母のことは嫌いではない。かといって好きとは言えない。苦手が一番近いかもしれない。やっぱり嫌いなのかもしれない。母に対する思いを言語化するのは非常に難しい。
私は第一子として生まれ、乳児期から深刻なアトピー、アレルギー、喘息があったので、幼少期は相当慎重に、可愛がられて育ったんじゃないかとは思う。母は手書きの育児日記を、私が4〜5歳になるまで書き続けており、大事にされていたのだろうということは分かっている。
両親共働きだったため、母方祖父母宅から幼稚園に通うような生活をしていた。土日も祖父母宅に行くことが多かったような気がする。
嫌だったのが、私のいる前で、私についての話を母が祖母にすることだった。例えば幼稚園でこんなことがあったらしい、とか。家でこんなことをしでかした、とか。母にとっては愚痴か、愚痴にも至らないような日常生活報告だったのだろうが、自分について話されているのは聞けば分かったし、内容的に悪口を言われているように感じたので、何度も何度も「私のいる前で、私の話をしないでほしい」「悪口言われてるみたいで嫌だから、私のいないところで私の話をしてほしい」と母に伝えた。
でも母はやめなかった。その場では「そっか」「いやなのね」「分かった分かった」などと答えてはいたような気がする。「あっそ!」も多かった。
そうだ!相槌の「あっそ!」も嫌でやめて欲しいと何度も言ったのに、やめてくれなかったことも思い出した!!トーンは明るいけど、つきはなしているように聞こえる、興味ないみたいに聞こえるから、「そうなんだ」とか、せめて「あらそう」と言ってほしいとなんっども言った。それすら「あっそ!」と返されたこともあったかもしれない。
「今日こんなことがあってね」なんていう、よくある報告や、「こう思った」「これが好き」みたいな、親に受け止めて欲しい気持ちを一生懸命話して、「あっそ!」と言われて、何度怒ったか分からない。
思い出すだけでいまだにムカムカしてくる。幼稚園生だから分からないだろうと思っているのかもしれないけど、ちゃんと分かるんだから。
とも、言った記憶がある。
当時、下に見る、見下すという意味での「舐められている」という語彙は持っていなかったが、子どもだと思って舐められてるんだなという感覚はあった。こんなに嫌だと言っているのに取り合ってもらえない、本気にしてもらえないことへの怒りがあった。
ただそれ以外のことでは、夜寝る前に絵本を読み聞かせてくれたり、夜中ふとトイレに行きたくて目が覚めるとすぐに起きてくれたり、ほかにも覚えていない良い関わりもたくさんあったんだと思う。
それでも結局覚えてないんだから、そういうことなんだろう。