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音楽も演奏も好きだけど音大は向いてなかった話

音大受験は、遅くて中3までには音大を受けると決めて準備しなければいけない。
私は、ギリギリの中3で先生に「音大受験やるの?」と聞かれ「はい!!!」と言ったのでそこから音大の講師の先生につき、特訓を始めた。遅かった。ほかの音大受験生たちはだいたい小学4年生ではもう音大の講師の先生について特訓しているというのに。

もともとはピアノの先生になって子供たちに音楽の楽しさを伝えたいな~もっとクラシック音楽を好きになってくれる人が増えたらな~という気持ちで目指しており、そのためには音大に行って音楽に関する知識や表現を深める必要があると思っていた。

それ自体は間違いではなかったのだが、音大のピアノ科は演奏家を育てるところであって、ピアノの先生や学者を育てるところではないので、カリキュラムは演奏のものばかりで教養科目も少ない。1年生の時にカリキュラムが演奏ばかりで、演奏は好きだけど全然得意ではないので成績も取れず完全に嫌になり、4年間いやだなと思いながら通い続け今に至る。

音楽は好きだし演奏も好きだ。音楽って面白いと直感的に感じてきたし、何かを表現する時間は尊いものだと思う。
でも私の好きな演奏は、「一つの曲を徹底的にきれいに弾く」という演奏でなく、「いろんな曲に触れながら音楽や表現そのものについて深める」という演奏だった。音大で求められるのは前者。(演奏家を育ててるのだから当たり前っちゃ当たり前)

みんな課題曲を1日5時間から10時間練習しているけど、私はせいぜい15分くらいの曲を1日10時間も練習する気にはなれない。いろんな曲を耳コピしてそれなりの完成度でやってるほうが楽しいし、子供たちにも音大を目指すのでなければレパートリーを増やすような指導をしてあげたいと思っている。

正直、受験生時点でかなり違和感はあった。それなりの完成度で満足しながら音楽を深めるなら音楽学に進んだほうがいいのではと思ったし、一般大学の美学コースとかも選択肢はあるなと思っていた。しかし、ピアノの先生になるならピアノ科出てないと指導厳しいよと言われまあ確かにと思ったのでピアノ科に行った。

でも、後悔しているかと言われればそうでもない。音楽に囲まれて学べる環境は楽しいし、4年生だがいまだに大学に行くとたくさんの楽器の音が聞こえてうれしくなる。

いま、進路を迷っている人がいたら、何をやりたいか明確にして、しっかり学校のシラバスについて調べ、在校生の話を聞き、入学後のギャップがないようにしてほしい。余談だが、音大は学力試験がほぼなく、私は中学高校が進学校だったため、全然同級生と話が合わないのもかなりボディーブロー効いてた感じはある。好きなことを突き詰めるのもいいが、環境って本当に大事なので、自分のやりたいことができてなおかつ環境の合うところに行ったほうがいい!!!

卒業試験、死ぬ気でやります


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