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8月1日 ふわふわと 小笠原旅行2日目

疲れているはずなのに全然寝付けなかった。タオル地のシーツと身体の間に熱のかたまりがある。同室の人(ドミトリーに泊まっているので)が戻ってきた。部屋が涼しくなる。エアコンが入ってなかったようだ。とはいえそこから深く眠った訳ではなく、眠りの浅瀬を泳いだ(by GO!GO!7188)。

6時45分、隣の人の目覚ましで起きる。自分の目覚ましはあと10分くらいで鳴るけど、もう起きるか。調子は寝不足だなって感じ。隣の人が見当たらなかったので、共有スペースに行った。人がいる。おはようございます。多分この人だろうけど、確信が持てず、5秒くらいの微妙な間が空いてから、目覚まし鳴ってますよと伝えた。この人で合ってた。

ネオバターロールを加熱したい。オーブントースターからどう考えても届かないところにしかコンセントがなく、妥協で電子レンジ。40秒。こちらは冷たいままのお弁当用ミートボールを挟んだ。美味い。普段ミートボールを買わないけど、たまに食べると美味い。

支度。吉田豪と後藤まりこの結婚は別に旅先で知るべきことではないなと思った。

今日はダイビングのツアー。初めて。
バンが宿まで迎えに来てくれた。同じ宿のマダムと一緒に出発。他の宿の方もピックアップしていきつつ、とびうお桟橋に着いた。乗船。出航。

波紋がクジラの尾のようだと思った

今日は西側からの風が強く、港から出てしばらくすると揺れるらしい。少し不安。
波が高くなる。小舟は木の葉のように揺れる。でも決して転覆はしない。軽快で船酔いはしなかった。波を抜けて、一ヶ所目のポイントへ。ライセンスを持った人たちは続々と飛び込んでいく。
初心者はまずはシュノーケリングから。シュノーケリングも初めて。これがウェットスーツか。締め付け感がある。シュノーケルは、あ・い・うの口を順にしながらくわえる。フィンを付ける。さぁ海へ。
え、なにこれ、すご過ぎる。サンゴと魚の国が広がっている。自由に細かく泳ぐ小魚、群れを成してその場に止まっている中くらいの魚、すいーっと流れるように泳ぐ大きな魚。水族館の大型水槽のようだという逆の感想を持った。作り物のような世界が本当に存在した。少し離れた所にある、沈没船も見に行った。サンゴが生えて、魚が棲みついている。ダイバーが沈没船の近くにいる。波をぷかぷか漂う自分からは遠い。
海面に漂って、細かく揺られるのが結構しんどくなってきた。船で大きく揺れるより、細かい揺れの方が弱いみたいだ。もう見たし、上がりたいなと思った。
一旦上がって次はダイビング。その前に酔い止めを飲んだ。ダイビングの準備、腰に重りを巻きつける。腰骨に金属の塊を感じる。14kgのボンベを背負う。若いうちにやっておいてよかったと思った。海の中へ。さっきまでの重みは感じない。海底に伸びるロープに捕まる。浮いてこようとする足を立ち泳ぎで伸ばそうとする。潜る前に呼吸の練習。大丈夫そう。吐く音と吸う音、自分のリズムを把握する。
ロープを伝いながらスルスルと降りていく、耳抜きが出来ているのか分からないけど、痛くないから合っているのだろう。インストラクターさんに向けて、OKサインを送る。ハンドサインでやり取りすることがなんだか楽しい。
サンゴ礁の海底に着いた。さっきまで上から見てた世界とでは別世界だった。自分もこちら側の住人になっていた。サンゴを這いつくばるように進む。魚と同じ目線。手を伸ばすと逃げてしまう。時折り、写真を撮ってもらいながら。たった10分足らずだったんじゃないかと思うけど、今までに無い時間だった。
海から上がる。重っ。

イルカを探しながら船は行く。船が動き始めたからか、薬が効いたからか、酔いはマシになる。フィクションで描いたとしたら、リアリティがないと言われてしまいそうな島。大胆に切り崩れている崖、どうやってそんなところに生えたのという植物。

次のスポットへ。上級者の人はダイブ。初心者はお昼ごはん。お昼食べたらシュノーケリングしていいですよと。そうかプランちゃんと覚えてなかったけど、もうダイビングは終わりなのか。もっと味わっておくべきだった。

いただきます

さっき、シュノーケルで酔ってしまったので尻込みしつつ、これを見たら入らざるを得なかった。

船からの景色 サンゴと白砂

さっきよりもさらに波が穏やかだ。心地良い。たくさんの種類の魚がいるなぁ。魚がこう暮らしてると分かると、釣りをやる時の考え方も変わるだろうな。お、サンゴかと思ったら動いた、タコだ。十分見たと思って戻ってきたら、別の方はウミガメやサメを見たらしい。そうかそんな大物狙いのこと考えてなかった。

とても綺麗なビーチがある南島へ。今日は波が荒れているので、泳いでではなく船で上陸する。鳥が迎えてくれる。カツオドリというらしい。昨日船で見た君らはカツオドリというのか。

