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デザインに興味を持って変わったこと
こんにちはシフカ有坂です。
私たちは日々多くのデザインに囲まれて生活しています。スマートフォンのアプリや駅の案内表示、商品のパッケージ、さらには使い慣れた家具や文房具に至るまで、身の回りには数えきれないほどのデザインが存在していますが、普段それを詳しく意識することはあまりないかもしれません。しかし、一度デザインに興味を持ち、その魅力に気づくと世界の見方が変わることがあります。今回は、私がデザインに興味を持つようになったきっかけや、そこから感じたデザインの魅力についてお話ししたいと思います。
デザインに興味を持ったきっかけって?
私は小さい頃から、可愛い雑貨や文房具、ゲームなどが大好きでした。そんな私がデザインに興味を持つようになったきっかけは、小学校の国語の授業でユニバーサルデザインを知ったことです。国語の教科書にユニバーサルデザインが取り上げられており、その中で初めてその概念を学びました。(詳しい内容はあまり覚えていませんが…)教科書ではユニバーサルデザインの意味や、日常生活における使用例が紹介されていて、身の回りにある多くのものが実はユニバーサルデザインだと知り、驚いたことを覚えています。
当時、デザインについて知識は全くありませんでしたがユニバーサルデザインの「誰にでも優しいデザイン」というところに強く惹かれたことを覚えています。また、それまでデザインというと、見た目の美しさを追求するものだというイメージを持っていたのですが、日常的に使っているものも「デザイン」と呼ぶのだということを知り、印象に残っています。
これがきっかけとなったこともあって、私はデザインについて興味を持ちました。チラシ広告やお菓子のパッケージ、持ちやすいペン、左利きの人にも優しいハサミ、街中にあるスロープなどのユニバーサルデザインを見ることが好きで楽しく感じるようになりました。
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詳しく学んでみて、さらに変わったこと
月日が流れ、進路を選ぶ段階になったとき、どの大学に進もうか悩みましたが最終的に「将来はデザインの仕事がしたい」と強く思い、グラフィックデザインが学べる大学に進学することを決めました。
大学生活は本当に忙しく、大変な日々でした。私はデザインを1から学び始めたため、授業で出される課題についていくのに精一杯で、同級生の作品のレベルに驚かされることも多々ありました。それでも、なんとかやっていくしかないという気持ちで制作に取り組んでいました。苦労は多かったものの、やはり手を動かして何かを作るということは自分にとって非常に楽しいことでした。特に、アイデアを出すことが最も難しく(これは今でも変わりません)、そのために日常の中で「いいな」と思ったものは写真に撮ったり、メモに残したりするように心がけるようになりました。
そんな中で、第2の大きなきっかけとなったのが、VI(ビジュアル・アイデンティティ)の授業でした。この授業では、「六本木に建てる美術館のロゴと、そこで販売されるグッズをデザインしてください」という課題が出されました。最初に配られたコンセプトシートに基づいて、イメージボードを作成する必要がありました。ターゲット、場所、コンセプト、展示内容など、細かい設定をひとつひとつ決めていく作業は初めての経験でした。
設定を考える際、まずは六本木がどんな街で、どんな人が多く訪れるのかを知るため、実際に現地に足を運び調査を行いました。その結果「六本木にはオフィスが多く、特に休憩場所が人で溢れている」ということがわかりました。そこでコンセプトを「オフィスで働く女性が息抜きに来られる美術館」、ターゲットを20〜30代の働く女性に設定し、デザインを進めていきました。例えば、20〜30代の女性に好まれる優しい色合いを使用したり、ロゴには「休息」を感じさせるモチーフを取り入れたりするなど、具体的な方向性が見えてきました。
この授業をきっかけに、どんなデザインをするにしても「誰のために、何のために作るのか」という視点を常に意識するようになり、どんなデザインにも制作者の意図や目的が背後に存在することを体験を通して深く実感しました。またそれに加えコンセプトやターゲットを明確にすることで、自分自身のアイデアも出しやすくなり、より良いものを作れるということも学びました。
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そして今、実際に仕事にしてみて変わったこと
そして現在、デザインを実際に仕事にするようになり、さらに一歩踏み込んだ見方ができるようになったと感じています。例えば、「お客さんは何を求めているのだろう?」「自分の考えをどのように伝えたら理解してもらえるだろう?」といったことを常に意識するようになり、デザインの方向性を汲み取る力であったりそれを伝える力が必要だと感じています。
学生時代に学んだ「コンセプトやターゲットを定めることの重要性」に加えて、実際の仕事では「お客さんの意図を汲み取る力」の重要性に気づかされました。これは、業務でお客さんのプレゼン用の資料や画像を作成する過程を目にしたことで学んだことです。日々、会議や打ち合わせでお客さんと話す中でお客さんが伝えたいことを的確に表現するためには、相手の意図を正確に汲み取り、デザインの方向性を確認しながら進めることが不可欠です。また、こうしたやり取りを通じて、デザインにおけるコミュニケーション力の重要性も強く意識するようになりました。
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終わりに
ここまで、デザインに興味を持って変わったことについて紹介してきました。ここで私が一番伝えたいのは、普段何気なく見ているものを一歩踏み込んで見てみることで、新しい発見があるかもしれないということです。「どうしてこの色なんだろう?」とか「このコップの持ちやすさは、この形によるものなんだなあ」といった小さな気づきから、デザインの面白さが広がります。デザインは、単に形を作るだけではなく、背後にある意図や目的、その工夫に気づいた瞬間にも、大きな楽しさを感じることができると思います。また、そうした発見を通してあなたの好きなものがさらに増えるかもしれません。私自身、これからもいろいろな経験を積みながら楽しんで制作を続けていきたいです。