若者のすべて

ラジオから流れる若者のすべてに夏の終わりを感じる9月、今年も真夏のピークが去った。いつも夏はあっという間に過ぎていって、茹だるような暑さもすぐに恋しくなる。今年の夏に私は何かを置いていけただろうか。一年後思い出した去年の夏に、記憶に残るものがあるといい。


春と秋を感じる間もなく夏と冬がくると、日本にいるのに四季がないなと感じる。日本には四季があるから美しいと思っていたのだが、ここ数年は二季になっているのではないかと思う。

フジファブリックは日本の四季を感じるバンドだ。よくいる夏バンドや夏のアイドル、冬のバラードシンガーとは訳が違う。日本の美しさを詰め合わせたようなバンドだから季節ごとに感じる曲があって、だから一年中聴いていたくなる。

若者のすべての次は赤黄色の金木犀を聴けばいい。その次は銀河、その次は桜の季節を聴けばいい。

四季を感じない一年でも、フジファブリックを聴けば季節の移ろいを感じられる。こんなに素敵な作品を残してくれてありがとう。感謝。

志村亡き後、富士で奥田民生が歌った桜の季節を私は生涯忘れないだろう。奥田民生に見た志村の影も、あの時、空に浮かんだ彩雲のことも。

赤黄色の綺麗な秋、金木犀の香りにドキドキしていたい。

思い出した、今年こそ金木犀の香水を作ろう。

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