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主のたたり(実話)②喜び
30代、私は仕事で日帰りの東京出張を命じられ往復の切符代を預かった。
しかし自然好きな私にとっては都会は耐え難く、マイカーで東京に行き仕事終えて信州に向かった。
目的は新規の渓流釣りの川を探すためだ。
偶然理想の川を見つけ後日行くと岩魚やアマゴが良く釣れ、いつ間にか私はその渓の常連になっていた。
金曜日の仕事が終われば夜出発し日曜日に帰るパターンを繰り返していたある日、嫁が「私も行く所に連れてって」。
私は気持ち良く了解し子供3人計5人で6月の梅雨時期に信州のA川に行った。
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幸いに晴れてテントを設置しコーヒーを飲んでいると中年の男性が現れた。
どうもナンバープレートを見たらしく、「近江の国では何センチが釣れるんや?」
私「最高は28センチのアマゴです」と言うと「ここら辺では30センチ以下は笑われるぞ」
へ?
私「最高何センチなんですか?」
「わしの最高は46センチや!」
ええっ、46センチ⁉︎
40センチ以上は聞いたこともない私には衝撃的だった。
やがてその男性は「先にやってええか」といい残して渓に入って行った。
やがて数分で帰ってこられた。
「今日はあかん。ワシは仕事の行き帰り毎日ここで釣りしてるんやけど」
珈琲を差し上げ会話が終わると子供たちが「お父ちゃん、一緒に釣ろう」
子供に渓流は危ないので見張るのが役目だったが子供の催促もあり一投目。
ルアーはスピナー。
ガツン。
根掛かりか岩だと思ったがニ投目も同じ場所に投げると、またもやガツン。
私はアワセるとゴンと一瞬止まったが、その後魚とは思えない引きが。
5分ほど格闘し陸に上げられない魚は、先ほど現れた男性がランディングネットですくってくれた。
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それは男性の記録を抜く48センチの大岩魚だった。
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こうして大岩魚を釣りキャンプの夜はご機嫌だった。
そして翌日にその岩魚を剥製にしようと思いアイスボックスに入れ持ち帰った。
③に続く