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正しい「バスクチーズケーキ」の条件!シンプルで簡単な本場のバスクチーズケーキ

今回の話題はバスクチーズケーキです。物申したい。

最初は時々スペイン料理屋さんやスペインバルで見かけるだけでしたが、ケーキ屋さんで販売されるようになり、コンビニ、スーパーに広がり今や薬局でも見かけるようになりました。もう誰でも知ってるね。

ニューヨークスタイルのチーズケーキを押しのけて広まったバスクチーズケーキ。ですが、日本で私達が食べている、見かけるのは本当にバスクチーズケーキなの?と疑問を抱いたことはないでしょうか。

たくさん販売されていますが、スペインオタク的には「本物のバスクチーズケーキやー!!」というものもあれば、普通のチーズケーキもある。おいしいけれど、なんでわざわざバスクって名前付けたん?

バスクチーズケーキって一体なに?どこから来たの?どんなものが正解なの?スペインオタク的「バスクチーズケーキ」に迫ります。バモス!


スペインに「バスクチーズケーキ」は存在しない!?

バスクチーズケーキ、バスク風チーズケーキ・・・。日本では一般的になったこの呼称、実はスペインでは一般的ではありません。新聞やレシピサイトでは見かけますが、現地のお店ではほぼ見ない。

スペイン語でチーズケーキの事をTarta de quesoタルタ デ ケソと呼びます。タルタがケーキ類全般を指すスペイン語で、ケソはチーズという意味。そのままですね。

スペインで見かけるチーズケーキは通常このタルタ・デ・ケソという名前が使われ、「バスク」という単語は追加されません。

本場バスクのバルやレストラン、発祥のお店であってもTarta de queso Vascaタルタ デ ケソ バスカ(バスク風チーズケーキ)という名称ではなく、チーズケーキと呼ばれるのが一般的です。お店の人たちもわざわざ「バスク風」という言い方はしない。

「バスク風」という名称は、世界に広がるにつれて後付けされたものだと考えて良いと思います。まあ、バスクで「バスクチーズケーキ」もおかしいもんね。

バスクチーズケーキの発祥

バスクチーズケーキの発祥はバスクの旧市街にあるバルLa Viñaラ・ヴィーニャです。超有名店ですね!世界中のメディアで取り上げられていて、いつ行っても満員の人気店です。

ラ・ヴィーニャは一見普通のバルです。広くもない、普通のバル。地元の人も多いけれど、圧倒的に観光客が多い。そしてその観光の方々の目的はバスクチーズケーキです。

ラ・ヴィーニャは1959年オープン、チーズケーキは30年前に登場。チーズケーキ自体はバスクの料理ではありませんが、おいしいレシピが出来たから出してみたら人気となり、2000年代に始まったピンチョスツアーによって世界中に広まったそうです。

オタク的「バスクチーズケーキ」の条件

ラ・ヴィーニャの大量のチーズケーキ

私は「スペイン」「スペイン風」という言葉に弱い。同じく「バスク」「バスク風」にも弱く、名前が付いたものを見つけたら欲しくなくても買ってしまう癖があります。

しかし、バスクチーズケーキがこれだけ広まった今「名前だけ」のバスクチーズケーキが結構あるんです。多くは普通のおいしいベイクドチーズケーキ。

スペインが好き、バスクが好きだからこそこだわりたい。「バスク」チーズケーキの条件は・・・。

上がしっかり焦げている

まずバスクチーズケーキの一番大きな特徴は、ケーキの上表面がしっかりと焦げていること。なんなら真っ黒でもいいくらいです。

バスクチーズケーキは、普通のベイクドチーズケーキよりも焼成温度が高いのが特徴です。ベイクドチーズケーキは170℃くらい、バスクチーズケーキは200℃前後で焼き上げるのがもともとのレシピとされています。

高い温度で表面を焼き上げることで、ほろ苦いキャラメルの風味が加わる。表面が白い、黄色いタイプはバスクチーズケーキとは呼べません!

