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最後の地、山形・2
飲みてぇ〜。
寒河江SA
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予約していたレンタカーを受け取り、荷物を後部座席に放り込んで走り始める。シンプルな軽自動車。軽の運転なんて何年振りだろうか。いつもと勝手の違う操縦感にちょっとだけ戸惑いながら、目的地のひとつである加茂水族館に向かう。付属しているカーナビによると所要時間はおよそ1時間強らしい。食後のドライブにはちょうどいいじゃないか。毎週のお楽しみであるラジオ「ハライチのターン」をBGMにしながら高速道路に乗った。
高速道路に乗った矢先、仕事の電話が入った。こういうタイミングの悪い出来事が起こりやすい人生。というか自分今日は有給なんですけれども。自分の車ならハンズフリー機能で通話可能だが、借りたばかりのレンタカーでそれは難しい。折り返し電話のために最寄りのSAに寄った。
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寒河江SAで仕事の電話を済ませ、「どうせなら」ということでSAの中を見てみることにした。内装は木材が多用されていて、どことなく落ち着く雰囲気。食堂の反対側に産直コーナーが設けられていたが、遠目からでもその違和感に気づく。『フルーツ王国』山形県。果物類しか陳列されていないな。地元の産直コーナーなんてのはネギとか大根、ゴボウや葉物の野菜が多く並び、果物は端の方に追いやられているイメージだが、寒河江SAでは立場が逆転されている。逆転というか駆逐されている。たぶん時期的なヤツかもしれないけど。
ブドウの1房でも買っていこうかなんて考えたが、普段から果物を食べる習慣がない僕の事だ、絶対持て余す。果物は諦めてジュースかなんかを買ってみようか。ということで買ってみました。山形の尾花沢スイカサイダー。
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これ超うめぇです。SAを出た後に飲んで「何本か買えば良かった!」と本気で後悔した。200mlという「もう少し飲みたい」と思わせてくる内容量もニクい。調べたらネットで箱買いできるらしい。まだ悩んでいる。
加茂水族館・前
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途中、台風が来たかと思わせるくらいの豪雨に見舞われながら、やっと到着しました鶴岡市立加茂水族館。金曜の昼過ぎなのに駐車場はほぼ満車だった。なんとか駐車して入口に向かう。予想はしていたが、やはり家族連れとカップルが多いな。30歳単独男なんて見当たらない。ちょっと肩身が狭いような気がするぜ。入口、受付。3人家族のすぐ後ろに並んで順番を待つ。小さな男の子が父親からチケットを受け取るなりダッシュで中に入っていった。良かったね少年。走るな。僕もチケットを買おう。「大人1枚お願いします」。僕の後ろには若いカップルが並んでいた。受付のお姉さんの声が窓口に設置された小型スピーカーから鳴り響く。「はい!大人!おひとりですね!」。自意識が爆発しそうだ。
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加茂水族館はお食事処も併設しているらしく、入場ゲートを抜けると右側に眺めがよさそうなレストランがあった。庄内地方沿岸で水揚げされた魚介類が食育をテーマとして提供されているとの事で、クラゲラーメンやクラゲアイスなんかも食べられるらしい。流石、展示しているクラゲの種類が世界一の加茂水族館だ。ちょっと興味があるなクラゲラーメン。どんな味なんだろう。掲示された写真にコメントが書いてあって、「トッピングにも姿クラゲ、中華クラゲ、キクラゲを使用」とある。最後だけキノコだ。ギャグだろうか。
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いよいよ展示室へ。ちなみに僕の後ろに並んでいたカップルはそのままレストランへ向かって行った。水族館に来て先にご飯⁉胃袋の中を水槽と同じにしたいんか!?クラゲが有名な水族館だが、もちろんクラゲ以外もしっかり展示しているようで、まず山形県の淡水生物の紹介から始まっていた。
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短めの淡水エリアを抜けると、庄内地方沿岸に生息する種を展示するエリアに入った。悠々と泳ぐサメ、群れで泳ぐ小魚、水槽の底でうごめくカニ、生きているんだが死んでいるんだかわからない魚なんかが展示されている。カニが上に乗っていても微動だにしない。動け。
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このウミガメがいる展示エリアが結構面白かった。小さな生物用の水槽にマイクロプラスチックやビニール袋なんかの海洋ゴミが展示されていて、未来の海への警鐘を鳴らしている。海の生物たちを見せられた後にこの皮肉を効かせた展示ときたもんだ。加茂水族館、良いっすね。パンクですわ。
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ポンプの水流が強すぎるのか、高速回転していた
先に進む。どうやらいよいよクラゲの展示エリアらしい。「クラネタリウム」と名付けられたそのエリアの手前には、クラゲグッズのガチャガチャたち、クラゲに関するスタッフの手書きトピックスがびっしり描かれた黒板、そしてクラゲの形に錠前がずらっと取り付けられている「恋人の聖地」なる展示なんかが設置されていて、クラゲに対する強烈な”情”みたいな物が立ち込めていた。圧がすごい。ガチャガチャには興味があったが、恐らくは親がやらせてくれなかったんだろう。機械の前でめちゃくちゃに泣いてる子供がいたので諦めた。凄い泣き声だ。大丈夫だよ子供。こういう場所で回したガチャって来週には絶対どうでもよくなってるから。5年後とかに大掃除であっさり捨てるから。
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泣き叫ぶ子供を横目にそそくさと「恋人の聖地」を通り抜ける30歳単独男。無我の境地であった。
もちろんまだまだ続きます。ぜ~んぜん終わんないね。笑っちゃうぜ。