与えられればまだまだ上位争いができる事を証明してくれました。

オーナーのローレンス・ストロールがフォース・インディアを買収し、チーム名もレーシングポイントへ。
その上、アストンマーティンを企業ごと買収し、自らのチームをアストンマーティンと変えてしまった。
その一連の流れを見て、「どうせ息子を走らせたいだけでしょ?」ぐらいにしか思っていませんでした。

でも、2026年からのホンダとのタッグ結成のニュースを見て、勝つための取り組みを強化していることを知りました。
新しいファクトリーも建設中なんだとか。

その取り組みが徐々に成績として現れているのは素晴らしい。
ホンダとのタッグも期待が持てます。

※アストンマーティンチームの公式ポストより
バーレーンGPでの躍進が伝わる写真。

このまま今年の台風の目になるか?…と思いきや、夏休み前に失速。
アップデートがうまく機能しなかったのかもしれませんが、ライバルも黙っている訳ではありません。
他のチームもアストンマーティン攻略を虎視眈々と狙っていたのでした。

デザイン一新!復活を目論むメルセデス。

マシンのレギュレーションが大幅に変わった昨年。
新しいマシンの開発が上手くいかなかったのか、毎年チャンピオン争いを繰り広げていたメルセデスがたった1勝にとどまる結果に。

それを受けての2023年。
ゲンを担いだ…のかわかりませんが、昨年シルバーに戻っていたマシンカラーが再びブラックに。
それでも、上位に食い込むのがやっとの状況に変わりはありませんでした。

そしてモナコGPでは、遂に「ゼロサイドポッド」を廃止し、他のチームが採用している幅広なサイドポッドへアップデートされました。

※F1公式ポストより。
崖のようにストンと落ちたサイドポッドのデザイン(左)が、丸みを帯びたデザイン(右)に変わっています。

ようやく廃止となったゼロサイドポッド。
どう見ても、あれはカッコ悪かったですね…。

空気を清流しながらマシン後部へ流す役割のサイドポッド。
どうやら、ドラッグ軽減を狙ってあの形にしたものの、様々な理由からかえってドラッグが増えてしまい、マシンのパフォーマンスアップに繋がらなかったようです。

「哲爺」こと津川哲夫さんが動画でそのように仰られていました。

※津川哲夫のF1グランプリボーイズより。
「哲爺」とはとても親しみやすいニックネームですね。
津川さんは80~90年代にトールマン、ベネトンチームで活躍された元メカニック。
動画を見ていると昔の仲間のお話とかよく出てきて面白いですよね。


アップデートはサイドポッド以外にもあったと思いますが、それが功を奏したのか、好調のアストンマーティンに食いつき、スペインGPではハミルトン、ラッセルが揃って表彰台に上がるまでになりました。

そして、ハンガリーGPではハミルトンがPPを獲得!
初めての開催となった変則予選システムも影響したかもしれませんが、本当に久しぶりな光景でしたね。
メルセデスが最強を誇っていた時期は、いつもハミルトンがPPで飽き飽きしていたのに。

いずれにせよ、何度もチャンピオンに輝く最強チームだったわけですから、このまま黙っている訳ではないでしょう。
後半戦、どのようなレースを見せてくれるのか?

後半戦の台風の目か?マクラーレンの躍進

オーストリアGPで、マクラーレンのノリスが突然の大躍進。
予選やスプリント・シュートアウトで上位を伺う速さを見せました。

でも、チームメイトのピアストリはいつもの位置。
どうやら、ノリスのマシンにだけアップデートが入ったようです。
突然の豹変ぶりに驚きました。

そして、満を持してのイギリスGP。
前戦でノリスにのみ与えられたアップデートがピアストリのマシンにも装備され、2台揃ってレッドブルを脅かす大躍進!

予選は2位ノリス、3位にピアストリ。
決勝はノリスが2位表彰台へ。

続くハンガリーでも続いてノリスが2位。
ベルギーのスプリントレースではピアストリが2位を獲得。
カスタマーチームが本家メルセデスをも喰う大躍進!

さすがは何度もチャンピオンに輝く名門チームだけあります。
地道な開発が身を結んだのでしょうか。
後半戦もこの好調を維持してくれれば、コンストラクターズ争いがより激化して面白くなりそうですね。

※F1公式ポストより。
迫りくるハミルトンをハードタイヤで最後までブロックするノリス。
チャンピオンを抑えての2位表彰台は大殊勲!

※F1公式ポストより。
大躍進にチームの士気も上がります。


ノリスと言えば、表彰台で披露した独特なシャンパンファイトが話題に。
シャンパンの瓶をドーンと床に打ち付けると、注ぎ口から一直線にシャンパンが吹き上がります。
見た目も派手だし、かっこいいですよね。

でも、瓶を打ちつけるところはちょっとよく見たほうがいいかも…。
テンションが上がるのはわかりますが、人のモノを壊してはいけません。

※F1公式ポストより
あのマックスのトロフィー、今後どうなるんでしょう??

