CCNA イーサネットLANのケーブルと規格
はじめに
こんにちは!「たー」です!
今回はCCNAで「イーサネットLANのケーブルと規格」について紹介していきます!
LANケーブルの種類
ネットワーク構築においては、用途や環境によって、以下のケーブルを使い分けることが重要になります。
1.ツイストペアケーブル(Twist Pair Cable)
構造:中心導体を絶縁体で覆い、その外側を編組シールドと外皮で保護した構造です。テレビアンテナの接続や一部のネットワーク構築に使用されます。
用途:以前はLAN構築にも用いられていましたが、現在では家庭内のテレビ配線やCATV(ケーブルテレビ)、インターネットの接続などに主に使われています。
種類:インピーダンスに応じて「75オーム」や「50オーム」などの種類があり、使用環境に合わせて選定されます。
メリット:
ノイズ耐性が高く、安定した通信が可能
比較的長距離での通信が可能
デメリット:
太くて硬いので取り回しがしにくい
ツイストペアケーブルや光ファイバーよりも通信速度が遅い
2.同軸ケーブル(Coaxial Cable)
構造:中心導体を絶縁体で覆い、その外側を編組シールドと外皮で保護した構造です。テレビアンテナの接続や一部のネットワーク構築に使用されます。
用途:以前はLAN構築にも用いられていましたが、現在では家庭内のテレビ配線やCATV(ケーブルテレビ)、インターネットの接続などに主に使われています。
種類:インピーダンスに応じて「75オーム」や「50オーム」などの種類があり、使用環境に合わせて選定されます。
メリット:
ノイズ耐性が高く、安定した通信が可能
比較的長距離での通信が可能
デメリット:
太くて硬いので取り回しがしにくい
ツイストペアケーブルや光ファイバーよりも通信速度が遅い
3.光ファイバーケーブル(Optical Fiber Cable)
構造:ガラスやプラスチックの芯線で構成されており、光信号を使ってデータを伝送します。シングルモードファイバーとマルチモードファイバーの2種類があります。
シングルモードファイバー:光が1本の直線的な経路を進む構造で、長距離通信(数十キロメートル)に適しています。
マルチモードファイバー:複数の経路で光が進む構造で、短距離通信(数百メートル)に適しています。
用途:高速・大容量通信が必要な環境(データセンターや企業のWAN、長距離のインターネット回線)で使用されます。
メリット:
高速・大容量通信が可能
電磁干渉を受けにくく、長距離の安定した通信が可能
デメリット:
ケーブルや機器のコストが高い
取り扱いに注意が必要(ケーブルが硬く、折れ曲がりに弱い)
以上のことから、
ツイストペアケーブルはコストパフォーマンスが良く、一般的なLAN接続に適しています
同軸ケーブルはノイズ耐性が高く、安定した信号が求められる場面で活用されますが、取り回しが難しいです
光ファイバーケーブルは長距離での高速通信に優れ、電磁干渉が気になる環境に適していますが、コストや取り扱いの難しさが課題です
LANケーブルのピンの割り当て
LANケーブルのピンの割り当ては、データの送受信を正しく行うために重要です。特に「ストレートケーブル」と「クロスケーブル」の違いを理解することで、接続する機器に応じて適切な配線が可能になります。
ストレートケーブル
構造:両端が同じ配線で結線されているケーブル(例:両端がT568BまたはT568Aで接続されている)。
用途:異なるデバイス間を接続する際に使用(例:PCとルーター、PCとスイッチ)。
接続方法:LANケーブルの両端が同じ配線になっており、ピン1はピン1に、ピン2はピン2に接続されています。
クロスケーブル
構造:片方がT568A、もう片方がT568Bで結線されているケーブル。
用途:同じ種類のデバイス間を直接接続する際に使用(例:PC同士、スイッチ同士)。
接続方法:送信ピン(ピン1と2)と受信ピン(ピン3と6)が反対側で交差して接続されるように配置されています。
MDIとMDI-X
MDI と MDI-X について
MDI (Medium Dependent Interface):
定義:MDIは、通常、PCやルーターなどのデバイスに使われるポートの規格です。
特徴:送信と受信のピンが特定の配置で割り当てられています。MDIデバイス間を直接接続する場合、送信ピンと受信ピンが同じになってしまうため、通信が行えません。そのため、クロスケーブルが必要です。
MDI-X (Medium Dependent Interface Crossover):
定義:MDI-Xは、スイッチやハブなどのネットワーク機器に使われるポートの規格で、MDIの信号を交差させる(クロス)ことを前提としたポートです。
特徴:MDIポートと異なり、送信ピンと受信ピンが逆に配置されています。そのため、MDIデバイス(PC)とMDI-Xデバイス(スイッチ)をストレートケーブルで直接接続できます。
