汗とワイシャツと自転車
梔子、沈丁花、金木犀、所謂「三大香木」と呼ばれる木の香りが好きだ。
春と秋の存在が薄くなりつつあるこの国でも、香木の香りだけは季節を教えてくれるといいな、と思う。
日本には四季がある。
季節がなくなって、人の死を悼むことまでなくならないようにね。
四季超えて死期過ぎても生きてこうね。
二十歳くらいの頃、HASAMI groupのSUMMERという曲に出会った。
私の好きな友達がこのバンドでギターを弾いていて、曲を聴くようになったのもその子の影響だったと記憶している。
その友達とは腐れ縁というか、今も交流があって、友達の少ない私に取って数少ない長年の友人だ。
将来が心配になるような子だったけど、彼女はもう結婚して立派に社会人として、好きなことを仕事にしながら生きている。昔も今もかっこいい。
で、少し脱線したけどこの曲について少し触れたい。
HASAMI groupはボーカルの青木くんが作詞作曲している、(言い方が悪いかもしれないが)ちょっと電波でカルトなノイズバンドだ。
少しおどろおどろしくて、ナードな感じ。
でもそれが気持ちいいと感じる人もいる。気持ちいいと感じる時期がある。気持ちいいと思う耳がある。
誰かに刺さるってこういう仕組みなんだろうなぁ。
そんな普段のバンドの雰囲気とは少し違うこの曲。タイトルの通り夏らしい真夏チューン。
この曲も他の曲とは少し違う雰囲気で名曲なのだけど、どちらにも共通しているのが「百合」というキーワード。
友人に聞いたところ、青木くん曰くこちらの曲は友達同士の友情の曲らしい。
つまりどちらも女の子同士の精神的繋がりという設定があるのだと思う。
どちらも可憐な花の香りがしてきそうなところもまた百合。
あぁまた話が逸れていく、どんどん脱線しそうだ。
坂道の真上に見えた、汗を拭う君の幻。
百合の話がしたいんじゃあない。四季の話がしたかったはず。なんだけど。思考がとっ散らかってしまったのでもう収拾がつかない。申し訳ない。
まとめ:結局のところ、あの頃私たちが愛していたのは弾幕だらけの電波な動画だったってこと。
江戸川乱歩の「木馬は廻る」という短編が推理でもミステリーでもなく方向性に迷ってしまったような作品で、最後はまとまりませんでしたごめんなさいみたいな終わり方をして面白いのでおすすめです。空笑いみたいな哀愁が漂ってるのもすごくいい。
舞台も浅草だし、弊カフェに置こうかしら。