気になるチームの後半戦の行方は?

今年はアストンマーティンのシーズンか?と思いきや、各チーム次々とアップデートを入れてきて、活躍するチームが次々と変わります。
アップデートが奏功したチームもあれば、あまり上手くいかなかったチームもあるでしょう。

上位争いも面白いですが、それ以外で気になったチームといえば、やはりウィリアムズでしょう。

いつも最下位争いをしていたウィリアムズでしたが、今年はなんと開幕戦からアルボンがポイントを獲得。
その後もポイント争いに加わるようになりました。

ルーキーのサージェントにとっては難しい環境かもしれませんが、経験豊富なアルボンはしっかり結果を出しています。
でも、アルボンに合ったマシンなのか?と思いきや、サージェントも中段争いに加わることもあります。

つまり、マシンが進化しているのです。
チームの変革も進んでいるようなので、後半戦の活躍にも期待ですね。

※ウィリアムズチーム公式ポストより。
なんと!アルボンがフェラーリのサインツをオーバーテイク!
シルバーストンで大殊勲の8位入賞!

逆に目立った成績を上げられていないのがフェラーリ。
チーム代表がマッティア・ビノットからフレデリック・バスールに変わった今シーズン。
マシン開発や作戦面で変化があるか?と思いきや、ぱっと見いつもと変わらないような…。

各チームともアップデートに成功し、急に成績を上げてきているだけあって、停滞してしまうとどんどん目立たなくなってしまいます。
後半戦、大きな巻き返しはあるのでしょうか?

迷走!?アルファタウリ

さて、我らが角田裕毅を擁するアルファタウリ。
2023年はF1ファンなら誰もがやきもきしているでしょう。

春のテストからマシンが思ったような戦闘力を発揮できず、昨年に比べても下位を走る姿ばかりが目立つようになりました。

どうやら、マシンがかなりセンシティブなようで、制御に苦労しているようです。
第3期ホンダワークスでも同じような事を言っていたような気もしますが…。

そんな中でも気を吐いているのが角田。
不調のマシンをねじ伏せ、オーストラリア、アゼルバイジャン、そしてベルギーで10位入賞。
それ以外のレースでも、ポイントにあと一歩届かぬ11位だったレースもありました。

競争力のないマシンでも自身のペースをキープし、タイヤを労わりながら上位を狙う走りがしっかりできている今年の角田。
F1に2年乗ってきた経験と、チームとのコミュニケーションが上手くいっているのだと思います。

そんな走りに周囲の評価もうなぎ上り。
早くも将来を期待する話がちらほら出てきています。

好調な角田に対して、今年からチームメイトになったニック・デ・フリースには試練の年となってしまいました。
扱いが難しいマシンに手こずり、チームメイトの角田に全く歯が立ちません。

F2やフォーミュラEでチャンピオンに輝きながらも、すぐにF1のシートを得られず、テストの経験はあってもレースは昨年のイタリアGPのみなわけですから、無理もありません。

そうこうしているうちに、他のチームに先を越され、アルファタウリはいつの間にかコンストラクターズ選手権最下位になってしまいました。

ここでチームが決断を下します。
不調のデ・フリースに代わって、ハンガリーGPからレッドブルのリザーブドライバーを務めるベテラン、ダニエル・リカルドを乗せると発表したのです。

※autsport webのニュースページより


リカルドは昨年までマクラーレンに所属していましたが、チームがピアストリと契約したのを機にチームを離れることに。
結局その後もレギュラーシートを得ることなく、出戻りという形でレッドブルに帰ってきていたのでした。

リザーブとは言え、優勝経験もあるトップドライバーに変わりはありません。
ハンガリーでは早速角田を予選、決勝共に上回って見せました。

リカルドの後半戦の走りにも注目ですし、優勝経験もあるベテランと組むことになった角田への影響にも注目。
トップドライバーから得ることは多いと思うので、さらにいい経験を積んでほしいと思います。

ただ、個人的にはもう少しデ・フリースにもチャンスを与えて欲しかったなと思っています。

昨年のイタリアGPでセンセーショナルな走りを見せたものの、フルシーズンを戦うのは初めて。
マシンへの理解が進み、アップデートがうまくいけばよりよい成績にも繋がった可能性はあります。

ただ、レッドブルグループの急なドライバー変更は今に始まったことではありません。
過去にも悔し涙を飲んだドライバーはたくさんいますが、そこは結果が全ての厳しい世界。
さらに、チームがチャンピオンシップ最下位に落ちてしまっては、早急にテコ入れが必要なのは明白です。

デ・フリースの今後の成功を祈っています。
なんなら、ホンダを頼って日本に来るってのもいいかもしれませんよ?
スーパーフォーミュラや新しいGT500のシビックTYPE Rに乗る姿を見せてくれれば、日本のファンは喜んで迎えてくれると思います。

レッドブル陣営の今後は?