通り道のすぐ脇で卵を育てる鳥たちがいた。道を進む。

綺麗な透き通る青をこの旅で何度も見てきたけど、ここの青も格別だった。

斜面が急になる手前のところで、マダムは休むとのこと。水筒を預かってくれた。さっき見た卵を守る鳥みたいですねとみんなで笑った。

港へ戻る。途中イルカに出会えたらイルカと泳げたのだけど、今日は残念ながら会えなかった。

宿まで送り届けてもらう。海パンとラッシュガードを着たままでシャワーを浴びた。バシッとなった髪の毛を解こうとする。心許ないが、リンスインシャンプーだけが頼りだ。さっぱり。

明日何をするか。やっぱり釣りがしたいと思った。これまでの傾向からすると、釣り船の揺れには相当弱そうだけど。
観光案内所で釣りの予約をする、明日の飲み物買う、夜ごはんのために街にでることにする。宿が街から遠く、車・バイクがなければバスになる。自分は当然バス。バスで街に着くのは16時30分。観光案内所は17時まで。行きたいお店は17時から。最終バスは18時10分。なかなかギリギリのスケジュール。バスがなかなか来ないと思っていたら、自分がわざわざ印刷して持ってきたのは古いver.だった。想定より10分遅れで着いた。
観光案内所へ。ギリギリの時間にも関わらず、丁寧な受け答えで候補を出してもらう。電話繋がらず。そうか…。と思っていたら、船で釣りに行くんじゃなくて、釣り具屋さんでレンタルして、岸から釣る手もありますよとの提案。ベストだ。船酔いもないし自由だし。明日は宿の近くウロウロと釣りにしよう。
飲み物買い出し完了。
飲み屋へ。このお店は忙しくなければ送迎もしてくれるとのことで、期待半分、忙しそうだから難しいだろうなぁ半分。今日は難しいそうだ。そうなるとバスの時間まで1時間一本勝負。

パッションフルーツってあまり食べることないけど、このぎゅっとした甘酸っぱさかなり好き。タネのプチカリっとした食感も悪くない。お刺身の盛り合わせ。

後で思い出せるようにと、種類の紙も取ってたつもりだったけど、写りきってない。キハダマグロ滑らかとろっと。アジ豊かなあじわい。カンパチ、鼻の奥で旨みを感じる。カッポレ、シャキッという食感と噛むほどにむにっともする。一番左、見た目に美しく、甘みがあった気がする。

ウミガメの煮込み。分からないが色んな部位が入っている。脂があってコクがあるけどしつこくはない。美味い。

島の野菜の天ぷら。パパイヤ、衣食感と透き通っていて少しだけ甘い中身との差異。甘長唐辛子、辛くはなく爽やか。ささげ、ほんの少しワイルドが通り抜ける。ズッキーニは間違いない。

昨日オオコウモリが食べていたタコノキの実を漬けた果実酒を頼んだ。甘さが強めで、その後酸味とか繊維っぽさを感じる風味がする。酒飲みが好きそうな風味だ。

タコノキと実

お酒を飲んでいると、船の上にいた時のように、ゆったりと揺れている感覚があった。心地よかったけど、これ以上はマズいと思い、レモンソーダを飲んだ。

バスの時間まで少しあったので、とびうお桟橋へ。夜はシロワニやエイが来るらしいけど、この時間はまだいなかった。岸からすぐにサンゴ礁があることに驚く。小魚がたくさんいた。近くにいた子どもに何見てんの?と話しかけられ、魚見てると言うと、魚の種類を教えてくれて、取った貝を見せてくれた。

バスはおれしか乗っていなかった。

宿に戻って、ベッドに寝っ転がって日記を書く。波に揺られる感覚が蘇ってくる。それは悪くなかった。

時間が経って酔いが覚めてきて、近くの海岸に行くことにした。夜光虫がいるかもしれないらしい。

準備をして出発。ダイビング一緒だったマダムがパートナーの方といて少しお話し。

少し歩く。真っ暗だ。ヘッドライト持ってるとはいえかなり暗い。舗装された道を行くから大丈夫だろうと思って、サンダル短パンで来たけど、躓きかねないから一度戻って着替えた。

真っ暗な道をライトを頼りに進む。草むらのがさごそという音はカエル、実が落ちる音はオオコウモリだろうと思いながら、とても怖い。遭遇する可能性がある一番大きな生き物は野生化したヤギ。出くわしたらどう対象できるか。

海岸に着いた。危ないので遠めから見るが夜光虫はいない。星空が綺麗だ。ゆっくり眺める。あ、流れ星!うわっ!とか言ってたらもう消えてしまった。少し慣れてきたのでもう少し海岸に近づく。でも夜光虫はやっぱりいなかった。

帰り道、ヤドカリを何匹か見た。やっぱり怖く、何に怯える。太古の昔、夜を過ごすのはこわかったろうな。ゆっくり眠れないだろう。おれには無理だ。いや慣れるのかな。

無事宿に戻ってきた。共用スペースにはもう誰もいなかった。シャワーを浴びる。歯磨きをしていると雨が降ってきたので、洗濯物を屋根があるところに移動させた。

今日のダイビングの写真が早速送られてきていた。ぎこちなく這いつくばりながら進む自分がいた。日記を書く。眠くなってきたので途中で寝ることにした。

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