7月12日-18日 兆しあるいはスキマ

ある平日

朝の電車。運良く座れて前を見ると、目の前の人は吊り革に体重を預けて寝ている。ぶら下がってるびしょびしょの傘が俺の隣の人に当たっている。そんなことには全く気づかずに寝ている。無自覚の加害はこんなところにも。

帰り道、どうしても焼き茄子が食べたくなった。コンロにのせる網を買いたくてスーパーを何軒か探したけど見つからない。餅焼き用の網が売っていたけど、餅以外は絶対に焼かないで下さいと書いてあったから、律儀に守って買わないことにした。
仕方ないのでオーブントースターで焼いてみた。焼き上がったけど、皮が全く上手く剥がせない。数分格闘して、もういい!となってマーボー茄子にした。焼いた香ばしさは全くなかった。でも美味しかった。

7月18日 三連休最終日

何も予定がない。特に何をすると決める訳でもなく過ごした。Amazonプライムデーのために一時的にプライム会員になっているから、せっかくだし何か見るかと思うけど、見たいと思うのは内村さまぁ〜ずしかない。ドラマも映画も見る文化がない家庭だった、それを100%の理由にする訳ではないけど、やっぱりそういったモノを見ることに対して、とても腰が重い。
腰の重さはテレビのレコーダーにもあらわれていて、いつか見ようかと思っている話題になったドラマが溜まっている。でもこれ見ないなだろうなと思って今日消してみた、ほんの少しだけスッキリしたけど、増えたHDDの残量とは釣り合わないように感じた。

ずっと家にいるのもなと思って、夜ご飯食べた後散歩へ。近所の大きな公園のベンチに寝転がって本を読む。昼はおそらく家族連れで混み合う公園も、夜は静かで自由な空気が流れているし、風も気持ちいい。
尾崎世界観の歌詞集を読む。たまに曲を流して読む。クリープハイプが嫌いだと思っていた高校の時の自分よ、音楽は音を聴くものであって詞が大事なら詩でも読めばいいと言っていた中学の時の自分よ、29歳の自分を見て何を思う?心の中の裏側の部分に気づいて欲しいなと29歳の俺は思うけど、無理かもなぁとも思う。
"過去の自分に会いに行けるとしたら、いつの自分に会って、何を伝える?"ということを考える。いつは高校卒業と大学入学の間の春休みだと思う。けど、何を伝えるかはとても難しい。一言ではとてもじゃないけど何も変わらない。夜通しじっくり話を聞いて、話して、それでやっと何かが変わるかなという感じだろう。いや、昔のプライドが一番高い時の自分には難しいのかなぁ。まぁどうにもならないことを考えても仕方ないや。

ベンチから体を起こす。ベンチが硬いから体があちこち痛む。心は少し軽くなってる。
三連休が終わっていく。何か変わったような変わっていないような。
多分変わらない日常に戻っていく。

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