アルファタウリは、レッドブルのジュニアチームであることはファンならお馴染み。

アンダーカテゴリーから才能ある若手を見いだし、最初にF1に乗せるのがアルファタウリ。
そこで結果を出せば、常にチャンピオン争いを繰り広げるレッドブルへ「昇格」できます。
逆にそこで結果を出せないと、すぐに次の若手にチャンスが与えられます。
そうやってチームは代謝を繰り返してきました。

そんな中で前述の通り実力をぐんぐん伸ばし、今やF1界注目の的なのが角田祐毅。
「レッドブル昇格間違いなし!?」と各メディアから言われていますし、もしそうなったら本当に楽しみです。

ただ、早合点は禁物。
冷静に申し上げて、来年のレッドブルのシートはフェルスタッペンとペレスで確定です。
ふたりとも契約があるのですから。

ただ、どうなるかわからないのがこの世界。
ペレスの成績が振るわないから…という事も過去のレッドブルの動向からして予想はできますが、あまり現実的ではありません。
でも、何らかの理由で二人のいずれかがレースに出られない事態になると、角田にもチャンスが巡ってくる可能性はあります。

それ以上に、ペレスの契約は2024年までですから、今年の後半戦と来年に目覚ましい成績を上げれば、自然とレッドブル昇格の道筋が見えてくるはずです。

それとは別に「2026年からアストンマーティンか?」という声もチラホラ。
それは、彼がホンダのサポートを受けてF1まで駆け上がったからに他なりません。

でも、現在角田はレッドブルと契約しています。
「ホンダが角田をアルファタウリに乗せている」という訳ではありません。

ただ、2026年にレッドブルが急にフォードの息がかかったドライバーを乗せるかもしれない。
そうなると、ホンダがアストンマーティンに頼んで角田を乗せる、といった考え方も出来なくもない訳で…。

どんどん妄想が膨らむ話ではありますが、まずは今の好調をキープできれば、早ければまずは2025年にレッドブル昇格が見えてくるでしょう。
そこでも安定的な実力を示せれば、今度はレッドブル側が角田を離さないでしょうし。

いずれにせよ、3年も先の話なのでいろんな憶測ができるのですが、正直その時になってみないとわからない話です。
今は、アルファタウリの角田を応援することが大事なのではないかと思います。

その上で、将来レッドブルに乗る角田の姿が見たい!
焦りは禁物。じっくり見守りながら応援しましょう。

となると、角田が来年アルファタウリのシートに収まるのはほぼ確定かと思いますが、突然代役に抜擢されたリカルドも来年はどうなるかわかりません。

じゃあ、来年角田のチームメイトになるのは誰か?
ペレスやデ・フリースの例外はありましたが、基本的にレッドブルはジュニアチームから優秀な成績を上げたドライバーを昇格させます。

F1直下のカテゴリー、F2。
そこで気を吐くレッドブルドライバーと言えば、我らが岩佐歩夢。
2023年はフィーチャーレースでもスプリントレースでも勝ち、着実にポイントを重ねて現在ランキング3位。
このまま行けばスーパーライセンスを獲得できます。

彼は非常にクレバーなレースができるドライバー。
ホンダレーシングスクール鈴鹿のスカラシップを獲得した時、校長の佐藤琢磨さんと副校長の中野信治さんが声をそろえて「歩夢はすぐにヨーロッパで走らせた方がいい」と言ったほど。

今年のF2はあと3戦を残すのみですが、このままランキングを維持できれば、若しくはランキングを上げてチャンピオンになれれば、将来F1への昇格が期待できます。

※motorsports.comの記事より。
岩佐へのインタビューを含む、2023年6月現在の紹介記事。

F2で活躍する若手の急先鋒は岩佐ですが、注目を集めるドライバーがもう一人。
2022年のF2ランキング3位で、現在日本のスーパーフォーミュラで活躍するリアム・ローソン。

ニュージーランド出身のローソン。
既にスーパーライセンスを持っているのですが、レッドブルは彼をすぐにF1に昇格させず、日本に送り込みました。

かつてF2でチャンピオンを獲りながらもF1のシートがなく、次の年日本でチャンピオン争いを演じたピエール・ガスリーのような結果を期待しているのでしょう。

その期待に応え、ローソンは序盤から強さを発揮。

F1ほどパワーはありませんが、車体が軽くコーナリングスピードはF1をも凌ぐと言われているスーパーフォーミュラ。
慣れない日本のサーキット。周りは鈴鹿や富士だけでなく、菅生やオートポリス、岡山国際サーキットをも知り尽くしているトップドライバーばかり。

