【ATL】Season Review 2023 投手編

ご無沙汰しております。ATL担当かしです。

せめて1ヶ月に1本はと思い、下書きを始めると時間が取れなくなる…という流れで、未公開の記事ばかりが溜まるシーズンでした。
そんな中、ブレーブス打線は大爆発。離脱者が続出し不振の投手陣、チームDRSは15位、UZRに至っては27位という守備力を横目に記録的な猛打でリーグ最高勝率を叩き出しました。
「終わってみればなんか勝っていた」こんな印象を持つ試合が何度もあったことでしょう。
結局これを書いている間に敗退してしまい、このチームに真の強さはあったのか?という疑問が頭を駆け巡っていますが、歴史に残るようなチームであったことは確かでしょう。

さて、選手の個別評価記事が流行っているようなので、それに乗りたいと思います。
評価基準はS,A,B,C,Dの5段階とします。当然、絶対的な基準はありません。

Pitcher

Starter


#54 Max Fried B
前腕の負傷で3ヶ月の離脱がありながら、投球内容自体はおおよそ例年通りで、エースと呼ぶに相応しいものでした。
シーズンの半分不在だったうえ、シーズン最終登板を指先のマメでパス。評価は多少厳しくせざるを得ませんが、まともならPSでも軸となってくれることでしょう。

#50 Charie Morton  A
来月で40歳を迎えますが、今季も30先発をクリア。被BABIPが悪かったり、四球の増加はあったものの、被弾を少なく抑えられており、こちらもおおよそ例年通りの内容と言ってよいでしょう。
年齢を重ねても出力が落ちておらず、衰えを感じることは少ないのですが、どこまで維持できるのでしょうか。
今年に関して言えば、離脱者が多い中でシーズン通して戦力になったこと自体が素晴らしい働きです。

#99 Spencer Strider  S
20勝5敗 防御率3.85 ここだけを見れば援護に恵まれたラキ珍という評価になりそうな成績に見えてしまいます。
が、代名詞ともいえる奪三振は280を数え、K%は13.55にまで達しました。そしてFIP2位、xFIP1位、War2位(それぞれMLB全体)と各指標優秀な数値となっており、サイヤング賞候補として文句のない成績となりました。
実際の投票では、防御率がネックとなり多くの票を集めるのは難しいと考えていますが、今季の優勝の立役者の1人であることに疑いの余地はあるはずもありません。
ネックは故障歴、体格、投球スタイルと少なくありませんが、向こう数年はMLBを代表する速球派のスターターとして君臨してくれることでしょう。

#30 Kyle Wright  C
昨年は21勝を挙げ、遂に開花したかと思わせた有望株も、今季は逆戻り。
肩の故障と不運で惨憺たる成績に終わりました。
9月半ばに復帰しましたが、肩の手術で来季全休予定。
昨年は投球内容に対して勝ち星が付きすぎており、10勝10敗程度に落ち着くと考えていましたが、まさかここまでとは想像をしていませんでした。
31回しか消化していないため、サンプルは当然少ないのですが、被BABIP.368、LOB64.8%と気の毒な面もありました。
まずは健康でいること。それだけです。

#55 Bryce Elder  A
今季のサプライズ枠。昨年時点でチーム内プロスペクトランキング5位だったものの、球威不足で2勝止まり。
今季も相変わらずの球威不足ながら、マイナー時代から高評価だったスライダーを武器に12勝。
AS後は打ち込まれるシーンも目立ったが、強力打線をバックに勝ち星だけは積み上げました。
運に恵まれた分はあっても、5勝してくれれば御の字ぐらいに考えていたので嬉しい誤算。今年がキャリアハイになりそうですが、ひとまず今季はよくやってくれました。

#21 Yonny Chirinos  D
7月末に加入して5試合に先発しましたが、22.1回を23失点と全く戦力にならず、8月半ばに肘の故障で離脱。
被BABIPが.400、LOBが52.9%と、ちょっと考えられない数字になっているのもありますが、それを差し引ても酷い出来でした。
2021年のTJ前より1マイル程度速球の出力が低下しており、そもそもコンディションが万全だったのかどうか…(レイズではロングリリーフで活躍していましたが)
PSでもし出番があるのならどうにか頑張ってください。

#40 Michael Soroka  C
2度のアキレス腱断裂と、ハムストリングの負傷を経て5月末に復帰…も束の間。休み休みの起用ながら不安定な投球を繰り返し、9月に前腕の炎症でシーズン終了。
成績的にはD評価以外の何物でもないのですが、まずは復帰できたこと、それだけでも今年の収穫と言えるのかもしれません。以外にも出力は以前と変わらぬ数字を残しており、まずは来年を完全復活の年とできるようになれば嬉しいです。

