歌の捉え方について
前提説明を記してきた前回までと違い、ここから、もう少しクローズアップした内容に筆を進めていきたいと思います。
今回はいきなり、Sidewaysという名前に反するかの如く、核心に迫る内容にフォーカスを当ててお話ししたいと思います。
これは歌だけでなく、楽器演奏にも、もしかすると写真や絵画、スポーツや食の世界にも言及できることで、レッスンや学習方法において、我々がよくやりがちなことかもしれません。
それは、学習の際に、物理的な側面に重きを置きすぎてしまう、ということです。
簡単な例で説明しますと、例えば歩き方。
会社への通勤時、あるいは学校への通学時、手の動かし方や足の曲がり具合、腰の振り方など、普段そこまで皆さん意識されるでしょうか。
何かモデルやスポーツ、健康に取り組む方ではいらっしゃるかもしれませんが、一般的ではないかと思います。
本を読むときのページのめくり方、目の動かすスピード。
そんなことを気にかけながら、本の内容はしっかり入ってくるでしょうか。かなり難しいかと思います。
上記のように、ただ移動のためだけに、腕はこれくらい振って、足はこれくらい開いて、肩はこれぐらい、腰はこれくらい振って、といくつも指定が入ると、余計に歩きにくく、自然さを失って、普段の何倍も疲れそうだ、ということは誰もが想像つくかと思います。
しかし、歌の指導ではよくやりがちです。
呼吸はこうして、胸はこう開いて、口はこんな感じで、等々。
もちろん、そのように物理的な外側から形を固めていくことを否定しているわけではありません。むしろそこの重要性は、またどこかの記事で取りあげたいと思いますが、今回のポイントはその捉え方だけでは、自然で、かつ疲弊の少ないフォームは見出しにくいということです。
つまり、5つも6つも同時に何かをやると考えるだけで、身体に緊張が生まれ、余計に力が入りやすく、自然な発声とは真逆のものになりがちです。
では、どうすればいいか。
答えは、それら5つ6つのことが内包される、1つのことをやればいい(イメージを描けばいい)ということです。
例えば、先程の歩く例ですと、意外と身体の中でなく、もっと遠くを見ながらだったり、何か夜明けから太陽が昇るような、何か一つ強いイメージを持って目線を変えるだけで、細部まで自然な、美しいフォームになる場合があります。
なので、いくつもやることが多くて大変だ、というような感覚を持っている場合には、それらがうまく回っている何か一つのイメージや感覚を見つけ出すことが、とても大切である、というのがSidewaysの考え方です。
このイメージに関しては、多くの方が抽象的な印象を持ちがちですので、イメージの詳細な解説等はまた別の記事で取り上げますが、とにかく歌の場合は、視覚でもって、出来てる出来てないかを把握するのが、非常に難しいという側面があります。
当然、身体の中はレントゲンでも撮らない限りは見れないので、どんなレッスンも、ほぼ講師の耳や感覚、そしてその感触の擦り合わせで進めていくことになるはずです。
なので、今何を考えて、どう捉えてその声を出したかということが非常に大切なのですが、発声をただのウォーミングアップとしたり、歌うときもピッチや縦のリズムのみの学習に終始するなど、かなり多く見受けられます。
Sidewaysでは、時間がかかりますが、それら一つ一つをしっかり検証し、またその人によって、どういう一つのイメージや感覚を描くべきかを提案していきます。
ただ、このように言葉にするのは簡単ですが、ここからが果てしない発声の旅への始まりだったりもするのですが、更なる詳細はレッスンにて。
ご興味ある方は、ぜひ以下のSideway StudioのWeb SiteをCheckしてみてください。
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「Sideways Studio」
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