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ウォーキング風呂グ VOL.2 その1 歩き編

舞湯への思いが強すぎて長くなってしまったので2つにわけました。

【舞浜ウォーキング風呂】

とにかく居ても立ってもいられなかった。
西日本を覆う低気圧がいまだかつてないレベルの雨災害を起こしているという。東京は土日を通して青空だというのにこの落差。
二ヶ月前から周到に準備していた神戸淡路島高知への旅行が未曾有の大雨によっておじゃんになるとはさすがに予想していなかった。
せっかく梅雨が終わったのに、まさかそんな形で道が閉ざされるとは。
ツイッターで集まった首都圏各地の同行者達はつぎつぎとキャンセルをコール。
私は昔から諦めるときにはすぐに諦めるくせに、時折悪魔的に往生際が悪い性格なようでぎりぎりまでキャンセルを決めないことにした。
幸い私の目的地である高知はそこまで大きな被害が出ていない。わざわざこんなときに目指さなくてもいいのではという声も聞こえる気がするが、渡航一週間を切ってのキャンセル料が闇に吸い取られるのは私自身なので最後まで損のないように覚悟して決めたい。金だけの問題ではない。私の苦労して得た最高休日も、会いたかった友達との楽しい会合もすべておじゃんとなる。現地で普通に暮らして日々を営んでいる人がいるのだから決行したところでそこまでひどい状況ではないのではないか、というのが私の現時点(2018.07.08)での見解だ。

さて、ぼんやりしていてもしょうがない。
朝飯という名前の昼食を食べて洗濯物を干し、リュックに最小限の荷物(小さい財布とミニタオル、保湿化粧品類、日焼け止めスプレー、着替類など)を詰めて麦わら帽子をかぶって家を出た。

【今回の目的地 シェラトンホテル 舞湯】

今日は舞浜の旧知の日帰り湯スポットを目指すことにした。
自宅からシェラトンまではちょうど7キロの距離。
はっきりいってここは誰にも教えたくないぐらいのスペシャル穴場だ。
手持ちの日帰り温泉アプリにも登録がない。
なんで?どうして?こんなに素晴らしい日帰り湯なのに!
ブログの最初に一番のとっておきを教えてしまうのではもう奥の手がなくなったのも同然な気がするがそもそも何回続くかわからない自主的書き物の中で出し惜しみをしても仕方がない。
最初から一番の大物隠し玉から行くわよ私は。

というわけで今回はかの有名なディズニーリゾートホテルの一つ、シェラトンホテルの舞湯を目的地にかまえることにした。

【自宅~堀江ドッグ】

駅を越え浦安橋東詰(交差点) で斜め左に入り、船宿がいくつかある方向をめざして旧江戸川沿いを歩いていく。
吉野屋と書いてある釣り船がいくつかモーターの音を響かせながら川上を飛ばしている。吉野屋は山本周五郎の「青べか物語」の「千本」のモデルにもなった有名な船宿だ。筆で書いた大きな文字の板が並んでいる様は大衆酒場のメニュー札のスケールを大きくしたようなビジュアルの圧力を与えてくるので見ているだけで脳が活気づく。

境川から旧江戸川に戻る水門があるあたりに東西線が走る大きな青い鉄橋と通行人用の小橋がある。何人かの釣り人が深緑色の川に釣り糸を垂らしてなにかを釣っていた。川沿いに洗濯物を干している人もいる。魚入れたりする用のカラフルなトレイが重なっている様子も面白い。タオルを頭に巻いたおじさんが顔を隠すようにベンチで寝ていたりもする。

  
路地を回ると倉庫と貸したワゴン車があった。味わい深い。移動型ゴミ屋敷といった風情を感じるがあまりジロジロ見ていいものではないのはわかっているものの昔からこういうカオスなものに惹かれてしまう性分ではある。

そんな漁村的風景を眺めながらとりあえず川沿いを歩いていけばリゾート方面にいける。私は大手を振りながらぶんぶん進んだ。
左手に住宅街を見ながら歩いていくと浦安に二十年近く暮らしているのにまったく存在を知らなかった堀江ドッグという港が見えてきた。
関係者以外立ち入り禁止と書いてあるが、何人もの釣り人が中に入って釣りをしていたのでどこまでが関係者で部外者は誰なのかよくわからない。フェミニンな帽子とワンピースという出で立ちの女性といかにも海男っぽい熟年男性の謎なカップルや男性数人でワゴンから釣具をおろしているつりがしゅもいる。
怒られるのも嫌なのでドッグの外側の土手沿いを歩くことにした。
川を眺めながら歩いていると土手のさらに上に作られている坂があったので何があるのか見たくて登ろうとしたら結局行き止まりだった。ダンジョンもののゲームでよくある、ここ通れるかな?よいしょ!よいしょ!とジャンプしても向こう側にいけない、階段も降りれない、みたいな仕掛けっぽいパイプの組台もあった。

突如大きな青くて四角い建物が現れもした。超現実的な絵の世界のようにでっかくてぶっとい石のパイプがくっついている。豪快に排水されている様を見てみたい。


塀に埋め込まれた楷書のプレートもかっこいい。

【舞浜ウェイ】
しばらく旧江戸川沿いの道を進みどん詰まりまでくると舞浜が見えてくる。
エネオスで給油。歩いている人間がコンビニ代わりに入ってくることも珍しくはないんだろうか?
いらっしゃいませ~と笑顔をかわされ、アイスココアを体に供給する。

さてラストスパート。
ディズニーリゾートホテルへ向かう海沿いの道が見えてきた。
自転車用と歩行者用とに色分けされたランニングロードが延々と、これほど犬の散歩やマラソンに適した道はないぞとばかりに用意されている。
シロツメクサの咲く草原に、蘭のような花や百合のような花も咲いていてなかなかにファンタジックな道である。道沿いには南国を意識したようなパームツリーが等間隔で植えられているのだけど、風に煽られて剥がれた樹皮のかけらがポツンと落ちていたりして現代アートのようだなと思ったりした。


この後、風呂の話に続く!

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