ストレートケーブルとクロスケーブルの使い分け
ストレートケーブルで接続する組み合わせ
以下のように、異なる種類のデバイスを接続する場合に使用します。
PC ↔ スイッチ
PC ↔ ハブ
ルーター ↔ スイッチ
ルーター ↔ ハブ
クロスケーブルで接続する組み合わせ
以下のように、同じ種類のデバイスを接続する場合に使用します。
PC ↔ PC
スイッチ ↔ スイッチ
ハブ ↔ ハブ
ルーター ↔ ルーター
Auto-MDIX 機能
現在の多くのネットワークデバイスには、Auto-MDIX(Automatic Medium Dependent Interface Crossover)という機能が備わっており、ストレートケーブルとクロスケーブルを自動で判別して正しく通信できるように設定を自動で調整します。
そのため、Auto-MDIX対応機器ではストレートケーブルを1本用意するだけで、多くの接続が可能になっています。
イーサネットの規格
イーサネットは、IEEE(米国電気電子学会)によって標準化された、コンピュータネットワークの通信規格です。
イーサネットは、接続方式やアクセス制御方式、ケーブルの伝送速度や長さ、フレームの形式などを規定しています。ネットワーク技術の進歩に合わせて伝送速度が速い仕様が追加されてきました。
上記画像がイーサネットの規格の種類になります
これから主な規格の特徴の紹介をします。
10BASE-T
通信速度:10 Mbps
ケーブル:Cat3(カテゴリ3)以上のツイストペアケーブル
特徴:10 Mbpsの通信速度をサポートする古い規格。現在ではほとんど使用されていません。
100BASE-TX
通信速度:100 Mbps
ケーブル:Cat5(カテゴリ5)またはCat5e(カテゴリ5e)以上のツイストペアケーブル
特徴:ファストイーサネット(Fast Ethernet)とも呼ばれ、主にオフィスや家庭内ネットワークで広く使われました。
1000BASE-T
通信速度:1 Gbps(1000 Mbps)
ケーブル:Cat5e(カテゴリ5e)またはCat6(カテゴリ6)以上のツイストペアケーブル
特徴:ギガビットイーサネット(Gigabit Ethernet)とも呼ばれ、現在の標準的な通信速度です。多くの家庭やオフィスで使用されています。
10GBASE-T
通信速度:10 Gbps
ケーブル:Cat6a(カテゴリ6a)以上のツイストペアケーブル
特徴:10ギガビットイーサネットに対応しており、特にデータセンターや高帯域幅を必要とする環境で使用されます。コストや機器が高価なため、一般家庭での利用は少ないです。
LANケーブルのカテゴリ
LANケーブルのカテゴリ(Cat)は、通信速度や帯域幅の上限を定める規格です。以下が主要なカテゴリとその特徴です。
Cat5
最大通信速度:100 Mbps
帯域幅:100 MHz
特徴:10BASE-Tや100BASE-TX(最大100 Mbps)の環境に適していましたが、現在はほとんど使用されていません。
Cat5e(カテゴリ5e)
最大通信速度:1 Gbps
帯域幅:100 MHz
特徴:Cat5の改良版で、ギガビットイーサネット(1000BASE-T)に対応。コストパフォーマンスが高く、一般家庭やオフィスで広く使われています。
Cat6(カテゴリ6)
最大通信速度:1 Gbps(最長100 m)、10 Gbps(最長55 m)
帯域幅:250 MHz
特徴:Cat5eよりも高速通信が可能で、ノイズ耐性が高いため、安定した通信が求められる環境で使用されます。
Cat6a(カテゴリ6a)
最大通信速度:10 Gbps(最長100 m)
帯域幅:500 MHz
特徴:Cat6の強化版で、10ギガビットイーサネット(10GBASE-T)に対応。企業の高速ネットワーク環境やデータセンターで利用されています。
Cat7
最大通信速度:10 Gbps(最長100 m)
帯域幅:600 MHz
特徴:シールドが強化されており、特に電磁干渉が多い場所で安定した通信が可能。高コストなため、一般家庭での利用は少ないです。
Cat8
最大通信速度:40 Gbps(最長30 m)
帯域幅:2000 MHz
特徴:40ギガビットイーサネットに対応し、データセンターやサーバールームでの利用が想定されています。非常に高性能ですが、ケーブルの長さが制限されており、一般的な家庭用には過剰なスペックです。
イーサネット規格とLANケーブルのカテゴリは、必要な通信速度や使用環境に応じて選ぶことが重要です。例えば、家庭や小規模オフィスではCat5eやCat6、データセンターなどではCat6a以上が適しています。
終わりに
読んでいただきありがとうございました!
今回は「イーサネットLANのケーブルと規格」について紹介していきました!
次回は「イーサネットLANにおけるデータの送受信」について紹介していくので、ぜひ読んでいただければと思います!
ではまた!