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主のたたり(実話)⑦家路

全ての行事が終わり主を待った手が匂う。
手を洗おう。
バシャバシャと目の前に主を見ながら手を洗った。
臭いをかいでみた、、
すると凹みの中央にウキのように半分水面から浮いた主の所に長さ20センチくらいの岩魚が1匹現れ主のまわりをグルグルと、しかもゆっくりと泳ぐ。
嘘だろ。そんな馬鹿な。

岩魚(いわな)

そんな訳ない。岩魚は字の通り岩影に身を潜め凄い勢いで泳ぐ渓流魚だ。
ゆっくり、しかも主のまわりをグルグル泳ぐはずない。
その岩魚は2.3周した。
それを眺めていた時その水面は鏡のように光り岩魚も今まで見えていた底の落ち葉も何も見えないようになった。
冷静に身の角度を変えたりしたが水中は二度と見えなくなった。
何がなんだかわからなくなり大雨の中、私は車に戻った。

⑧に続く

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