全力でドセ&パクリ君を応援しました(ふりかえり卵巣がん日記 #64)
さてさて、入院での抗がん剤投与初回。「薬が効いている!」のイメトレ話の続きです。
うちわで応援!
『サイモントン療法』の本には
「〈治療ががんだけにきちんと作用し、正常細胞は傷つけない〉というイメージが化学療法の副作用のコントロールに有効」とも書かれていました。
なるほどね〜と、さっそくこれを採用です。さらに盛り上げ要素を少しプラスして「正常細胞(普通細胞)も抗がん剤を応援して歓迎してる!」とイメージするようにしました。いや、ほんとは細胞にもダメージを与えちゃうのは分かってますよ、だから脱毛したりもするんだけど...ま、それはそれとして。点滴中はそう信じるようにしました。
(あと、私の場合の抗がん剤は再発予防目的の「念のため」なので、じっさい体にがん細胞の生き残りがいるのか?も不明、あいまいですが、このあたりも適当に「隅っこにちょこっと居た、ほっといても消えちゃうヤツ」みたいに状況設定しました)
本には「自分のやり方、イメージしやすい方法で」とありました。じゃあ私は映像でやろうかな...薬も正常細胞もがん細胞も、キャラクターとして捉えて、それらを頭の中であれこれ動かしました。
たとえばこんなふうに。投与前日に「病気ノート」に落書きしたのがこんな場面でした。(人様にお見せすると思わなかったので、私しか読めない字ですみません...)
ブルーが免疫細胞、オレンジが抗がん剤、ピンクが正常細胞、黒いモニョモニョとしたのががん細胞です。
免疫細胞と抗がん剤が手を取り合って、がん細胞をやっつけてる様子ですね。
あと、正常細胞がジャニーズのコンサートよろしく「I love D(ドセタキセル)&P(パクリタキセル)」「最高!」などと書かれたうちわを持って、抗がん剤を応援してるシーンなんかも。スタジアムいっぱいの観客が正常細胞で、抗がん剤が入場するといっせいの大歓声...「キャー!ドセくん!」「パクリタクセル、やぱい!!」とか(笑)
かつてジャニーズアイドルに熱をあげてコンサートにもずいぶん熱心に通った私。ここでその経験が生きるとは...何がいつどこで役立つか、わからないモンですね。
この時は、細胞も薬も、丸いゼリービーンズみたいな形をイメージしましたが、この後治療を続ける間に、まんが『はたらく細胞』と出会ったことで、私のイメージ内の細胞くんたちのキャラクターも少しずつ進化していきました。『はたらく細胞』がすごく勉強になった!もふくめて、これはまた追ってお話します。
自分でイメージする以外にも『サイモントン療養』に付いていたメディテーションCDをiPodに入れて、それも聞きました。CDと一緒に呼吸をゆっくり整えて、心と体をリラクッスさせるような内容です。ヨガDVDの最後にある瞑想タイムみたいな内容ですね。
「iPod聞かなきゃ、イメージもがんばろう!」と忙しかったので(笑)、点滴が終るまであっという間でした。
「まぁ、あまり身構えずに」
スムーズに全行程終りましたが、その後ベッドで1人になった時はちょっとそわそわ、緊張しました。点滴の針は抜かずに残っているし...こういうもんなんですね、この後何かあった時のために針を残しておくっていう。痛みは無いし、針が刺さってる部分はしっかり保護されていて見えないし、腕ごとネット状のもので包まれているから怖さはないけれど、気にはなります。この後も無事に経過しますように...
なにか読もうとベッドの頭を起こして、なんとなく本をパラパラめくってた時に、A先生と、昨日薬の説明をしてくれたサブドクターのP先生が「いかがですか?」と様子を見に来てくれました。
はい、大丈夫です〜と答えましたが、どうやら気が張ってる様子が伝わったようで、A先生は「うん、まぁあまり身構えないで。何かあればいつでも言ってください」と。いつものゆったりした口調で言われて、少し緊張が解けました。そうとうカチコチになってたみたいですね、私。
でもおかげさまで、この後もアレルギー症状も起こらず、具合も悪くならず。夕食もふつうに食べられました。ホッ...。母には電話で、脱毛先輩のNさんにもLINEで「無事に初回が終わりました」と報告しました。Nさんは「問題なくスムーズに終わり何よりです、本当に!無理せずにね」と。やはり入院中のメッセージのやりとりは、いつも以上に心に響きます。(つづく)