Bullpen

#26 Raisel Iglesias  B
故障で出遅れたうえ、昨年より成績は悪化したものの、内容は横ばい。クローザーとしてしっかり活躍しました。
4月のOAK戦で爆発炎上したり、時折やんちゃな面を見せましたが、それもこのチームカラーなら許されることでしょう。ひとまずは。

#33 A.J. Minter  B
シーズン序盤は複数失点の炎上を繰り返し、Ozunaと共に投打の戦犯に。中盤以降は復調し、概ね例年通りの成績でシーズンを終えました。
今季はBABIPが昨季の.286から.331へと跳ね上がっており、運にも恵まれなかった印象を受けます。
強みはやはり三振奪取能力。これが年トータルの安定感の源泉でしょう。
毎年LOB%が低く、60%台のシーズンも見られます。貢献度は十分ですが、ランナーを還さない投球が出来るともっと良いですね。

#35 Nick Anderson  A
前半戦まずまず安定した投球でスッカスカのリリーフを牽引。7月に右肩を痛めそのままシーズンを終えてしまいましたが、実際の数字以上に価値ある内容だったと考えています。
その一方でK/9が15.23を記録した2019年からやや球速の低下が見られます。年齢的に仕方ありませんが…。
来季のことはわかりませんが、殊に今年に関しては大きな戦力でした。まずは復帰するところから。

#77 Joe Jimenez  A
デビューしたときから好きだった投手が、ATLにやってきました。
回跨ぎもこなしつつ59試合に投げて、2点以上の失点はわずか4試合。K%30.7 BB%5.9 は、昨年ほどではなかったものの、非常に優秀です。
三振が取れて四球を出さない。おまけにタフ。来てくれてありがとう。

#32 Collin McHugh  C
全体的にスタッツが悪化し、キャリアの晩年に差し掛かってきた印象です。
三振が減り、四球が大幅増に加え、BABIPが8分ほど上昇。恵まれなかったのは間違いありませんが、これだと単純に「不運」で片付けられるものでも無さそうです。
全ての球種で平均球速は横ばいのため、出力低下は見られていませんが、他の球質の部分で問題がある可能性は否めません。
来季37歳になりますが、少しでも巻き返してくれることに期待しましょう。

#45 Brad Hand  D
8/1にトレードで加入も、定期的な炎上で移籍後は20試合でERA7.50と期待に応えられず。移籍後のLOB%が驚異の40%だったり、BABIPが.333だったりとするものの、2021年以降の球威低下で三振が奪えなくなっているのがネックです。
全盛期は1000万ドルを超えていた年俸も今季は200万ドルと比較的安価。来季はどのユニフォームを着ているでしょうか。

#60 Jesse Chavez B
39歳の今季もタフに投げた頼れるおじさん。打球直撃で3ヶ月離脱の不運があっても、しっかり9月に復帰。前半戦は安定した投球でブルペンを支えてくれました。三振を取りまくるタイプでもないのに、この歳でキャリア2度目のK/9を10に乗せてきたのはさすがです。

#22 Kirby Yates  B
TJ手術から復帰して、ひとまず期待に応える活躍と言っていいのではないでしょうか。
9月にマーリンズ戦で一度炎上した試合があったものの、シーズン通して活躍し、地区優勝を決めた試合で9回のマウンドにいたのもYatesでした。
全盛期と変わらぬ出力で高威力の4シームとスプリットを投げまくり三振を量産…の一方で、Shintaro Fujinamiを凌ぐペースで四球を乱発。
手術前の2倍近い数字だっただけに、来季に向けて要改善です。それが出来れば、弱点のブルペンもどうにかなりそうですが…

#51 Michael Tonkin  A
2018年に日本ハムでセットアッパーを担った投手が紆余曲折を経て華麗に復活。
ソコソコ速い速球とスライダーの実質2ピッチながら、それらのコンビネーションを巧く扱った印象です。
ただTonkinの場合は、内容がどうというよりも、連投もロングもこなして80イニングを消化。離脱者の多い先発陣、不安定なブルペンをガッチリと下支えしてくれました。
この投手の活躍なくしてこの優勝は無かったかもしれません。

#38  Pierce Johnson  A
日本でもおなじみPJ。COLでクローザーを任されるも、不振に陥り43試合でERA6.00に終わりました。K%やBB%はおおよそ横ばいながら、昨年も.382と、意味不明なレベルで高かったBABIPが.400を超えて、運に恵まれなった感があります。
移籍後はBABIPが.265と落ち着いたのもありますが、BB%が5.77から1.90に大幅良化。これもあってかATLでは23試合でERA0.76、更にはK-BB%が30.3%、IFFB%が15.6%と、圧巻の投球を披露しました。
来年もよろしくお願いします。


野手まで一本にまとめようかと思いましたが、字数を見て断念。
どうにか頑張ってまとめますので、またよろしくお願いします。
来年は今年成し得なかった世界一にもう一度チャレンジ出来る年になりますように…。

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