F1をよく知る小林可夢偉や、アルファタウリの前身、トロロッソでフリー走行を担当した経験もある山本尚貴らベテランも顔を揃えます。
さらに、長年F2を経験してきた松下信治、ル・マンウィナーの平川亮など、ヨーロッパを知るドライバーも多数。
それ以上に、トヨタ、ホンダが育成してきた若手も実力をいかんなく発揮し、毎戦トップ争いはし烈を極めます。

※スーパーフォーミュラ公式サイト。
今や世界のファンにも認知度が高い人気カテゴリー。

決して簡単に勝たせてはもらえないレース。
その中で毎戦上位を伺い、第4戦オートポリスと第6戦富士で優勝。
ヨーロッパの若手トップドライバーの実力を見せつけています。

このままスーパーフォーミュラのチャンピオンを獲得すれば、レッドブルもその実力を認めざるを得ないでしょうし、F1昇格に一歩近づきます。

※topnewsの記事より。
2023年8月時点での、インタビューを含むローソンの紹介記事。

今のところどうなるかはわかりませんが、事実上アルファタウリの残りシートがひとつ、となると、そこに座るのは岩佐か?ローソンか?という選択肢になるでしょう。

もし角田と岩佐がチームメイトになったら面白いですね。
日本人のみのラインナップは、2006年のスーパーアグリ以来となります。
可能性は必ずしも低くないとは思いますが、今から来年以降のドライバーラインナップも楽しみになってきますね。

※autosport webの記事より。
第4期F1の代表を務めた山本雅史氏のインタビュー。
角田、岩佐の成長を喜び、さらなる期待を寄せています。

来年の鈴鹿は桜の季節に

最後に、来年の日本GPのお話を。
2024年のカレンダーが発表され、日本GPは4月に開催されることになりました。

※F1公式ポストより。

これには賛否両論ありましたが、私はこの決定には大賛成です。

その一番の理由は、気候の変化。
鈴鹿初開催となった1987年と現在とは、明らかに気候が大きく変化しています。

元々秋は秋雨と台風の季節。
1987年以降はドライコンディションでのレースがほとんどだったものの、雨で予選がめちゃくちゃになったり、台風の接近で予選が日曜日の朝に開催されたこともありました。

記憶に新しい2022年。
晴れたのは予選の1日のみ。決勝も大雨の中開催され、長い中断時間を挟んでようやくレースが成立したほどでした。

そして忘れてはならないのが2014年。
雨の中のレースで、ジュール・ビアンキが最終コーナーでスピン。
ランオフエリアの重機にぶつかり、その後帰らぬ人となりました。
この事故をきっかけに、VSCの導入を始めとするレース運営における安全性の強化に繋がりました。

恐らく主催側もその事を憂慮していたと思います。
雨が多く、台風接近の懸念がある秋より、もっと天候のよい時期にレースを行った方がいいに決まっています。

せっかく世界最高峰のレースが見れるのですから、よく晴れた空の下でレースをしてほしい。
チャンピオン争いの天王山が見られる可能性は無くなりましたが、ドライコンディションでのレースがより多く見る事ができるのは喜ばしいことです。

それに、時季が変わっても日本のF1ファンの熱い応援は変わらないでしょう。
しかも4月上旬ですから、ギリギリ桜が残る季節。
本当は満開の桜が楽しめる時期に来てほしいですが、GP関係者の皆さんにも日本の桜の季節を味わってほしいですね。

さらにその前週。
遂に、日本にフォーミュラEがやってくることが発表されました!

※フォーミュラE 公式ポストより
日本のファンに向けて、日本語でポストしてくれました!

舞台は東京お台場~有明エリア。
家の事情で普段から遠出ができないのですが、都内なら見に行く事ができます。
しかもFEはワンデー開催なので、一日中楽しむことができて、日帰りもできる。

場所も昔から好きで何度も足を運んだお台場。
慣れ親しんだ場所で、世界最高峰のレースが堪能できる!
今からチケット発売が待ち遠しいです!

おわりに

久々のF1記事でしたが、いかがでしたでしょうか?
相変わらず長くなってしまいましたが、最後までお付き合い頂きありがとうございます。

もうちょっとしっかり見て記事を書ければよかったのですが、おおまかな前半戦の振り返りと、後半に向けての見どころは語れたと思います。

後半戦楽しみなのは、コンストラクターズ2位争い。
アストンマーティンが元気を取り戻すのか?常勝メルセデスが復活するのか?

そして我らが角田の活躍。
レッドブル首脳を唸らせるような活躍を見せて、レッドブル昇格の可能性を見せてほしい!

後半戦は8/25のオランダGPから。
そして9/22~24には鈴鹿にF1が帰ってきます。
今年はドライコンディションで素晴らしいレースを見せてほしいですね。

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