楊範・鄭令蔓伝 壮途編 十二「奴等を挟み打ちにしよう」
十二「奴等を挟み打ちにしよう」
関子邑が直接乗り出してくれたことで、ヤン達の情報収集は随分楽になった。リンクスはその後も毎日のように王氏の屋敷に忍びこんで、密売品が次にいつ運びこまれるのか、そしてそのルートがどうなるのかを探りつづけていたし、子邑は部下や食客を通じて密売人の動きはおろか、中央政府の高官…つまり王氏とつるんでいると言う噂の車騎将軍陳当の動きまで調査しはじめたからである。これで情報が入ってこないほうがおかしい。やはり個人の力よりも一族の力は大きいのである。そう