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「ひびきの響き」サウンドトラック

文芸誌「いつもあなたのそばに文学を」第一号の合同小説は吹奏楽をテーマにしたお話。
今回は、それぞれの執筆した作品のイメージソング、サウンドトラックを選んでプレイリストにしてみました♪
本日は深川文「ひびきの響き」のイメージソングを紹介。
こちらは物語の展開に合わせたサウンドトラック形式となっております!
文芸誌の配送開始が11月とまだまだ遠いですが、このプレイリストを聞いて、物語の展開をイメージしてみてくださいね💓
ぜひ作業のおともにお聞きください♪
なお文芸誌「いつもあなたのそばに文学を」第一号はこちらよりお買い求めいただけます!

プレイリスト:

https://open.spotify.com/playlist/1vpOGIZ3jRN42KJF3AdbP5?si=b5a225c86f4d4d93&pt=73452c0a76cd367ad2921b071166e920

「ひびきの響き」あらすじ

― 同じだけど違う音が響き合うその瞬間に奇跡が起こる物語。
 憧れの吹奏楽部に入部するも、自分の目指している音を奏でることが出来ずに悩んでいるひびき。自主練習をしていた際に、幽霊で吹奏楽部時代にはフルートを吹いていたと語る志音と出会う。理想の音を奏でることを目指して、志音と秘密の特訓を始めたひびきだが、志音にはどこか影があって…。

各楽曲の解説
ロマネスク


作中登場曲。吹奏楽部に入部したてで、なかなか演奏が上達せずに悩んでいたひびきが、練習していた音楽。
志音との運命的な出会いにつながる。

夜に出かければ
ひびきと志音、初の対面場面。
幽霊と対面したのに意外と冷静なひびき。
おそらくはじめは、幽霊を見たことへの驚きよりも、自分の見たものを疑う気持ちの方が大きかったんだろう。
そぉーと、何かを覗き込むような恐る恐るな雰囲気のあるこの音楽と、徐々に幽霊を見ていることを理解していくひびきの姿を重ねた。

ストラテジマーチ
ひびきが志音に秘密の特訓を求める時の音楽。
物語の始まりを想像させる愉快な、ひびきの前に進もうとする想いをコミカルに描いた音楽を選んだ。

空と海の詩
厳しい人に褒められた時の喜びをいっぱいに表現する。
嬉しくて夢みたい、舞い上がりそうな感覚、でもしっかりと現実を見据え、もっと頑張りたい、そう思わせてくれる人の、言葉の力が、この音楽に重なるものがあるように思えた。

とこしえの声~今ここに立つ母~
定期演奏会でひびきの所属する吹奏楽部が演奏する音楽。
死にたくないという叫びを胸に隠して、母を想い出して、戦地に飛び立った特攻隊の声、特攻隊として飛び立った息子を思う母の想いを、ひびきは深く感じ取ったんだと思う。

三葉のテーマ
初めて明かされた志音の、黒々しい感情。
苦しさを胸に生きてきた過去を持つ彼女の吐く想いに激しさはない。逢魔が時の静かな教室で、淡々と彼女の口から紡がれていく。
きっとひびきははじめ、戸惑いを覚えただろう。
でもそれ以上に思った。
どんなに小さな一歩でもいい、彼女を救いたいと。

Yuri on ice
演奏会前の志音とひびきの心境に寄り添った一曲。
志音もひびきの気持ちがよく分かっていた。
だからこそ、勇気を出して、いつもの本音を隠してしまう癖を振り払って、全身全霊でひびきに想いを伝えることが出来た。
ひびきの震えるほどの未知の世界への緊張と、志音の、そっとひびきの震えを抱きしめるような優しさの共鳴が、澄んだピアノの音色と重なる印象。

ブエノスアイレスの冬
志音とひびきが最初で最後に協奏した音楽。
フルートの繊細な音色が冬の情景を鮮明に表している。
静かな熱さを秘めた雰囲気が、二人が協奏した音楽らしいなと思う。
同じようで違う価値観を持っていた二人の音がぶつかり合う瞬間、ある意味奇跡は存在していたんだと思う。

再会
ひびきから志音に向けた音楽。
金川めいさんは、志音とひびきはもう二度と会えないとおっしゃっていたけど、私はそうは思えなかった。なぜなら、ひびきが志音のことを覚えているかぎり、志音はずっとひびきのそばにいるんだと信じているから。
いつかまたふたりが笑顔で会える日が来ることへの祈りとして、この歌を選びました。

光るとき
志音からひびきへ向けた音楽。
きっと志音にとってひびきは、泥沼の中で足搔いていた中で見た、一筋の光のような、世界に芽吹く瞬間を待ちわびた花の種のような、そんな存在だったんだと思う。
自分の暗闇へと伸びてきた一筋の光が、ありのままで光っていくことが出来るように希う、そんな想いのこもった歌を選んでみました。

明日も
ひびきのイメージソング。
この曲の、嫌なことや苦しいことがあっても走り続ける感じが、ひびきの転んだ分だけ前に進もうとする姿と重なるイメージ。
好きなことであっても続けることはいいことばかりじゃない。でも、がむしゃらに走り続ける中で感じ取ることの出来る爽快感や、やり遂げた後の達成感は、走り続けてみないとわからない。
まずは一歩、そんなひびきの心が反映された音楽だと思う。

more than words
志音のイメージソング。
「自分の音」を殺して演奏して、苦しくてジタバタとしていた過去のある志音。
どんなにぐるぐるして、捨てようとしても捨てきれなかった「自分の音」が、ずっと自分の胸にあったんじゃないかなと想像。
下記の歌詞が志音の心にあってるなという印象。

だってどうだっていいって笑っても
まだ自分のことを愛したいんだって
もがいているんでしょう?
きっと間違いだらけのストーリー
溺れそうな夜も一人じゃないから

羊文学「more than words」

 もがいていても大事にしたいものが確かにあった、捨てたくなかった、そんな志音の抗いにぴったりな音楽な気がする。

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