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長野凱旋・3

いつ終わるんだ。


本日のお宿

この桶は何用?

 1時間くらいで今日の宿に着いた。湯田中温泉のホテル水明館。入口の近くに温泉がかけ流されていた。湯気が立ってる。これ実は水道水だったら面白いな。チェックインを済ませてお部屋へ。鍵に付いてる部屋番号の棒ってなんかテンション上がりますよね。ドアを開けると広めの玄関。すぐ左の扉を押し開けると小さな浴室がある。小さすぎるな。浴室に入ったらドア閉められないよこれ。「どうぞ大浴場へ」という無言の圧を感じる狭さ。後で行かせてもらいますよ、大浴場。

1畳くらい

 襖を開けるともう布団が敷かれていた。コロナ禍で先に準備しておくようになったらしい。入室後にスタッフさんが敷いてくれるのがなんとなく苦手なので、僕としてはありがたい。しかし1人には広いなこの部屋。エレベーター前の部屋とは言え、広い玄関のおかげで外の音は聞こえにくくなっている。静かな空間は良い事なんだろうけど、なんかちょっと恐い。早速テレビを点けた。

奥にも小部屋がございます

 「旅館に来たら窓辺の謎スペースで瓶ビールをやりてぇよな」と着く前に思っていたが、求めてたものよりだいぶ立派なスペースだったのでそれは諦めた。なんか違った。荷物を解いて座卓と机をテレビの前に移動し、道中見かけたコンビニへ向かう事にする。晩酌用の酒を買わねば。あとツマミも。

名物とは

ウルトラ警備隊だ!

 ついでに館内を軽く散策してみる。一階にある和室の食事処は食卓が取り払われ、何台か卓球台が設置されていた。朝夕の食事は宴会場でのバイキング形式に変えたらしいのできっともう必要無くなったんだろうか。中年の夫婦が楽しそうにプレーしている。奥さんが強烈なスマッシュで容赦なく点を稼いでいた。手加減してやれって。ゲームコーナーの先にはカラオケルームが3つあって、どれも盛り上がっているのが伺える。クソデカ声量のラブイズオーバーが聞こえてきた。そういう雰囲気の曲ではない。

 部屋に戻り、浴衣に着替えて大浴場へ。僕に割り当てられた夕食の時間までは1時間程ある。ゆっくり温泉に浸かろうじゃない。部屋の風呂では浸かれないし。男湯の入り口から小さな男の子が飛び出してきた。Tシャツを着ているが下は履いていない。僕と目が合うと「エ゛ヘへェ゛」と笑いかけてきた。知らないおじさんによくもフルチンで笑えるな。トラブルが恐いので無視して脱衣所に入った。男の子が僕を追い越して父親のもとへ走る。先にパンツから履かせな、父親。お前の息子のムスコが見えてんねん。広さも温度も最高な温泉に浸かった。露天風呂最高。さて、そろそろ夕食を食べに行こう。

 割り当てられた夕食時間が最後の方だったので、広い会場に着くと他のお客はいい感じに帰り始めていた。手指の消毒。ビニール手袋を装着してバイキングエリアに向かう。よっしゃ長野の名物食べまくるぜ。お酒飲み放題の宿泊プランで予約してるし、酔っぱらわない程度にしこたま飲んでやろう。夕食会場の中央にテーブルがいくつも並び、お客がお皿に料理を取っている。一番近い場所には信州蕎麦のコーナーがあった。流石長野、蕎麦だけでも2種類の麺、3種類のそばつゆが用意されていた。クルミのそばつゆなんてのもある。後で締めに頂こう。他のコーナーをグルグル回るとあることに気付いた。あれ?ちょっと待て。長野名物、最初の蕎麦しか無くない?

ファミレスのバイキングかよ

 まぁいいか。名物は明日食べよう。色々少しずつセレクトし、お皿に乗せていく。デザートのコーナーは一掃されていた。追加してくれ。

 ビールをゲットして端の方に座る。いたたきます。真ん中上から時計回りに、鶏のから揚げ、レンコンとオクラの天ぷら、マイタケの天ぷら、ローストポーク、八宝菜、イカとサーモンの寿司、エビとコハダ?の寿司、タンドリーチキン、ブロッコリーとポテサラ。小鉢でマグロとエビの刺身、もつ煮込みのラインナップ。いかがでしょうか。ここは長野県は湯田中温泉でございます。長野と言えばなんでしょうか。リンゴ、野沢菜、山の幸、他にもいろいろありますね?僕は今から刺身を食べます。海なし県で。せめて温泉卵くらいはあって欲しかった。ちなみに全部おいしかったです。煮込みはおかわりしました。

 ビールをしこたま飲んだ後に食べる信州蕎麦は最高だった。クルミのそばつゆは売り切れていたけど。補充してくれって。部屋に戻ってテレビを見ながらもう少し飲んだ。一階の売店でお酒を買い足そうかと思ったけど、このちょうどいい酔い加減のまま寝たいな。支度をして布団に潜り込んだ。東北で起きて長野で寝る。思えば遠くに来たもんだ。目を閉じると秒速で眠りについた。めちゃくちゃ寝つきが良いんですよ僕。

おい地獄さ行くんだで!

おはようございます

 起床。気持ち良く寝た。朝食の時間まで小一時間あったので、朝風呂をキメるために大浴場へ。先客は思ったよりいる。ここのホテル、露天風呂からの眺めが良い景色だったんですよ。長野の山々がすぐ近くに迫って素晴らしい眺め。チェックアウトしたらあの辺りへ行く予定だ。地獄谷野猿公苑へ。部屋に戻る途中、屋上に上がれることに気づいた。湯上りの熱を冷ましに行こう。たぶんスタッフさんしか使わないドアを開けて外に出た。鍵かかってないし大丈夫だべ。空は曇っていたが、残暑真っ盛りの割にそれほど暑くない。それでいて西の遠くに青空が見えた。この後は晴れるらしい。屋内に戻って朝食会場へ向かう。朝食もバイキング。長野名物はもちろん無かったけど、むしろ朝食はこんな感じで良いんですわ。ちょっと食べすぎたな。

どうですかこの完璧な一皿

 チェックアウトを済ませて外へ。ホテル水明館、コスパが良いお宿でした。またいつかお世話になりたい。小さい灰皿を見つけたので一服。何気なく山の方を見ると下辺りに霧がかかっている。地獄谷ってあっちの方だよな、多分。よし、暑くなる前にささっと行こう。猿見よう、猿。

今からあっちに行きます

 この後から長くなるんでとりあえず一旦区切って4個目に続けます。
「誰もいないよ?」

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