随筆 飽くなき向上心を持ち、志は満たすべからず
飽くなき探求心とか向上心を失ったらおしまいだなんて言葉を聞くことがあるが、慣用句にも「志は満たすべからず」というものがある。
望むものは100%叶えようとしてはいけない、すべてを叶えようとすると身を滅ぼす。という意味なので、まったく同じ意味合いではないのだが、欲に身を任せ過ぎてはならないというのは確かにである。
人間の欲望というものは様々な社会問題はもちろん、創作物にもよく描かれている。
しかし、人間の欲望によって文明は発展してきたという事実は変えられない。
何事もバランスだと行ってしまうと安直なのだが「適度な不満を持ち、徐々に改善をする」というのは停滞に対する最も良い対抗策のように思える。
既得権益に干渉し過ぎず、物事を改善する。なるほど志は満たすべからず、満たそうとすると出る杭は打たれる。
そういう考えをしてみると、加速度的に物事を行わない事の大事さが見えるような気がする。