中が柔らかい

めちゃくちゃおいしいよ

高い温度で表面をしっかり焼き上げられ、中はクリームくらい柔らかいのもおいしいバスクチーズケーキの条件です。

バスクチーズケーキはクリームチーズに対して卵の量が多く、薄力粉の量は少ない。ゆるい液体状の生地を一気に焼き上げるので食感は柔らかく、クリーム状が理想です。

発祥のお店、ラ・ヴィーニャのチーズケーキも柔らかく、フォークでは食べられません。スプーンですくって食べるんです。ケーキというよりもプリンのような食感。

中央が凹んでいる

フチが高い

平らにきれいに焼き上がった方が良さそうなものですが、正しいバスクチーズケーキは中央がぐっと凹んでいるもの。これは薄力粉の量が少ないから起こる現象なんだそうです。

ラ・ヴィーニャのレシピはクリームチーズ1キロに対して薄力粉はたったの大さじ1杯のみ!薄力粉はほとんど入れず、ベーキングパウダーも入らないので中央が凹むのが正解なんです。

見た目はちょっとブサイクですが、余計な粉が入らないので濃いチーズの風味を楽しめるのがバスクチーズケーキのおいしさの秘密。

材料はシンプル

日本では抹茶味、チョコ味など様々なバスクチーズケーキがありますが、スペインのチーズケーキはとてもシンプル。バニラビーンズやレモンなど、ベーシックな風味付けもされません。

材料はクリームチーズ、砂糖、生クリーム、卵、薄力粉のみ!ラ・ヴィーニャのチーズケーキを再現するにはこれだけで十分です。

土台はいらない

タルト台はいらない

タルトやクッキーなどを土台として敷かれているものがありますが、これもナシ。土台はいりません!!!

バスクチーズケーキは上から下まで全部同じ生地。どこを食べてもチーズ、チーズ、チーズです。ほんのりとしたカラメルの風味とチーズ味だけが王道。

甘いクッキーやタルト台はチーズの風味を妨げるので、バスクチーズケーキの場合はナシ。土台があるのはニューヨークチーズケーキなんだそうです。

発祥のお店、ラ・ヴィーニャのレシピ

ラ・ヴィーニャのバスクチーズケーキはレシピが公開されています。シンプルで簡単、混ぜるだけでおいしいチーズケーキが食べられるのでぜひお試しください。

【材料/1ホール分(直径24センチ)】

クリームチーズ・・・1キロ
生クリーム・・・500ml
薄力粉・・・大さじ1
全卵・・・7個
グラニュー糖・・・400グラム

①オーブンを上下200℃で予熱する
②クリームチーズを柔らかくして、均一によく混ぜる
③グラニュー糖を加えてよく混ぜる(2,3分)
④生クリームを少しずつ加えながら混ぜる
⑤卵を入れ、よく混ぜる。ダマにならないよう1つずつ入れる
⑥卵をすべて入れたら、薄力粉をふるい入れる
⑦キッチンペーパーを敷いた型に流し入れ、40分から50分焼く。
クリーム状が好きな方は40分、ちょっとしっかりしたい方は50分焼くのがおすすめ。完成!よく冷やして召し上がれ!

混ぜるだけ。簡単でしょ!

バスクチーズケーキをお試しあれ

ラ・ヴィーニャは賞も取ってるよ

濃厚なチーズと柔らか食感がおいしいバスクチーズケーキ。材料もシンプルで作るのも簡単です。家でもあっという間に本物のバスクチーズケーキが食べられます。

まあ、日本の進化したバスクチーズケーキも十分おいしいですけどね。抹茶味のバスクチーズケーキとかスペインには存在しないので、日本ならではだし。私うるさいね笑。

ちゃんとしたバスクチーズケーキ食べたいけれどスペインちょっと遠いわという方も、ラ・ヴィーニャの味をまた味わいたい方も、ぜひお家で作ってみてください!

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