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一大学生の古本雑録(一)

 文責:千葉

 僕の趣味は古本蒐集で、集め出したのは小学生の高学年あたりからだった。古本というと大体の人はブックオフを想像するかもしれないが、ブックオフの扱う本は主に「白っぽい本」。これは古本用語で発行してから数年の、新しめの本を指す。そしてもう1つ、発行して数十年経った本を指す、「黒っぽい本」という用語がある。僕は後者の方が好きだった。
 集め出したきっかけは三上延の「ビブリア古書堂の事件手帖」を読んだことで、文豪たちが生きていた頃の本を買えるんだ!と知れたことだったと思う。
 初めて古本屋に行ったのは小学四年生の時分だったが、その時には何も買わなかった。初めて買った初版本は、内田百閒の「東京焼尽」の帯付で、これは小学校卒業時にタイムカプセルの中に入れてしまったので手元にない。

実家の本棚

 これは実家にいた頃の本棚の写真。
 確か高校一、二年生くらいの頃か。今は都内に近い某県の某所に一人暮らしだが、実家は日本列島の端っこ。私の住んでいた、人口一万人くらいの小さな町にはもちろん古本屋はなく、一ヶ月に数度バスで二時間かけて町へ繰りだし、その中でもRという古本屋によく通った。ちなみに百閒の初版本を買ったのもこの店だ。

伊藤静雄「詩集夏花」初版帯付


 その店で譲ってもらった伊藤静雄の「詩集夏花」の初版帯付。確か千円であった。本来なら帯なしでも一中学生には手の届かぬ代物である。
 よく、地方の古本屋と神田の古本屋街の違いはなんだろう?と思われる方はいらっしゃるのではないか。答えは専門性を持っているか否かだ。
 東京や大阪などの人口が多い都府県は古書組合の市が活発で、神田小川町の東京古書会館の場合は、毎日のように近代文学書や和本、自筆物などのそれぞれのジャンルごとに分けられて開催される。そのため何かに特化した商品の仕入れが可能であるために自分の求めているジャンルの古本屋に出会うことができる。
 さて、雑記。なぜか文章を書くことになってしまいました。今回はさわり程度で書いたゆえに、内容が浅いことについてはご勘弁。久々に書くので駄文だと思いますが、その時の気分で何か書きます。良しなに。最後に短かったので、神保町のおすすめの文学書の古本屋を紹介して終わろうと思う。

・日本書房(〒101-0065東京都千代田区西神田 2-8-12 )
・西秋書店(〒101-0065東京都千代田区西神田2-3-3 )
・けやき書店(〒101-0051東京都千代田区神田神保町 1-9 ハヤオビル6F)
・玉英堂書店(〒101-0051東京都千代田区神田神保町 1-1 )
 日本書房は研究書・初版本・和本等、西秋書店は研究書。けやき書店は無頼派作家や著名な現代作家のサイン本、玉英堂書店は文豪の自筆物、草稿、色紙や稀覯本などが専門。
 ではまた。

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